▲▲ 2010 / 4月 ▲▲

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NO 726   今シーズンもよろしくお願いいたします。

2010  4/ 30(金)

   今日も一日中雪がパラパラするあいにくのお天気でしたが、数名の今季最初のご宿泊のお客さまもお迎えすることができました。入山以降悪天候の日が多く、除雪作業や小屋の内外の作業も悪戦苦闘の時もありましたが、皆でがんばってくれて 実質営業初日を無事に迎えられました。今期もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

ようやく2階の窓が見えてきました。でもまだまだこれから先が長いんですよね。 玄関ポーチや一階の窓が出てきたぞ!ようやく先が見えてきました。
2台の除雪機もフル回転で大活躍!大助かりです 冷池山荘オリジナルソーセージドックを食べて鋭気を養う。これがまたうまいんです。楽しみな時間です。

やった!7メートル以上の雪を掘り進み、ついに玄関扉のおおいが外れた瞬間。新鮮な空気が入ります。 『お待ちしておりました。さあどうぞ。』終日雪の舞う中今期初の宿泊のお客さまもお見えになりました。明日は5月入り『五月晴れ待ってま〜す』

NO 725   まだまだ雪崩にも注意!

2010  4/ 30(金)

   連休2日目も寒気が残ったままで、朝の最低気温はマイナス8度、鹿島槍ヶ岳周辺は朝から雪が舞うあいにくのお天気です。明日もまた別の寒気が流れ込みそうですので同じようなお天気が続くかもしれません。たびたび申し上げていますが、今ゴールデンウィークは全国的に好天が予想されていますが、下界の天気予報がそのまま北アルプス北部の天候とは一致しませんのでお気をつけていただきたいと思います。

  さて今春は上から俯瞰すると、ビックリするくらいにどの沢も大きな雪崩が出ていないように見受けられます。針ノ木雪渓も扇沢も棒小屋沢も、西沢や北股本谷も・・・・  上のほうは雪が少なかったのかな? なんて思うのですが、その一方で今まで一の沢では見たことのない大きな雪崩が大冷沢まで押し出したりもしています。また4月16日にチェックに行った際にはなんともなかった西俣出合にはその後に冷尾根方面から大きな雪崩が出たようで木々の残がいが散らばっていました。周辺はゴールデンウィーク中にはテントを張るパーテイもいる場所ですので、注意が必要です。

  新雪による表層雪崩はもちろんのこと、雪庇の崩壊に伴う雪崩や底雪崩もまだまだ気をつけないといけない季節です。山スキーで谷筋や沢筋にはいる方はもちろんのこと、みなさん気をつけていただきたいと思います。また積雪は上部より下部の方のが平年より多い印象を受けています。

     なおお問い合わせにて柏原新道を通って種池山荘まで行けるかとか、登山道はどうなっているかといったものがありますが、この時期は登山口から頂上まで、基本的にすべて雪の下です。夏山登山道は現れていません。また常識的にも柏原新道を通って種池山荘へ向かうコース取りはしません。爺ヶ岳へ登るには最初こそ雪消えが始まった柏原新道を登り始めますが、途中から道は雪で無くなってしまいますから、尾根筋をまっすぐに爺ヶ岳南峰へ向かってまっすぐに直登いたします。他にも赤岩尾根の取り付き点も積雪期と夏山シーズン中とは違います。残雪期は尾根の末端から取り付きます。また赤布や赤旗は付いているのかと聞かれますが、最低限のものをつけてあるだけです。とても全コースを小屋で管理できるものではありませんので各人の的確な判断をお願いいたします。この時期鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳周辺は一般的に登られる爺ヶ岳南尾根や赤岩尾根尾根以外にも爺ヶ岳でしたら東尾根、白沢天狗尾根、冷尾根、主稜、北稜などを登る、扇沢や西沢を山スキーでつめる。鹿島槍ヶ岳でしたら天狗尾根、東尾根、鎌尾根、布引尾根、ダイレクト尾根、北尾根とかありとあらゆる尾根を登られます。それらのルートを登られる皆さんは基本的に他の人のトレースや赤旗をあてにはしてないと思うのですが、一般的と云われる爺ヶ岳南尾根や赤岩尾根についても同様に各人の力量で登っていただきたいと思います。この季節の登山は夏山登山ではありません。まだまだ厳冬期の登山となんら変わりありません。小屋で全コースの管理や日々変わるコースの状況等は把握できません。各人の力で登山をしていただきたと思います。また過去のこの時期の当ホームページも参考になさってください。

いつもなら雪崩におおわれる堰堤も、今年は見える針ノ木雪渓。 沢筋ではまだ雪崩に注意必要。 雪崩の威力のすさまじさ。

NO 724   連休初日は仕切りなおしへ

2010  4/ 29(木)

    今日も前線通過のため午前中は荒れて、新たに新雪が20センチ近く降り、ここ3日間のあいだの降雪量は60センチを超えました。今日の雪は昼ごろにはいったんは止んで青空も広がったものの、その後はふたたび寒気が入りこんで夕方までパラつく寒い一日になりました。前線通過で天気の悪化も予想されましたので、ご予約のあった3パーティの皆さんも前日までにすべてキャンセル。テント泊のお客様をふくめて連休初日はどなたもお見えにならないスタートとなりました。この天気ですので皆さんの賢明なご判断をありがたく思います。鹿島槍ヶ岳のゴールデンウィークは明日再スタートになりますが、おだやかな天候が続いてほしいものです。

   27日朝までは周囲のハイマツ帯の雪が消えて、夏山登山道の姿 (といっても夏道の上には50センチ以上の積雪があるのですが・・・) がほぼ100パーセント目で追えた爺ヶ岳稜線ですが、ここ数日の降雪で積雪を増して、ハイマツ帯もすっかり雪化粧して、ふたたび真冬の様相に逆戻りです。このあとお天気が続き温度も上がれば雪消えもすすむと思いますが、しばらくは滑落により注意していただきたいと思います。とくに朝夕はまだまだガチガチに凍結してアイゼンがきもちよく効く季節です。フル装備のうえ充分な注意をお願いいたします。明朝もマイナス10度近くまで下がりそうです。

春山ムードただよう爺ヶ岳中峰と南峰。(4/25)

真冬に戻った爺ヶ岳中峰と南峰。(4/29)

赤岩尾根の頭から爺ヶ岳北峰にかけて。(4/25) 赤岩尾根の頭から爺ヶ岳北峰にかけて。(4/29)

爺ヶ岳稜線から鹿島槍ヶ岳。(4/25)

冷池山荘から雪舞う鹿島槍ヶ岳。(4/29)

NO 723   美しい新雪は “冬山の領域” の証

2010  4/ 28(水)

   昨日朝からの風雪はようやく昼前には上がり周囲の山々も姿を見せてきました。強風に吹き飛ばされたり、逆に吹き溜まりになったりで、一概には何センチの新雪ということははっきりしませんが、おおよそ40〜50センチぐらいの降雪はあったのではないでしょうか。せっかく掘り下げて玄関を掘り出した“冷池版 雪の大谷”もかなり埋まってしまい、再除雪作業です。

  昨年も4/27は暴風雪に見舞われ鹿島槍ヶ岳およびすぐ南の鳴沢岳では2件の遭難で5人の尊い生命が失われましたが、北アルプスがこの時期はまだまだ冬山の領域であることだけは間違いありません。そして明日からはゴールデンウィークも始まりますが、明日の昭和の日は前線の通過やその後北日本を低気圧も通過しそうですので、またまた雪降りになる可能性がありそうです。その後は週間予報でも大型連休中の東日本は割りに好天が予想されているみたいですが、一方 北日本では低気圧の通過や一時的な寒気の流入もあるようですので、天気が類似している北アルプスで注意が必要なのは言うまでもないことでしょう。

雪煙舞い立つ爺ヶ岳稜線。見えていた登山道の形も完全に消えてしまいました。(4/28) 昼前には新雪におおわれた剱岳立山方面も姿を見せ始めました。(4/28)

NO 722   ゴールデンウィークを前にまとまった雪です

2010  4/ 27(火)

   今日は所用のために私は一週間ぶりに冷池山荘から赤岩尾根を経て夕方下山して参りました。朝方まで持ったお天気も急速に悪化。降り続く雪の中の下山になりました。雪は山岳部だけにとどまらず、大町温泉郷の少し北側辺りまで白くして、今春の遅い春を象徴しているかのようです。山小屋のほうでは夜までに30センチ近い新雪になったようです。

機械力と人力でついに7メートルを超える積雪の最下部、冷池山荘の玄関にたどりつきました。4/27 昨日の晴天が幻だったかのような今日の猛吹雪です。主稜線は終日の大荒れです。4/27

赤岩尾根の下部も木々が新雪におおわれて真冬の光景に逆戻りです。

大谷原登山口南方向の鹿島槍ガーデンの釣堀も時ならぬ雪化粧です。

NO 721   入山以来、最高のお天気です。

2010  4/ 25(日)

  今朝は相当に冷え込みました。小屋の中のペットボトルの水も凍りつくほどです。しかしお天気はサイコー。ぶるぶるしながらも外へ出て写真撮影です。その後も終日穏やかな天気が続き除雪も大いにはかどりました。小屋の中の準備もほぼ仕上がり、営業態勢も整いました。写真は今日の爺ヶ岳頂上からの鹿島槍ヶ岳と劔岳、立山方面です。こんなお天気がゴールデンウィーク中も続いて欲しいものですね。

NO 720  下界同様に、岳も寒さが続きます

2010  4/ 24(土)

  ラジオによると下界も寒いようですね。山の上も今朝はマイナス10度ぐらいまでは下がったでしょうか。今日も午前中は吹雪きましたが夕方にかけてはお天気も急速に回復してきて、青空が広がり、新雪の爺ヶ岳が映えました。温度もどんどんと下がってきており明朝はマイナス15度近くまで下がりそうです。入山後は猛吹雪や暴風雨の時間帯が多く除雪作業も悪戦苦闘の連続で、心底まいりましたが、悪天の中、除雪機もフル回転。スタッフもすでに雪焼けで顔を真っ黒にしながら頑張ってくれています。明日から除雪も中盤戦に入ります。

NO 719   冷池山荘に入山しました

2010  4/ 20(火)

  昨日の晴天は今朝までギリギリもって、シーズン中最初で最後のヘリコプター入山にて冷池山荘へ入りました。小屋周りの積雪はほぼ平年並みといった感じで、爺ヶ岳や鹿島槍主稜線も同様の感じです。今日は途中からは雪混じりの天候になってしまい、ヘリ作業も中断になってしまいましたが、ほぼ荷物も上がり今季のスタートです。明日からはいっしょに上がってきた除雪機を中心に小屋周りの除雪作業も本格化し、除雪、小屋内の整理、片づけ等を同時進行させながら4/29からのゴールデンウィーク営業を目指します。なおゴールデンウィークの営業は5/8(土)までとなります。また種池山荘はゴールデンウィーク中の営業は今年からいたしません。

NO 718   今春はまだしばらく低温傾向や、寒の戻りもありそう。

2010  4/ 19(月)

  先週末は全国各地で低温続きであったり、時ならぬ大雪が降ったりとひと騒動でしたね。大町でも17日の朝は17センチの新雪が積もり、すでに倉庫にしまった“雪かき”をあわてて出す始末でした。この時季としては、最近でも平成18年4/21に5センチの降雪があったり、そんなに珍しいことではありませんが、17センチという降雪量だけは今までにないくらいの量でしたね。でもしょせんが春の淡雪、夕方までにはほとんど消えてしまいましたが・・・ 平地でこんな具合ですから岳の上ではこれから先、5月一杯ぐらいはまだまだ降雪があることはいつの年でも不思議なことではありません。

  ところでこの積雪やらこのところの寒さや天候不順で大町のソメイヨシノの開花も当初の予想より遅れ気味ですが、先日もご紹介した大町西小のサクラを今日夕方に見にいってきたら、いよいよ明日あたりには開花しそうな感じでした。ただこのあとも日照不足や低温傾向が続くような予想ですので、サクラの見頃だけは長く続くかもしれませんが、連休の天気も含めて何かと心配ですね。

  さて小屋開け入山を直前にしてなにかと気ぜわしい毎日ですが、なんとか準備等もととのい、あとは天候待ちです。そんな中、先週後半にはうちの若い衆が赤岩尾根の取り付き付近や爺ヶ岳南尾根の最上部まで状況を見に行ってきてくれましたが、積雪は平年並み、もしくは平年より多めの感じという報告でした。本日は鹿島槍ヶ岳で残念な遭難も起こってしまいましたが、ゴールデンウィークを含め残雪の量に関係なく慎重な山行をお願いしたいと思います。

西俣出合。右側の尾根が赤岩尾根。

爺ヶ岳南尾根ジャンクションピークから針ノ木岳

NO 717   今年はまだまだ三寒四温。

2010  4/ 13(火)

  今日は大町も20度超えの一日、ただニュース等で云われるほどの暖かさを大町では感じませんでした。日中の高温も一時だけで夕方にかけては急降下です。北アルプスも雨がやんだ朝方の好天は長続きせず、午後にはすっかり雲行きが怪しくなってきました。明日からは大きな寒の戻りとか・・・ 予想天気図もきれいな冬型気圧配置ですね。昨日から今朝にかけては 、岳も下界同様に雨降りだったようで、一気に姿を大きくした爺ヶ岳の “種まき爺さん” の雪形も、この後はまたまた雪の下に隠れてしまいそうです。

  それでも先週開花したわが家のウメもようやく満開になり、遅れ気味だったスイセンもようやく咲き出しました。そして市内のソメイヨシノもようやくつぼみがふくらんできました。今年は小屋開け入山までに 満開のサクラを迎えるのはちょっとむずかしいかな?  でもそれが普通なんですけどね。本来、大町の開花は4/20過ぎで、満開も4月の末ぐらいでなくちゃいけません。

真新しいランドセルが満開のサクラの下を登校するのもまもなく。(大町西小 4/13)

校庭をぐるっととり巻く桜並木。つぼみにも明日からは寒の戻り。

爺ヶ岳中峰と南峰。(4/13)

“種まき爺さん”もずいぶん早く大きくなりました。

NO 716   人、人、人・・・  諏訪大社 『御柱祭』 前半が無事完了。

2010  4/ 13(火)

   朋有り遠方より来る。4/9は友人と諏訪大社の 『御柱祭』 下社最大の見せ場 “木落とし” の初日を見学に行ってきました。前前前回辺りまでは長野県の代表的なお祭りといった感じだった『御柱祭』 はいまや日本を代表するといっても過言でない大祭になりました。今回も下社 “山出し” の3日間に53万人もの人出だったとか。皆さんもその迫力はテレビニュース等でご覧になったことと思います。

  奥山で切り出された樹齢200年近い、10トンにも及ぶモミの大木を何キロにもわたって、何百何千の氏子が引っ張ってきて、諏訪大社に奉献建立するこの大祭は、山国長野県に住む者として、また山での仕事をなりわいとする私としましても、熱が高まるものです。今回は初日の二本目、三本目の“木落とし” と曳行を見学してきましたが、その迫力たるや・・・・  大木にまたがった若い衆が無事に滑り落ちてくると、拍手喝采、目頭が熱くなります。“諏訪人” ならずとも元気をもらって、次の 『御柱祭』 までの6年間を頑張ろうという気になってきます。子供のころから4回目の見学の私だけでなく、初めての友人にとっても立ちっ放しでの2時間待ち4時間待ちも何のその、心行く一日となり 、旧交をも温めることができました。この後は5月に上社下社ともに御柱を安置場所から曳行しての “里引き”、境内に建立する “建御柱” がおこなわれ、諏訪はまたまた歓喜につつまれます。『御柱祭』 は寅年と申年に開催されます。みなさんもぜひ一度は足をお運びくださいませ。

 

NO 715   黒部ダムにも春到来。

2010  4/  12(月)

   4/10に黒部立山アルペンルートの大町〜扇沢〜黒部ダム〜室堂 間が開通いたしました。当日は昨年の開通日同様に絶好の好天に恵まれて、最高のスタートをきることができました。今年も11月30日の最終日まで営業されます。開通に合わせてオープンカーニバルも開催されて、故事にならって佐々成 政の立山越えの再現行軍がおこなわれました。私も大町市観光協会の役員として同行、一般招待客の皆さんとともにカーニバルを盛り上げてまいりました。黒部平の残雪量はほぼ平年並みといったところですし、黒部平から望む赤牛岳方面、針ノ木岳〜鳴沢岳稜線、鹿島槍ヶ岳、五竜岳方面も同様の感じです。いよいよ今年の山岳シーズンも開幕です。ぜひ今年も黒部立山アルペンルートへお出かけいただきたいと思います。そして私どもの小屋開け入山までも10日 ほどになってきました。

黒部ダムと立山

佐々成政軍団が黒部峡谷に春を呼ぶ。

黒部平からの鹿島槍ヶ岳。

なだれ跡のはるか上空を行く。

奥黒部の山々。赤牛岳と左奥には水晶岳。

赤沢岳、鳴沢岳稜線。

NO 714   今朝の北アルプスは春の山の表情。

2010  4/  9(金)

   3月下旬以降ややもすれば天候に安定感が欠けるきらいもありますが、今朝の北アルプスは穏やかな4月の山の顔を見せていました。来週もまだ寒の戻りがいくぶんかあるような予報ですが、これからは春山の表情を見せる割合のほうが確実に増えていきそうです。今春最初のお客様を迎える黒部立山アルペンルートも明日には室堂までオープンになります。(写真は4/9)

爺ヶ岳の東面

赤岩尾根尾根の上部

冷池山荘の北方稜線

爺ヶ岳の東尾根

来週には水が入る田も現れるころ

天を突く鹿島槍ヶ岳双耳峰

NO 713   一足早く満喫! 桜花爛漫。

2010  4/  9(金)

   昨日4月8日は所用にて、早朝大町を出発して京都を日帰りにて往復。一時間ばかりの手隙の時間には大好きなお寺めぐりへ、今回は東寺へと参拝してまいりました。何回訪れても東寺の五重塔と数多くの仏像群にはこころ満たされ、こころ安らぎます。今回はさらに満開を迎えている何種類もの桜の花が色を添えてくれました。限られた時間でしたが、とても内容の濃い時を過ごすことができ幸せでした。テレビ等でも幾度となく放映される美しい光景ですが、当ホームページでもぜひみなさんにご覧いただきたいと思います。   願わくば東山界隈の夜桜の下もそぞろ歩きしたかったところですが・・・

  いっぽう長野県内でも4/6に松本、本日4/9には長野市でソメイヨシノが開花したようで、大町の開花も来週後半以降には予想されているようです。今度は北アルプスをバックにした満開のサクラに元気づけられて、小屋開け入山、そしてゴールデンウィークへと入っていきたいものです。 

 

NO 712   アルペンルート 大町〜扇沢〜黒部ダム〜室堂 は4/10に開通へ。

2010  4/  6(火)

   今日は 大町アルペンライン連絡協議会の理事会および総会、そのあいだには大町〜扇沢のアルペンライン現地調査があり私も参加してまいりました。今冬は扇沢駅での累計総降雪量は840センチを超えて、平年よりやや多目の積雪量だったということですが、3月以降は順調に雪融けも進み現在の扇沢駅の積雪は150センチということで、駐車場の除雪作業も順調にすすんでいました。関係者が参加しての現地調査では雪崩の危険のある箇所を視察。冬期間の雪崩の跡や、その後の順調な雪解け状況、整備が進むロックシェッド等を確認して、予定通りの4/10の開通が決定されました。当日からは黒部ダムおよび室堂までの入山が可能になります。なお室堂〜弥陀ヶ原〜美女平〜立山駅間が通行可能になって大町から富山まで通り抜けできるようになるのは4/17の予定です。いよいよ今年も黒部立山アルペンルートの季節がはじまりますね。人気の“雪の大谷” 散策は4/17から、今年も雄大な黒部ダムに足をお運びくださいませ。

  なお扇沢駅周辺から見る爺ヶ岳や爺ヶ岳南尾根、赤沢岳等もほぼ平年並みの積雪に思われました。北アルプスの春山シーズンもまもなくスタートですね。昨年のゴールデンウィークには鹿島槍ヶ岳周辺ではとても残念な大きな遭難が相次いでしまいましたが、準備等は怠りなく願います。

除雪作業真っ盛りの扇沢駅。 扇沢駅からの赤沢岳稜線はまだ冬の表情。
爺ヶ岳南峰と爺ヶ岳南尾根。 ジャンクションピーク下部。雪庇はやや小さめか。

NO 711   大町を舞台に小説 『幻想  平家物語』 刊行!

2010  4/  1(木)

   3月初旬に山音由広様から山音様が執筆された小説 『幻想  平家物語』 をお送りいただきました。400ページにも及ぶ大作でハードカバーのたいへん立派な装丁の新作です。山音様が初めて書かれた作品とのことでした。作品は大町を舞台に、隣り合った 赤城家と小平家の二軒の屋敷の内外で次々と不可解な出来事や事件が起こることから物語りは始まります。連続して起こる不可解かつ不気味な出来事や、不可思議な祖父の死におびえ、たまらなくなった 赤城家はついには大町から去ってしまいます。一方の小平家でもおかしなことが相次ぎます。そんな中地元の銀行に勤め “歴女” でもある一人娘のかおりが、 歴史に関する懸賞に応募して、みごとに大賞を受賞します。歴史好きのかおりはそれを喜び、懸賞商品の『平家を尋ねての旅』ツアーの格安チケットを得て 、ゴールデンウィークに意気揚々と京都、兵庫県の一ノ谷、香川県の屋島、そして最後に山口県の壇ノ浦へと平家ゆかりの地に一人で足を運びます。でもその行く先々でも気味の悪いできごとや、あわや死に至らんとするような事件も起こってしまいます。もしや一連の出来事は平家の亡霊のいたずらか。しかしそんな かおり の危機を救ってくれたのは旅先で偶然知り合った、出版社に勤めるという青年 源川 でした。最初の出会いではつれなくしたかおりでしたが、源川に間一髪で命を救ってもらったことで、夏休みには大町の自宅へ招くほどに信頼を置くようになっていました。二人は大町の夏祭り若一王子神社の大祭の流鏑馬を見たり、市内の観光をしたり、鹿島槍ヶ岳から五竜岳への縦走登山にも出かけたりして、さらに信頼を深めていきました が・・・・  ちょっとしたことで二人のあいだには誤解? が生じてしまいます。好青年と思っていた源川はかおりの前から何も告げずに立ち去ってしまいます。一方おなじころに空き家になっていた隣家には 関根と名乗る新しい家族が引っ越してきて住み始めていました。しばらくすると隣家の関根家から急用で行くことができなくなってしまったという松本市内での 歌舞伎のチケットをもらうことになりました。かおりは両親と3人で松本へと出かけ、家を留守にしてしまう。実はと言うとそのチケットは かおりの前から姿を消した好青年の源川 が関根家に渡したものでした。その夜かおりたちが留守の小平家で起こった事とは・・・  はたまた源川 青年は敵か味方か・・・・  結末はぜひ とも本をご購入してお読みくださいませ。

  毎夜寝る前に7〜8ページぐらいずつ読んできた私ですが、中盤からクライマックスにかけては一気に読み上げてしまいました。最近は“積ん読” ばかりで小説離れが著しかった私ですが、久しぶりに完読いたしました。作品を書かれた山音様はこの作品が映像になることを考えながら構想、執筆されたということですが、ほんとうに映画にでもなれば面白い作品ですね。今後のご活躍もたのしみです。      ところで小説 『幻想  平家物語』のカバーの写真は私が撮ってこのホームページにも掲載していた写真なんです。もうかなり前のことですっかり忘れてしまっていたのですが、山音さまから電話をいただき本を出すので写真を使わせてもらっていいですかと聞かれていたんです。出典さえわかるようにしていただければどうぞお使いくださいとお答えしたと思うんですが ・・・・  正直なところ本屋さんにも並ぶこんなに立派な作品だとは夢にも思いませんでした。少々恐縮しております。山音様にはたいへんありがとうございました。この作品が大勢の皆さんに手にとっていただき、たくさんの方々が大町や鹿島槍ヶ岳へお越しくだされば私としましてさらにもうれしい次第であります。皆様にもおすすめの一冊です。 大町の塩原書店にはレジ前に積まれていましたので、近隣の皆様にはぜひともご購入いただきたいものです。

作品名 『幻想  平家物語』 (日本文 学館 刊)  山音由広 著  1575円

 

鹿島槍ヶ岳北峰から“カクネ里”を俯瞰する。平家伝説が伝わる“カクネ里”は平家の“隠れ里”が転じて名づけられたと云われています。