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NO 570  四国地方梅雨明け! ようやく半歩前進。

2009  7 /  31(金) 

  昨夜は雨も上がり久々の星空になり、少しだけ夏気分。天の川、夏の大三角形に酔う。そして今朝は早朝より厚みのある見事な雲海が信州側に横たわり周囲の山々もすっきりと姿を見せてくれました。今日はヘリの荷揚げがあるので早く雲海がきれてくれることを期待しましたが、ついにきれることなく昼前には小屋の周囲も厚いガスに包まれてしまいました。そして午後遅くには再びの雨降りです。なかなか安定してくれません。

  明日からはいよいよ八月ですが、残念ながら今週末もまだまだ梅雨空が続きそうです。とにかく今は安定した夏空のひろがりを待つのみ。一日も早いヘリの荷揚げや、お客様の活況を待ち望むばかりです。日照不足と雨続きにも負けずお花たちはとても元気ですよ。来週こそ期待しましょう。

鹿島槍ヶ岳の北股本谷にも雲海。上空には少し秋の気配も、頂上には湿っぽいガスがかかる。 雲海の上は晴天も、雲海の下の登山口辺りは終日の厚く暗い雲の下。

種池山荘の前はチングルマやアオノツガザクが見ごろです。 扇沢上空も厚い雲海。コバイケイソウも最盛期を過ぎました。

NO569  現時点で長雨による登山道や登山口迄の車道の被害報告はありません。

2009  7/ 29(水)

  山の上は本日も雨が降り続いています。降ればどの日も30ミリぐらいの降雨量になっています。昨日のこのページでも書きましたが、結構雨がやんでいる時間もあったりするので、柏原新道登山口のある扇沢までのアルペンラインも、雨の日が多かったり大雨警報もたびたび出る割には、今年はまだ一度も連続雨量 等による事前通行規制は実施されていません。ただ当地も6月末からの総雨量が相当量になっており、下界の道路でも北アルプスの登山道でも、地盤がゆるんでいますので落石等に注意が必要なのは言うまでもありません。

1時間に30ミリの豪雨や、雨が止むことなく降り続いて130ミリに達すると事前通行止めになる。

北アルプス登山や黒部ダム観光の重要ルートである、大町アルペンライン。

天気

◎梅雨明けが遅れています。7/27,28と日中はまあまあのお天気でしたが、夕方近くから明け方まで雨模様といったまだまだ不安定な天候状態です。 本日29日も雨模様です。前線に向かって湿った大気が次々と太平洋上から流れ込み、日本各地で集中豪雨等になっていますが、その状態は日本中のどこでも同じです。山の上も同様ですのご注意下さい。、

◎梅雨明けが遅れていることもあり、日中の温度も低温傾向です。この季節は例年、梅雨明けして晴天なら最高気温は23度ぐらいまで上がりますが、今年は 日照不足も顕著で晴れていても18度ぐらいまでしか上がっていません。朝は例年並みの11度ぐらいの最低気温です。

◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

◎稜線ではシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、イワカガミ、シラネアオイ、コマクサ、エンレイソウ、キヌガサソウ 、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、ヨツバシオガマ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラなどがどんどん咲き出しています。梅雨明けが遅れていることもあり、開花のスピードもここへきて やや鈍り気味です。お盆ごろまで夏のお花は楽しめそうです。

◎布引岳から鹿島槍ヶ岳頂上間ではタカネツメクサやイワオウギなどの乾いた岩礫地に咲く花々が咲きだしてています。

◎盛夏を代表するハクサンフウロやクルマユリ、ニッコウキスゲ、ウサギギク、エゾシオガマなどもどんどん咲き出しています。

◎種池山荘前のチングルマのお花畑は、登山道沿いのいちばんメインの場所も咲き出しました。

登山ルート等の状況

◎鹿島槍ヶ岳及び爺ヶ岳周辺の登山道には残雪はほとんどありません。軽アイゼン等まったく必要ありません。

◎針の木大雪渓は中間帯の雪はまだたっぷりあります。針ノ木小屋の直下や上部では巻き道が出ていますので、夏道の上を歩けますので心配いりません。なお不安な方は軽アイゼン、ストック等お持ちください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は特に問題ないようです。 ただし鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

◎海の日連休以降、多くの登山者が各コースを歩かれていますが支障報告はありません。

◎今年の梅雨の総雨量は相当多くなってきています。さいわい周辺で長雨による被害報告はありませんが、落石等へ十分に注意をはらってください。

◎赤岩尾根登山口の西俣出合から大谷原 間の工事用道路では2箇所でガケ崩れの防災工事をすすめています。現場通過の際には工事関係者の指示にしたがって仮設道路等を通行してください。

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

アドバイスや注意

◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でもしっかりと情報収集をしてください。

◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

◎今年はまだ梅雨明けできず、不安定な天候状態です。梅雨前線の動きをしっかりと把握して天気を判断して、無理な行動はなさらないようお願いします。また天候の急変に伴って温度も急変します。 雨ガッパは良質のものを備えましょう。

◎一方で天気よくなれば温度高く、日差しも一気に強くなります。帽子、サングラス、日焼け止め等忘れずに。毎年長い縦走で焼けて軽いやけどに近いような方も見受けられますので、日焼けに弱い方は半そで、半ズボン等はご注意下さい。

◎雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。

◎熱中症対策をお願いいたします。特に女性はトイレを心配して水分の摂取を控え気味ですので、注意が必要です。スポーツドリンク等を早め早めに摂取しましょう。

混雑状況(7/ 29現在)

◎今週末8/1(土)の冷池山荘 のご予約は定員まで若干の余裕があります。お天気がいいようなら定員を超えると思われます。

◎梅雨明けが遅れている状況ですので、各山荘ともご予約はあまり増えていません。今後の梅雨明け次第では一気にご予約も増えるものと思われます。

◎次週8/8(土)の週末についても、現時点でのご予約は冷池山荘で定員の半分ほどです。なお例年お盆の時期は意外と込み合いませんので穴場です。 現時点で冷池山荘で8/13,14,15いずれも40人ほどのご予約状況です。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますがご協力お願いいたします。

 

NO 568  月が替われば! 

2009  7 /  28(火) 

  昨夜からの雨も上がり今日の日中はまあまあのお天気に回復しました。ただそのお天気も午後遅くからは再び雨模様へ、夜はまとまった雨に変わっています。先週末もそうでしたがここ4日間ほどは日中のお天気はなんとかもつが夕方近くから明け方にかけて雨といったお天気の傾向です。それは登ってきて下さったお客様にはとてもラッキーなこと。 また梅雨寒といったほどではないにしても、やや温度が低い傾向 と日照不足も続いています。例年でしたらこの時期は山の上とて、20度を超えてくる季節ですが、今年はなかなか20度を超えません。昨日も今日も16度前後までしか上がっていません。ちなみに最低気温は11度前後です。梅雨が明けてないといえば、それまでですが・・・  おかげで7月前半はやや早めに推移していた感じの高山植物の開花もここへきてすっかり平年並みか、平年よりも遅いくらいのスピードへと変わってきました。お花はお盆ごろまでしっかり楽しめそうですよ。梅雨明けを待って順延、順延されている方にはこれもラッキーなことでしょうか。

  さてその梅雨明けですが、今日あたりの週間予報を見れば8/2,3,4日あたりは全国的に晴れマークがつらなっていました。ただその晴れ模様にしても、今週も本州上に停滞する梅雨前線が南下しての晴れ予報のようで、夏本来の燃えたぎるような夏空とは違うようです。太平洋高気圧に押し上げられて梅雨前線が北上して、きれいに梅雨明けするのが理想のかたちですが、なんか今年は梅雨前線が南下したままなんとなく、いつのまにか消えてしまう雲散霧消 型の梅雨明けになるのではないでしょうか。その場合はすっきりしない夏になると云われていますが、今年の梅雨はたぶん中盤、後半と例年をはるかに超える降雨量になっていると思われるので、意外といいお天気の8月になるのでは・・・ などと勝手な希望的観測を打ち上げて自分自身を元気づけているこの頃です。とにかく6月末からの雨は相当な量になっています。もう7月はなかったものとあきらめて、8月の到来に期待です。月が替われば!  お天気も、気分も、お客様の入り込みもきっと変わるはず!   写真は今朝の新越山荘と冷池山荘からです。

 

NO 567  梅雨どきにだってこんな日が。夏空待望。

2009  7 /  24(金) 

  2006年7/30、2007年8/1、1993年にいたっては不明 なんてことも。北アルプス北部の梅雨明け日です。2年前3年前の悪夢の再来か? どうも梅雨明けのめどがなかなかたちませんね。

  でもお天気を念じつつ、気合を入れて? 登ってくればこんないい天気にも逢えるんですよ。とにかく登らなければこの素晴らしさを味わうことはできません。さきの海の日3連休、初日、二日目の荒天は三日目最終日7/20の最高の夏空を得るための試練だったのでしょうか。

三日目での好天に笑顔笑顔の柏原新道下山へ。

3連休最終日種池山荘前はにぎわいました。

新越山荘まで来れば、ご覧の静けさ。独り占めです

新越山荘から。時間がゆっくりと流れます。

こんな日は最高のふとん干し日和でもあります。

爺ヶ岳も皆さん下山されて、のんびりゆったり。

これぞ夏山って感じですね。針ノ木・スバリ岳。

ウグイスの鳴き声をBGMに剱岳を大観。

 

NO 566  先が見えません。

2009  7 /  24(金) 

  一昨日、昨日は日中はまあまあのお天気でしたが、昨日夕方は夕立模様へ。今日も強い降りはありませんが、小雨や霧雨が降ったりやんだりといった、はっきりとしないあいにくのお天気です。週末から日曜日にかけても梅雨前線上を低気圧が通過しそうですので、お天気の大きな期待はむずかしいといったところが本音です。また来週にかけての週間予想図を見ても梅雨前線は本州上を上がったり下がったりで居座りそうです。本来でしたら今日辺りが長野県や北陸の平年の梅雨明けの頃ですが、もうしばらく時間がかかりそうです。ちょっと (いや、かなりの) フライング気味だった関東甲信の7/14の梅雨明け宣言でしたが、このあとも梅雨前線の意趣返しと言いますか意地悪が続きそうです。お客さまにしましても毎週末残念でならないし、山へ行くか止めるか困惑しっぱなしだと思います。私どもも正直なところほんとうに参っています。梅雨前線の上がり下がりのタイミングによっては昨日、一昨日のような好天もあるわけですので、まったくお天気もダメなわけでもありません。今はお越しいただいたお客さまが少しでも喜んでいただけますよう、なんとか晴れ間が出ることを祈るのみです。

 P.S その後今夜の予想図では、明日7/25(土)は本州中央辺りでは梅雨前線が日本海中部まで北上しそうです。明日は大きなくずれにはならないかもしれません。ただ前線に向かって湿った大気が流れ込むので夕立等に注意が必要です。またあさっては梅雨前線がまた南下すると思われますので、また雨へと変わっていきそうです。

 

NO 565  日食に大感激!

2009  7 /  22(水) 

  梅雨前線南下にともなう雨も夜明けまでには上がり、その後は尻上がりにお天気も回復へ。期待の皆既日食ショーに山の上でも期待が高まりました。長野県北部は約75パーセントの部分日食でしたが、10時前の欠け始めから食の終わりまで、スタッフも交代で外に出ては色々なものをグラス代わりにして世紀の天体ショーを楽しみました。今日はちょうど冷池山荘と種池山荘には地元の中学校登山もあり、生徒さんたちも登山中に日食を見ることができ、例年の学校登山とは違った登山の思い出になったことと思います。すっかり梅雨最盛期の気圧配置に戻ってしまい、観測できたところ、できなかったところと悲喜こもごもだったようですが、皆さんの地方はいかがだったでしょうか。

  ところでビッグニュース! 次回の日本で観測される皆既日食は2035年9月2日とか。そのときの皆既帯がなんと大町市辺りも通るらしいのです。鹿島槍ヶ岳頂上からの中継とかありそうですね。26年後のお天気を今から期待しましょう。ちなみに9月2日は日曜日ですよ。健康に留意して長生きすることが先決のようですね。

 

NO 564  バラが咲いた。

2009  7 /  21(火) 

  品種改良された、花屋さんで売っている何枚もの花びらをつけた八重咲きの華やかさはありませんが、山の上でも一重咲きのタカネバラが開花しました。雨にうたれるタカネバラも素敵ですが、太陽の日をいっぱいに浴びているほうが、より華やいでくる感じです。

昨日はさんさんと太陽の日を受ける。

今日は雨の中、開花。上品さが漂います。

 

NO 563  梅雨明けへ一進一退。

2009  7 /  21(火) 

  昨日の夏空は一日だけのまぼろしか。数時間前の星空が信じられない今日未明からの雨降りでした。ただ今日は一昨日のような暴風雨とは違い、終日に渡ってしとしと降る感じ。冷池山荘に昨晩お泊りのお客さまも数名の停滞の方をのぞき予定通りの行動に移す方がほとんどでした。

  それにしても、このところ全国各地で大雨によるいろいろな被害が出ていますが、北アルプス北部ももうこれ以上はいいっ! ってぐらいの梅雨終盤の雨量になっています。明日は再び梅雨前線はこの辺りでは南下して回復に向かうようですが、なんとか日食が見られるようなお天気になってくれればうれしいですね。

NO 562  願い天に通ず。

2009  7 / 20(月) 

昨日の猛烈な暴風雨が信じられない今朝の晴天、朝焼けです。三日間続いた風雨からようやく解放されたというのが偽らざる心境です。「明日は梅雨前線が下がってバッチリですよ。」と大見得をきった手前、本当に良かったと思っています。一方昨日に下山されたみなさんには何か申し訳ないような気持ちにさえ思えてくる今朝の好天です。強風に耐え、雨にあらわれて、さらに輝きをました高山植物に迎えられての鹿島槍ヶ岳登頂、爺ヶ岳登頂、パーティによっては五竜縦走へ、針ノ木岳縦走へと皆さん大満足の一日になるはずです。産みの苦しみにも似た梅雨明けですが、もう少しのはずです。梅雨明けをグッと引き寄せた感じさえする今朝の凛とした大気です。雲海の向こうの浅間山、八ヶ岳、富士山とも久しぶりの対面です。写真は今朝6時の新越山荘からです。

新越山荘談話室より 劔岳

針ノ木岳とまだまだ見頃のコバイケイソウ

新越を出発して最初に鳴沢岳をめざす。

NO 561  残念無念。梅雨末期の豪雨です。

2009  7 /  19(日) 

 みなさん期待の海の日三連休ですが、初日二日目とあいにくの大荒れ模様に見舞われています。

とくに本日は明け方から台風並みの暴風雨、稜線を吹き荒ぶ突風は30メートルを超える状況で停滞を余儀なくされるパーティも多数見受けられます。

北海道で大きな遭難があったばかりなので何かと心配ですが、慎重な行動な方が目だちます。雨の中でのきつい山行になりましたが、登山道わきの数多くの花々に元気づけられての道中だけがみなさんの唯一の救いでしょうか。みなさんの頑張りに報いる上でも三連休の最終日にはなんとか太陽が顔をだすとともに、みなさん待望の鹿島槍や劔岳の雄大な姿が眼前にあらわれることを祈っています。あわせて一日も早い本当の梅雨明けがやってくることを熱望しています。今年の梅雨は後半を中心に平年以上に雨量の多い年になっている北アルプス北部です。梅雨明けまでもう一息のはずです。

 

NO 560   梅雨明け宣言も ??

2009  7 /  17(金) 

  関東や長野県の梅雨明け宣言後の3日間は、朝から昼過ぎまでは好天が続きましたが、本日は日本海沿岸に停滞している梅雨前線の影響で朝方は猛烈な雷と雨です。 ただ昼前には雨も上がって少し青空ものぞいています。いっぽう北海道を15日から16日にかけて発達通過した低気圧の影響では、トムラウシ山周辺で大きな遭難が起こってしまいました。今年は梅雨末期にきて日本海低気圧が発生、梅雨前線も引っ張られて南下というパターンが多く、この後もまだ予想されています。関東甲 はまだしも長野県北部の梅雨明けはちょっと疑問符が付くといったところが正直な気持ちです。明日から始まる海の日3連休中も、梅雨前線は本州上に停滞し、さらに日本海低気圧の東進が予想され、北アルプス北部の天候も不安定と思われますので、しっかりした雨ガッパを装備してください。コンビニに 売っているような使い捨てのようなカッパじゃ役にも立ちません。当然のことながら無理な行動だけはなさらないで下さい。当方の山小屋予約のキャンセルはいっさいキャンセル料とかはかかりませんので、天候悪化の際等は無理せず中止してください。かならずご連絡だけは直前でもかまいませんのでご一報ください。

   写真は昨日の、絶好の梅雨明けを思わせた新越山荘からのものです。早くこんな安定したお天気が続いてほしいものです。

 

NO 559  天候に恵まれ、中学校登山も順調に。

2009  7 /  16(木) 

  14,15,16日と夕方は少しパラつく時間帯もあったものの、とても良い天気に恵まれて地元の中学校登山も順調に終えることができました。咲き出したコバイケイソウやチングルマなどの高山植物、ヒナを連れたライチョウ親子、初めて見る剱岳の雄姿、残雪の多さに全員大感激です。たくさんの思い出、感動をリュックに詰めて下山していってくれました。来週も数校実施されますが、好天に恵まれて思い出深い登山になりますように。中高年層の人気高い登山ですが、若年層の皆さんにも山のすばらしさ、登山の良さを知ってもらいたいものです。

 

NO 558  期待通りに、長野県は梅雨明け宣言。

2009  7 /  15(水) 

  昨日 気象庁から関東甲信の梅雨明けが発表されました。早々にそこかしこから35度を超える猛暑日の報告も届いていますね。今年は東海以西はおろか九州北部や四国地方よりも早く関東甲信が梅雨明けというやや変則的な順番になりました。今日もまだ日本海側に梅雨前線が停滞、明日も西日本に停滞ということで、残りの地域の梅雨明けはもう少し先になりそうです。毎年この頃になると申し上げておりますが、北アルプス北部は行政上でも富山県、新潟県、長野県が入り組んでいる地域ですが、当然のことにお天気も北陸地方や新潟県のお天気の影響が大きいです。よって長野県は梅雨明け宣言が出たものの、北陸や新潟がまだ出ていませんので、北アルプス北部の梅雨明けもやや微妙といったところが正直なところです。本日も午前中の晴天は、午後遅くには小雨があたる天気になっています。完璧な梅雨明けにはもうしばらくの時間と太平洋高気圧の張り出しがほしいところです。期待の海の日3連休もまもなくですが、少々のお天気のくずれる時間帯も想定されますので雨具の準備や余裕を持った行動計画がほしいところです。頑張って!太平洋高気圧。   

一応は“梅雨明け十日”の好天。鹿島槍の雪も少なくなりました。 立山も昨日、今日の日中といいお天気でした。冷池山荘より。 昨日はヘリの荷上げがあり、生ビールもしっかりそろいました。

新越山荘の2階談話室からの剱岳。富山の梅雨明けもまもなく。 映画『剱岳 点の記』は見られましたか。今夏は展望の新越山荘へ 新越山荘の前庭からは残雪たっぷりの針ノ木大雪渓が眼前。
 

NO 557  このあとのお天気は・・・・

2009  7 /  12(日) 

  昨日からの梅雨 の中休みは長くは続かず今日の午前中まででした。お昼前からは雨が降ったりやんだり、ときには日が射したりといった再びの梅雨空へ逆戻りです。なお週明けには梅雨前線も上がり傾向ですが、その後はまた下がるといった予想のようで、もう直ぐに迫った海の日3連休の空模様が心配な週明けになりそうです。昨年は海の日3連休の初日の7/19(土)に長野、北陸も梅雨明け宣言が出され、グッドタイミングだったんですが今年はどうなることか? できれば週明けに上がり傾向の梅雨前線が、その後も下がることなく北上を続けてくれれば最高! 願ったり叶ったりなんですが・・・  雨量も先の雨天続きで北アルプス北部はもう相当に降ったんで、良しとしてくれればありがたいんですが・・・  希望的観測としては、週明け以降昨日梅雨明け宣言が出された九州南部に続かんとばかりに、各地で梅雨明けが発表されて行けばいいですね。

   この週末は冷池山荘、鹿島槍ヶ岳方面は夏山の到来、にぎわいを少し感じることができましたが、新越山荘方面はほとんどお客さまも見えずちょっと残念でした。小屋前の庭には梅雨の中休みに合わせて? テーブルベンチもしっかりセッティングしたのですが・・・ 次週末の海の日3連休には好天の下におおぜいのお客様がお見えになられ、ベンチでは乾杯のラッシュになることを願っております。  

シラネアオイ・・・そしてコバイケイソウ。会いに来てくださいね。 お客さんやーい。スタッフ一同お待ちしています。 雪が消えしばらくした枯草色の斜面はまもなく一面のお花畑に変身
 

NO 556  種池平のお花もまもなく・・・

2009  7 /  11(土) 

  予想通りに梅雨の中休みになった今週末ですが、冷池山荘には50人近いご宿泊があり、ようやく夏山も動き出したかなという感じです。少々手持ち無沙汰だったスタッフにとっては来週末にはいよいよ始まる夏山シーズン本番、いきなりのピークになる海の日連休へ向けて各種作業やお客さま受け入れの再確認の場にもなりました。お客さまもラッキーな週末の中晴れに、そして咲き出したお花の数々に大感激の一日でした。

   柏原新道の終点である種池平の雪田も日に日にその面積をせばめており、連休までにはほぼその姿を変えそうです。雪が先に消えたところからは徐々にチングルマの可愛い花も咲きだしています。こちらのコバイケイソウはまだ数株ですが、海の日3連休辺りにはたくさんの白い穂のようなお花をつけて皆さんを迎えてくれることでしょう。柏原新道をがんばって登り終えた皆さんへのうれしいうれしい贈り物になってくれるはずです。また種池を埋めつくしていた深い残雪もようやくすべてが消え、サンショウウオも子孫繁栄に向けて忙しくなりそうです。

種池の周りではサンショウウオのカップルがそぞろ歩き? 種池山荘前に咲き出したコバイケイソウ一輪とミヤマキンポゲ。 種池平の雪も残りわずかに。7月下旬には大チングルマ畑出現!
 

NO 555  連日の梅雨空もようやく一服でしょうか。

2009  7 /  10(金) 

  梅雨にもかかわらず6/23昼前から6/29昼過ぎまでほぼ1週間続いた晴天でしたが、その後は一転、6/29の午後からはほぼ連日の雨降りになり、相当にまとまった雨量になりました。 さらに本日は発達した低気圧のせいで朝方は猛烈な風が吹き荒れ小屋でもガラスが割れたりちょっとした被害が出たりもしました。しかしその雨風も本日の夕方にはやみ、今週末は久々に晴れ間ものぞきそう な気配です。ただ梅雨前線が下がっての晴れ間になりそうですので、週明け以降の梅雨前線の上がり下がりには目が離せません。

  今回のまとまった雨で雪融けも進みました。赤岩尾根の雪は全部消えましたし、まだ2箇所に残っている柏原新道の雪渓も小さくなってきました。その雪渓も種池山荘スタッフがしっかりとスコップでカットしているので安心です。ただ山全体が雨で相当に水を含んでいますので、柏原新道の“ガラバ”や針ノ木雪渓など落石に注意が必要なのはいうまでもありません。

  なおこの雨と雪消えで高山植物の開花はどんどん進んでいます。冷池山荘テント場の先から布引平にかけては、7月下旬には大きなお花畑になるところですが、先陣をきってシラネアオイが満開を迎えています。またこちらでもコバイケイソウが咲き出し、登山道脇でも早咲きのシナノキンバイやミヤマキンポウゲなどの真夏のお花もどんどん咲きだしています。小屋の周りの緑は濃くなり、登山道周りは日に日に華やかな気配が漂ってきました。

夕方には黒部に日が差す。 ナナカマドの緑に囲まれた冷池 冷池のシラネアオイもいい感じ。
雪が消えたら開花は早い。 雪が消えるとアオノツガザクラ咲く 霧雨にむせぶコバイケイソウ。
 

NO554  祝 コバイケイソウもいい感じに開花。

2009  7/  6(月)

  新越山荘から コバイケイソウ開花のお知らせです。コバイケイソウは咲かない年はそれこそ北アルプスじゅうで一輪も咲かないくらいに徹底したお花ですが、今年はなかなかの当たり年になりそうな気配です。 (昨年7月のNO414などご参照ください。)今年も会うことができてベテランスタッフも大喜び、初めてのスタッフはそんな話も聞いてさらに感激です。先にもお伝えいたしましたが今夏はいろんなお花の花の付き具合がとてもいい感じです。咲き出しも若干早めですので、海の日連休あたりから相当に楽しめそうです。ここ数日はすっかり梅雨モードになってしまいましたが、昨日は奄美地方でも梅雨明け宣言が出たように、これからは梅雨前線も徐々に順調に北上することを期待したいものです。ただ今週は本州上に停滞してしまいそうですので、来週の前線の動きには大大・・大注目です。来週末にはもう海の日3連休ですものね。

  6/30のNO550の新越山荘からの最新情報のときの写真と比べてもこの1週間のあいだに、小屋の周りも針ノ木岳方面の雪もかなり少なくなってきているのがお分かりになられると思います。針ノ木小屋も営業を開始され、小屋から針ノ木岳頂上間の雪渓のトラバースのカット作業もしていただいたようです。ただ針ノ木大雪渓の最上部の下りを含め今しばらく滑落には注意が必要です。軽アイゼンやピッケル等をお持ちいただいたほうがよろしいと思います。今日も梅雨らしいしとしと降りの一日です。  

咲かない年は全く咲かないコバイケイソウですが、いい感じですよ 新越山荘前の雪もかなり少なくなってきました。お客様もぼちぼち 正面の針ノ木岳及び大雪渓も確実に融雪がすすんでいます。
 

NO 553  来週から中学校登山開始です。2週間後には早くも海の日連休!

2009  7 /  5(日) 

  長野県内の中学校恒例の学校登山が来週から爺ヶ岳でも始まります。長野県内では90パーセントを超える中学校で催している伝統ある学校行事です。それぞれの学校が県内のあちこちの山に登るわけですが、北アルプスでは白馬岳、唐松岳、燕岳、常念岳、乗鞍岳などにも登られています。当方にも毎年10校ほどの学校が登ってきてくれます。今年も来週から7月下旬にかけて順次実施されます。雨天の場合には8月の下旬に延期されます。生徒さんはみな素直ないい子ばかりです。ただ元気な盛りですので少々小屋の中でもにぎやかなこともありますが、みなルールを守って山小屋生活や登山を楽しんでくれます。一般の登山者の皆さんの中には大きな団体登山を敬遠される方もいらっしゃいますので、今年のおよその日程をお知らせしておきますのでご参照下さい。

                  種池山荘と冷池山荘の学校登山日程表

  7/8(水) 7/9(木) 7/12(日) 7/14(火) 7/15(水) 7/22(水) 7/23(木) 7/26(日)
種池山荘

○ 30人

○ 30人

○ 30人

○ 150人

○ 110人

○ 110人

 

○ 30人

冷池山荘          

○ 180人

○ 180人

 

 

 

 

  また夏山シーズン前半の最大の入り込みになるであろう、海の日3連休の予約状況ですが、すでに7/18(土)の種池山荘7/19(日)の冷池山荘は定員に達しました。当方ではできるだけゆっくりとお休みいただけますように、定員を超えると予約をお断りして日程の変更や宿泊小屋の変更等をお願いしております。ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。現在のところ7/18(土) を冷池山荘、7/19(日)を種池山荘へと逆にした場合はまだ余裕がございますのでご検討くださいませ。定員と申しましても下界の宿泊施設と違ってかなりきつめではありますが、少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入 り込みができるだけ平準化しますようご協力よろしくお願いいたします。 ほかには中学校登山が実施される、7/22(水)と7/23(木)の冷池山荘もまもなく定員に達しそうです。   追加:7/22(水)の冷池山荘も定員に達しました。ご予約は終了させていただきました。

キヌガサソウ

ヒメイチゲ

ハクサンイチゲとコイワカガミ

 

NO 552  今年のお花は例年になくいい予感。

2009  7 /  3(金) 

  冬にあまり雪の付かないところや早くに雪が消えたところから、どんどんとお花たちが咲きだしています。北アルプスの短い夏を謳歌せんとばかりにというよりは、やはり子孫を残そうと必死に生きぬいているという印象のほうが毎年強く感じます。

  主稜線では風が強く雪があまり付かない、鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳、岩小屋沢岳の西側斜面でハクサンイチゲやキジムシロ、ミヤマキンバイ、ミネズオウ、コメバツガザクラ、ミヤマダイコンソウ、キバナシャクナゲなどが咲きだしています。また冬に大きな雪庇になったり、雪田になったりするような場所でも雪の消えた端からシナノキンバイ、チングルマ、ミヤマキンポウゲ、シラネアオイ等が咲きだしています。また林床には 、キヌガサソウ、サンカヨウ、エンレイソウなどの大きな花たちとコミヤマカタバミ、ヒメイチゲ、コイワカガミ、ミツバオウレン、ツマトリソウ等の小さな花々が咲いています。それに視線を上に転ずればミネザクラやナナカマドなども咲きほこります。これから雪消えが進むにつれてお花の数も種類も増していき、現在はまだ雪の下にある種池山荘横や冷池山荘テント場先の布引平周辺、種池山荘から新越山荘へ向かう棒小屋乗越、新越山荘周辺などの大きな“お花畑”になるところがピークを迎えるのは例年で したら7月25日頃からお盆頃までですが、雪消えが早めの今年は少し早まりそうな気配です。 

  そして何よりもうれしいのが今年は花の付き具合が例年になく多めの感じということです。大輪のシラネアオイも例年の五割り増しくらいの花を付けている印象です。また見落としてしまいそうな小低木のミネズオウやコメバツガザクラ、イワウメなどが例年になく小さな花をたくさん付けているように思えてなりません。あくまでもこれは私の印象ですのであしからず。毎年私たちの目を楽しませてくれる高山植物の数々ですが、なんか今夏のお花たちはさらに私たちを夢中にさせてくれそうな予感です。

地元『大町高校』の校章にもなっているシラネアオイ。やわらかな花びらが風に揺れる姿は美しい。

咲きこぼれんばかりの、花をつけた今年のコメバツガザクラは見ていても飽きがきません。

いつもは花の数も少ないミネズオウも今年は見つけるのもたやすい感じ。

小低木の中にあっては比較的花が大きい感じのイワウメも可愛いお花。

爺ヶ岳主稜線のミヤマキンバイやキジムシロも今年は心なしか花の数が多いようです。

私たちも“高嶺の花”?? 冷池山荘の女性スタッフもたくさんのお客様をお待ちしています。

 

NO 551  鹿島槍・爺ヶ岳周辺の雪の心配はほぼなくなりました。

2009  7 /  2(木) 

  昨日7月1日は富士山の山開きの日。残雪が多くて同日の開山が危ぶまれていたようですが、なんとか無事に山開きになったようで一安心ですね。昨年は入込みの多かった富士山でしたが、富士山に登られた方が次は北アルプスや八ヶ岳をはじめ日本中のそこかしこの山にも足を延ばしてくれたらうれしいと思っております。

  さて鹿島槍ヶ岳周辺も7月の声を聞いて夏山への期待も高まってきましたが、ここ数日は梅雨モードです。先週から今週初めにかけては1週間以上も暖かな梅雨の中晴れがつづき、雪融けもすすみました。おかげで鹿島槍、爺ヶ岳周辺は残雪の心配はほぼなくなりました。柏原新道には上部に2箇所、赤岩尾根は1箇所の雪渓通過だけになりました。それもしっかりと小屋でカットしていますので心配はありません。また種池山荘から鹿島槍ヶ岳にかけても種池平や冷池テント場先の布引平に残雪がありますが、大きな心配はありません。冷池テント場先の残雪は何回か雪田の上歩きから夏道へ下りますが、その際にバランスを崩しやすいので注意が必要なくらいです。もうアイゼン等の冬山装備も必要はなくなりました。お客様情報では鹿島槍ヶ岳〜五竜岳間も残雪を含め登山道上に支障はないとのことです。今週末の7/4にはキレット小屋もオープンの予定です。

  一方、種池山荘〜新越山荘〜針ノ木岳はところどころに残雪が登山道上に残っていますので、注意が必要です。また針ノ木岳頂上〜針ノ木小屋間にはまだ大きな雪渓があり斜めトラバースで下りますので慎重に通過してください。針ノ木小屋のスタッフも入山して小屋開けもいたしましたのでこれからは除徐に整備もされていくことと思います。また針ノ木小屋から大雪渓にかけてはまだ上部は残雪多く斜度も急ですので気をつけて下りてください。雪渓上には目印の赤いベンガラも撒いていただいたようですのでルートをはずさないように下山してください。針ノ木方面は今しばらくアイゼン、ピッケル等を用意されたほうが良いと思います。いよいよ皆さん待ちに待った7月、高山植物のお花の咲き具合もかなりいい感じです。名実ともに夏山シーズン入りですね。

鹿島槍方面の登山道の残雪は冷池山荘の左上に見える残雪のみ。

爺ヶ岳主稜線の登山道上にはまったく残雪はありません。キバナシャクナゲやミヤマキンバイ満開。

柏原新道はここ“ガラバ”の雪渓と、ここから少し下に1箇所雪渓を残すのみ。落石にも注意。

柏原新道終点の種池山荘周辺も一気に雪融け。まもなくコバイケイソウが芽吹く頃。今年の開花は?

新越山荘周辺の登山道上には雪庇の名残雪が残る。山側を慎重に通過すれば問題なし。

赤岩尾根も主稜線直下のトラバースの1箇所に雪渓を残すのみ。広くカット済みで安心です。