NO 778 岳でもお天気続きです。
2010 8/ 25(水) A.M
このページの8/17付けNO.775,776でご報告した、夏型のお天気復活以来、本日まで9日間連続の好天が続く鹿島槍ヶ岳周辺です。この間は雨や雷雨もなくたいへん安定した天候が続いています。昨日は久しぶりに雷がなりましたが、雷雨にいたることはありませんでした。雨なしが続き、登山道もほこりっぽくなってきたり、小石がざらついたりで、そろそろ地面を引き締めてくれる一雨もほしいところです。
またお盆前からお盆明けにかけては、お天気も一服して、温度もやや低めに推移して肌寒い日もあったくらいでしたが、ここへきてまたまた日中の温度も22度ぐらいまで上がるようになっており、この時期の日中としては暑いくらいの日が続いています。ただまわりを見回しても、コバイケイソウの葉が黄化しはじめたり、チングルマの綿毛が風にゆれたり、ナナカマドの実も赤味を帯びてきたりと季節は秋へ秋へとすすんでいるのは明らかです。ただこの後も温度高めの日がしばらく続くとか・・・ 山の様子もどうなっていくんでしょうか。秋の紅葉の行方、出来具合も心配になってくる季節でもあります。
さてお盆以降、北アルプスや長野県内の山岳では遭難や事故が連日のように発生しております。誠に残念なご報告ですが、当山荘周辺でも先週末は2件の遭難が起き、1名のお客様が不帰の人となりました。謹んでご冥福をお祈り申し上げる次第であります。下山時には疲れもたまってきます。足元の悪い場所ではより慎重に下山してくださるようお願いいたします。また日もすっかり短くなっていますが、行動の遅いグループも目立ちますので、早めの山荘到着、早めの登山口への下山もあわせてお願いいたします。
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お天気が何よりです。自分自身未踏の水晶岳や赤牛岳にも心が飛びます。(8/23:赤沢岳) |
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鹿島槍と爺ヶ岳をあとに新越山荘へ向かいます |
新越山荘周辺も夏と秋がせめぎ合い。 |
▲天気
(8/25A.M)
◎8/17から夏型の安定したお天気が本日8/25まで続いています。この間夕立等はありませんでしたが、昨日は雷がかなり鳴りました。まだまだこの先も常に雷や夕立に注意しなければなりません。
◎例年のこの季節に比べると温度高め、20度を超える暑い日が続いています。日差しも強いですので、暑さ対策や日焼け対策しっかりとお願いします。また朝は最低気温10度以下の肌寒い日は、Tシャツ一枚では寒い
くらいです。薄手のジャンパーをお持ちになるか、雨合羽での代用でもOKでしょう。
◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。
さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。
▲花
◎シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラ、チングルマ
といった夏のお花はほぼ姿を消し、雪消えの遅かったような場所でまれに見るぐらいになりました。
◎夏のお花では、ハクサンフウロがまだまだとても元気です。ハクサンボウフウやヤマハハコ、タカネニガナ、名残のウサギギク、エゾシオガマ等とお花畑をつくっています。
◎オヤマリンドウ、ミヤマリンドウ、カンチコウゾリナ、ミヤマコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマコゴメグサ、ヤマハハコ、ミヤマトリカブト、ミヤマママコナ、クロトウヒレン、ヤマホタルブクロ、キオン、ミヤマシシウド、タテヤマアザミといった秋系の花が盛りを迎えています。
◎種池山荘周辺ではチングルマの綿毛が見頃をむかえ、コバイケイソウの葉は黄化し始めています。
◎初秋の代表花でもある、トウヤクリンドウは盛りを過ぎ花も少し枯れ始めました。一方でコケモモ、アカモノ、ナナカマドなどの実が赤味を帯びてきています。
▲登山ルート等の状況(8/25現在)
◎鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も皆さん支障なく縦走されています。
◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
◎柏原新道上部の“ガラバ”では落石や滑落に注意してサッと通過しましょう。
◎赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転滑落に注意。また落石にもご注意下さい。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りて
下さい。
◎種池山荘〜新越山荘〜針ノ木岳方面も登山道に支障はありません。
◎針の木大雪渓は中間帯に残雪がまだ1キロぐらいに渡ってたっぷりあり、夏山の大雪渓歩きを堪能できます。心配な方は軽アイゼン、ストック等お持ち
になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時は転ばぬようご注意ください。
◎これからは台風シーズンにもなりますが、雨が降るとすぐに、登山道は大丈夫かと聞かれる方がおられますが、大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。
◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。 ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
▲アドバイスや注意
◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、
一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
◎またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録です。誇張されたものもありますので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的
かつ常識的な無理のないものを参考にしてください。
そして自分はそれらの参考タイムの1.5倍の時間でだいたい歩くとか、3割り増しの1.3倍で歩くとか、ご自分なりの係数というものをお持ちいただきたいと思います。
◎まだまだ夏山シーズン真っ盛り! 雷と夕立に注意しましょう。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策です。そのためにも早朝出発に心がけましょう。日中の暑さ等に対する備えもしっかりとお願いします。
日焼け止め、サングラス、帽子、水分補給等にご注意ください。
◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。
またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
◎北アルプスをはじめ中部山岳ではこのところ、重大事故が多数発生しています。しっかりとした計画のもとで、休憩をしっかりとりながらゆっくり慎重に下山いたしましょう。
▲混雑状況(8/25現在)
◎今週末の8/28(土)は冷池山荘だけ定員近い入り込みになるものと思われます。
◎それをのぞくと今週末は8/27(金)、8/30(日)を含めどの山荘も混雑はなく、すいております。
◎この後、来週以降は9/4(土)の週末を含め、予約少ないです。とくに平日はたいへんすいております。
次に入り込みのピークになるのはやはり9/17からの敬老の日3連休になりそうです。
◎夏休み前に雨で順延になった160名様ほどの中学校登山が8/31(火)に種池山荘にてあります。込み合います。
◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが
、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
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