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NO525  ゴールデンウィークに入ってもまだまだ冬山の領域です。

2009  4 /  28(火)  

   3日間続いた猛吹雪も昨夕には止み、今日28日はようやくの晴天です。降雪は60センチ以上はあったと思われますが、猛烈な強風で飛ばされて小屋のまわりは20センチぐらいでした。このあとは天気も安定しそうですが、沢筋等ナダレの心配が相当にありますのでお気をつけ下さい。おりしも近くで残念な遭難が起きてしまいましたが、今後もゴールデンウィーク中の天候の急変には十分にお気をつけ下さい。(写真は天気回復した28日今朝のものです)  ※夕方になってまた雪降りになっています。

 

NO524   この時期柏原新道を通って種池山荘へは行けません。

2009  4 /  25(土)  

   入山2日目の今日は明け方から暴風雪になり、ほぼ一日中吹き荒れて夜までに小屋周りで20センチ近い新雪になっています。毎年雪にまったく見舞われない年はないぐらいのゴールデンウィークですが、今年のゴールデンウィーク入りも雪模様でのスタートになりました。明日にかけても降りそうです。今年は後半の5/2から5/6に登山者は集中しそうですが、どんなお天気廻りになることでしょうか。

   なお毎年この時期に申し上げておりますが、柏原新道を通って種池山荘へ直接行くことはできません。登山口から数百メートルこそ “夏道” である柏原新道は姿を見せていますが、“八ッ見ベンチ” 付近から先は、雪が少なめの今年でも全線において深い雪に埋まり姿形も見えません。爺ヶ岳南西斜面を斜上(トラバース) する形で種池山荘へ向かう柏原新道は “夏道” でこそあれ、積雪期や残雪期のルートではありません。地形図を見ればわかりますが、積雪期にそういったコース取りをするようなことは考えられないことだとすぐにわかると思うんですが・・・  積雪期と同様にこの時期もまだまだ“八ッ見ベンチ” 付近からは、爺ヶ岳南峰へ向かって爺ヶ岳南尾根を忠実にたどるのが正統派のコースだと思います。こういったお問い合わせが結構あるので、たいへん困惑しておりますし心配しております。また赤布は付いているか、トレースは付いているかといったお問い合わせも多いのですが、正直なところ小屋泊まりの方がよく使われる爺ヶ岳南尾根と赤岩尾根および爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳主稜線において全線、全天候下において赤布、赤旗等の管理は時間的にも人数的にもできませんのでご了承ください。この時期は厳冬期の登山と同様に各人、各パーティで的確なルート判断、完全なる装備にてお願いしたいと思います。

  赤岩尾根の西俣出合の取り付きも “夏道” とは違い通常尾根の末端から取り付きます。時には藪こぎになるような年もあります。今年はその取り付き点へ沢を渡る際に、爺ヶ岳西沢から出た雪崩のデブリの上を通って渡っています。沢へ落ちたりしないように注意して渡ってください。また赤岩尾根最上部の主稜線へでる地点の雪壁も安定していれば “夏道” 同様にトラバースして行きますが、新雪が降った後などは表層雪崩の危険が大きいので雪壁の左部を直登しますが、その際にも最大限の注意が必要です。赤岩尾根もこの時期 “夏道” はほとんど現れていません。夏なら巻くことができる露岩も乗っ越して行かねばならないところもあります。また爺ヶ岳西沢を上山や下山に使うこともありますが、こちらも雪崩に注意が必要なのは言うまでもありません。この時期の北アルプスは本当にまだまだ冬山の領域です。とてもこの時期の装備とは思えない格好で来られる方が毎年見受けられますので、しっかりとした計画と経験者のもと、しっかりとした装備、的確な判断での登山をお願いいたします。

 

NO523  本日冷池と種池へ入りました。

2009  4 /  24(金)  

  今週初めに予定していた、小屋開け入山もヘリのスケジュールの都合や、雨の日、晴れても強風吹き荒れる日、雪模様の日といった連日の悪天候等で延び延びになっていましたが、ようやく本日は終日のほぼ無風快晴の中で無事にフライト完了。冷池山荘と種池山荘ともに半年ぶりに小屋へ入ることができました。このあとは本日スタッフともどもヘリで上げもらった除雪機をフル稼働しての小屋周りの除雪作業にあたります。4/9の偵察入山時より小屋周りの雪もさらに少なくなっており、入山の遅れをカバーすべく除雪に集中し4/29のオープンにこぎつけたいと思っています。主稜線は昨日の新雪で白さを取り戻して、入山スタッフを迎えてくれました。

ヘリの荷物を待つ吹流しの鯉のぼりと鹿島槍。

新雪で白さを増した爺ヶ岳の富山県側。

冷池山荘の周囲も残雪少ない。

冷池山荘の雪に埋まった大屋根から剱、立山。

 

NO522   山小屋組合で入山前のAED講習。

2009  4 /  14(火)  

   ゴールデンウィーク前の入山をひかえて、今日はわたしどもの山小屋も加入する北アルプス北部山小屋組合の勉強会が開かれました。前半は大町保健所指導員の方から食品衛生に関する講習、後半は北アルプス広域消防本部の署員の皆さんの指導の下、普通救命講習とAEDの使用講習と盛りだくさんの内容でみっちりと講習していただきました。

   私どもはすでに3年前に3つの山小屋へAEDを導入しておりますが、今季はほかの山小屋でも導入するところがあり、AEDの設置のあるなしに関わらず心臓マッサージと人工呼吸の普通救命講習を含め勉強することは大いに役立つことであるので、皆で受講することとなり、本日は各山小屋のオーナーや山小屋従業員総勢30人程でみっちりと講習を受けさせていただきました。山小屋だけでなくいろんな場所でのアクシデントにきっと役立つことと思います。おりしも大町周辺では昨年、黒部ダムで心臓発作をおこした観光客がダムに備え付けのAEDでの電気ショックで間一髪のところで救命されたり、塩尻市の健康ランドでも入浴にこられた方が同様にAEDによって助かったことが報道されました。これら二件に付いてもAEDの設置だけでなく、救命講習を関係者がこぞって受けていたことで大いに役立ったことだと思います。今日はシーズン前にいい勉強をふたたびさせていただきました。

   ところで話はかわりますが、大町でも予想より一日早く昨日サクラが開花いたしました。いろんな意味でもう少し後のほうが自然なんですが・・・・ いかんせんこの時期としては超異常ともいうべき5日間連続の20度超えにはかなわなかったようです。サクラにはなんの責任もなく、明日は素直に開花を喜び愛でに出かけたいものです。   

まさかの時に備えてAEDの講習も真剣。

北部山小屋のオーナーやスタッフ総勢30人。

NO521  爺ヶ岳南尾根は上りは時間に注意、下りは迷い込みに注意!

2009  4 /  13(月)  

  朝の内パラついた雪も次第に好天へと変わった今日は、うちの若い衆が柏原新道の“八ッ見ベンチ”付近より爺ヶ岳南尾根に取り付いて、爺ヶ岳南峰へ直登して種池山荘までのルート調査と小屋の下見に行ってきました。やはりこちらも雪は少なめで、本格的な春山登山を楽しむにはやや物足りないというのが正直なところのようです。南尾根のジャンクションピークの下部の雪庇もその先の平坦部の雪庇も、さらにその上の南峰直下の雪庇も例年の三分の二ぐらいの大きさでしょうか。樹林帯の中の残雪も厚みが薄く、何とかゴールデンウィーク終了までは全ルート上でもってほしいものです。

  爺ヶ岳南尾根は約2700mの南峰頂上まで一気に登るわけですので、思いのほか距離が長く、最低でも6時間、遅い人は8時間以上かかる人も多いです。また風の強いときや吹雪かれた際は、ジャンクションピーク先のダケカンバの平坦部をぬけてからの南峰頂上までの上りは何にも風をさえぎるものがない吹きっさらしで、相当に体力を使いますので要注意です。また下りの際はジャンクションピークを過ぎてからの下りで、西側の扇沢側の谷側へ間違いやすい支稜がいくつも出ているので、迷い込みにも要注意です。また何箇所か樹林帯が途切れて雪の斜面が谷底まで続いているところがあるので滑落転倒にも要注意です。また雪の少ないときは樹林帯の木の根等をアイゼンでできるだけ踏まないようにも気配りをお願いいたします。   

柏原新道の“八ッ見ベンチ”付近。この先から南尾根を直登。 ジャンクションピークへの登り。雪庇の上を歩く時は滑落注意。 ジャンクションピーク直下の“亀石”雪の少ないときは現れる。
ジャンクションピークから見た爺ヶ岳南峰。 爺ヶ岳南峰から俯瞰したジャンクションピーク。 通常は左側のハイマツも雪の中なのだが・・・
残雪の多い年はこの道標もまったく見えないのだが。 爺ヶ岳中峰と北峰稜線と鹿島槍ヶ岳。 南峰から種池山荘(中下の黒い点)と剱立山連峰。
 

NO520  里はいよいよ春爛漫も・・・・

2009  4 /  12(日)  

  雪は少な目といえども、ご覧のような雪と風が創る冬の造形美がまだまだ広がる爺ヶ岳及び鹿島槍ヶ岳周辺です。山の上で静かにこんな景色に対峙していられれば幸せなんですが・・・ 小屋開け入山までわずかになり、目前のゴールデンウィークの準備に、はたまた夏山へ向けての準備に、プライベートにと気ぜわしさが増すこのごろです。一歩一歩着実に山へ向かって歩をすすめましょう。

 

NO519  雪はやや少なめの感じも北アルプスはまだまだ冬山の領域です。Part U

2009  4 /  11(土)  

  今週の大町は4/5の日曜日から連日快晴のお天気が続き、昨日は24,2度まであがりました。今日もそのぐらいまで上がりそうです。サクラ前線も大町の隣町の南部辺りまでやってきているようですが、あまりにもお天気が良すぎで乾燥注意報も出っ放し。このままこのお天気がゴールデンウィークまで続くことは到底ないことでしょうが、そろそろお湿りもほしいところです。

    一方、岳の上も連日の好天で春山モード全開といった感じですが、こちらもこのままゴールデンウィークまでいくとは思えません。まだまだ雪の舞う日があることと思います。ゴールデンウィーク中に雪がまったく降らなかったということはほとんどありませんので、ご注意を! 写真は昨日の扇沢、黒部ダム、黒部平から見た後立山連峰の峰々です。雪はやや少なめというだけであって、まだまだ冬山の領域であることは当然のことです。

鹿島槍ヶ岳。右側のピークは布引岳。

五竜岳。

爺ヶ岳南峰と南尾根。右がジャンクションピーク

鳴沢岳と赤沢岳(右)。

スバリ岳と針ノ木岳(右)

遠く白馬岳。

 

NO518  立山黒部アルペンルート部分開通。17日には全線開通オープンへ。

2009  4 /  10(金)  

  大町〜扇沢〜黒部ダム〜室堂 間と富山県側の立山山麓〜美女平〜弥陀ヶ原 間が本日4/10にオープンいたしました。大町側ではアルペンラインオープンカーニバルが催され 、戦国時代に厳冬期の立山越えにその名を残す武将 佐々成政 公一行がオープニングに花を添えてくれました。私も大町市観光協会のスタッフとして参加してまいりました。今年は昨年の肌寒い雨降りの中でのオープニングと打って変わっての最高のお天気、汗もにじむぐらいの温かな無風快晴のお天気でした。 一般招待客の皆様はもちろんのこと参加者、関係者一同大満足のオープン初日になりました。扇沢までの沿線は例年になく少ない積雪、ダムから地下ケーブルで上がった黒部平の積雪も昨年より少ない印象でした。黒部平から真正面に見る針ノ木岳〜赤沢岳〜鳴沢岳の稜線の積雪も少ない印象でした。黒部平からは赤牛岳、水晶岳の奥黒部方面、鹿島槍ヶ岳、五竜岳から白馬岳方面もくっきりと見えアルペンルートの全通そしてゴールデンウィークの到来を待ちかねているようでした。今季はテレビドラマ『黒部の太陽』 や6月20日に全国封切りされる映画『劒岳 点の記』 が好感されたくさんのお客様にお見えいただけそうです。 あとはひたすらお天気の安定を願うばかりです。

黒部ダムには昨年の11月以来の“黒部の太陽”がさんさんと降りそそぐ。いよいよ今季スタート!

佐々成政 公がくすだまを割る。黒部ダムの頂堤上そして立山に歓声が渡る。

爺ヶ岳や針ノ木岳の登山基地でもある、黒部立山アルペンルートの玄関口扇沢駅も開駅。

公募で参加の皆さんお疲れさまでした。来年はあなたも挑戦してみませんか。

立山をバックに雪中行軍。結構やみつきになられる方もおられるようです。

一行は最後に佐々成政ゆかりの大町市大出の西正院大姥堂へ。善光寺同様今年は御開帳です。

 

NO517  赤岩尾根経由で冷池山荘へ。

2009  4 /  9(木)  

  急きょ体力づくりも兼ねて冷池山荘と周辺の雪の状況調べに赤岩尾根を登ってきました。今のところは西俣出合の取り付き点から主稜線までたっぷりと切れ目なく尾根上には積雪がありますが、連休本番までまだ3週間もあることを考えると平年よりやや少なめの感はいなめません。爺ヶ岳から鹿島槍の主稜線もやや少なめの感じでした。一方小屋の周りはいつでも吹き溜まりになることもあったり、3月下旬から4月4日ごろまでの度々の降雪で、平年並みの積雪量でした。ゴールデンウィーク前の雪掘り作業プラス除雪作業は今年も忙しくなりそうです。

  また3月下旬からの降雪で爺ヶ岳の北峰の東壁は真冬と同じような感じで、まだまだ “ヒマラヤひだ” が結構みごとでした。そして沢筋などではこの降雪の雪があまりデブリになっていないようで、いましばらく沢筋は雪崩に気をつけなければならないようです。

高千穂平からの赤岩尾根上部。

先日お尋ねのあった爺ヶ岳東尾根。手前は冷尾根

冷乗越分岐点からの鹿島槍ヶ岳。

同じく剱岳。

大屋根までの積雪と爺ヶ岳稜線。

鹿島槍ヶ岳南峰。

 

NO516   雪はやや少なめの感じも北アルプスはまだまだ冬山の領域です。

2009  4 /  6(月)  

  今日は今週末に爺ヶ岳の東尾根に入山したいという方から、『雪の付きぐあいはどうですか。』という電話がありました。『今現在は鹿島集落裏手の東尾根の下部から頂上までしっかりと雪が付いて雪稜になっているし、鹿島集落から東尾根に取り付くまでの沢も、もうしばらくは雪が残っていますよ。』とお答えするとたいへん喜ばれていました。なんでも3月に登った2ヶ所の山は例年になく残雪が少なく、藪こぎに難儀されたということで、スッキリとした雪稜歩きが楽しめそうということでたいへん嬉しそうにされていました。爺ヶ岳の東尾根も3月中旬は上部のハイマツ帯がかなり見えたりしている時期もありましたが、3月下旬からの降雪でまた冬山らしくなっています。  いつもこのような電話があると、『雪は多くて、いいですよ。』 などと答えると 『雪が多くてだいじょうぶですかね。』 などと、答えに窮する質問をされる方がいらっしゃいます。冬山も春山も雪がたっぷりとあったほうが歩きやすいし、景色もいいと思うんですが。   写真は本日の鹿島槍ヶ岳および爺ヶ岳の様子です。

爺ヶ岳中央峰と東尾根。

赤岩尾根の最上部

雪の厚みが少ない感じの鎌尾根。

鹿島槍ヶ岳北峰。

鹿島槍東尾根と奥には天狗尾根。

手前に赤岩尾根、奥に冷池山荘稜線。

 

NO515   春本番へ。

2009  4 /  6(月)  

  今日はわが家の“標準木”の梅の木も当初の予想より、かなり遅れて開花いたしました。だいたい4/5頃から4/10頃の間の開花が“平年並み”だと思っていますので、ほぼ平年並みの開花に納まってくれてよかったというのが実感です。3月中旬の暖かさでは、お彼岸の終わりごろには咲き出してしまうのでは、と心配していたぐらいでしたので、結果的には妙にホッとしているところです。 梅は最初の一輪がいいですよね、寒の戻りでじらされてようやく咲いただけに感慨もひとしおです。 一方3月下旬に続いた寒の戻りのため、足踏みが続いた長野県内のサクラ前線もここ数日の温度上昇とともに、また北上を再開し今日は松本の松本城で開花宣言が出されました。開花予想よりは3日間遅れましたが、それでも平年より6日も早い開花です。大町の開花予想は平年より8日早い 4月14日ですが、この後は温度高めの好天続きが予想されているみたいですので、その頃かもう少し早まってしまうかもしれないですね。

ポツンポツンと30個ぐらい花をつけました。

わが家の土手のスイセンも昨日開花しました。

木々の根元にも春のおとずれ。

水温む『鹿島槍ガーデン』。太公望も増えてゆく頃

 

NO514   さあいよいよ四月のスタート。

2009  4 /  2(木)  

   3月中旬ごろは初夏のようなぽかぽか陽気が続いてどうなるのかと心配しましたが、その反動も出たのか3月下旬からはやや肌寒い日が続いています ね。大町は昨日も雪の降る4月新年度入りになりました。史上最速?と思われたわが家の梅の開花もいまだに咲き出すことができない有様です。そういえば各地のサクラも通常なら1週間ほどで満開を迎えるものが、今年は10日から2週間近くかかっているようですね。その分サクラの花見処は例年になく長い期間サクラを楽しむ方々でにぎわっていることでしょう。

   さて先日、3月21日に鹿島槍ヶ岳へ登った神奈川県のH様から当日の冷池山荘の写真を送っていただきました。写真でみるかぎり大屋根まで埋まった積雪は、3/21ということを考えれば例年より少な目の感じに思われます。でもその後は昨日まで雪雲におおわれた日が多かったので、積雪はさらに増したことと思われます。この後もまだまだ雪の降る日も多いと思われますが、どんな G.W春山シーンを迎えられることでしょうか。H様には写真ありがとうございました。

大屋根まですっぽり雪で埋まった冷池山荘。3/21という時期を考えればやや少な目の小屋周り。

雪煙舞い立つ爺ヶ岳。このところ雪の降る日が続きました。(4/2)