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NO237  種池山荘のある主稜線の2400m帯は来週の前半にはピークへ。

 2006/09/28(木)

     種池山荘の周辺の紅葉はなかなか見応えのある鮮やかな色あいに、日に日に染まってきています。種池山荘周辺は毎年いい色に染まるナナカマドが多いんですが、今年もちょっと色づきのもの足りないものや虫食い状のものもあったりはするものの多くのナナカマドは順調に赤味を増してきています。なかなか鮮やかな黄味を帯びているミネカエデや赤紫色のクロマメノキなどとともに濃淡微妙な世界を醸しだし、まさに誰もが夢心地の心境で紅葉のトンネルをくぐりぬけています。種池平の紅葉にかかわらず紅葉黄葉は日本人のアイデンティティーといったところでしょうか。

    今秋はダケカンバの色づきは遅れ気味なのか今ひとつの色づきなのでしょうか。ダケカンバの樹林帯が広がる冷池山荘周辺は種池山荘周辺にくらべるとちょっと遅れ気味の感じです。どちらにしましても来週には主稜線はピークを迎えそうです。そのあとは日に60〜80mぐらいずつ紅葉の中心帯を下げて行きます。温暖化で各地で紅葉が遅れる傾向にある昨今、みなさんのお住まいに届くのはいつごろでしょうか。早いもので9月も残すところ2日だけ、もう10月ですね。


赤岩尾根の高千穂平上部のナナカマドやオオカメノキ。(9/27)

赤岩尾根の上部。ナナカマドとミネカエデの黄葉。(9/27)

ガスの中、冷池山荘の手前の樹林帯を往く。(9/28)

ガスが切れて赤岩尾根の全貌が姿あらわす。(9/28)

爺ヶ岳の東尾根の南側斜面。爺ヶ岳南峰より。(9/28)

種池山荘前のチングルマの紅葉はこれからが本番。(9/28)

日に日に赤味を増す爺ヶ岳。(9/28)

9/26の写真より確実に赤味を増すナナカマド。(9/28)

種池平の丘はミネカエデの黄色があざやか。(9/28)

種池山荘の裏のナナカマドの色づきはまだ三分位でしょうか(9/28)

なかなか全貌を現してくれなかった今日の鹿島槍(9/28)

種池から見る冷池山荘周辺。まだ黄葉始まったところ(9/28)

NO236  足元のちいさな秋も見おとさないで。

 2006/09/26(火)

    人気のナナカマドやダケカンバ、オオカメノキ、ミネカエデ、ミネザクラといった目立つ大きな紅葉ばかりでなく、ぜひとも草紅葉や小さな秋のおとずれや、夏の華やかな姿からは信じられないような枯れ草にもぜひ喝采をおくってください。来年も素敵なシーンを届けてくれるように。


草紅葉の代表チングルマ。種池平はこれから。

紅葉もするハクサンフウロ。名残り花。

クロトウヒレンは葉っぱも名前のごとく黒色へ。

オトギリソウの紅葉でしょうか。

タカネスイバは茎も赤く染まる。

オンタデ?も秋はなかなかすてきです。

ミヤマキンバイでしょうか。花がないと少し??

今年もそっと静かに咲き誇ったキヌガサソウ。

マイズルソウもイチョウのようにまっ黄色に変身

オヤマリンドウは葉も花同様に紫がかる。

ゴゼンタチバナも真っ赤になります。

霜がつくる華もこれからのたのしみ。

NO235  早朝窓を開けて目にした紅葉が夕べには更なる感動へ。

 2006/09/26(火)

     本日は朝から厚い雲におおわれ午後3時すぎからは雨も降り出し ました。敬老の日連休終了後から続いた素晴らしい秋の空もちょっと一服といったところです。このあと明日にかけても北上してきた低気圧の影響で少々まとまった雨量にになりそうな気配です。ただしその後は週末にかけて再びの好天が予想されていますので、この雨も紅葉をよりしっとりとさせてくれる、ある種めぐみの雨かもしれません。雨上がりにはもっともっと素敵な色合いの木々がそして山肌が待っていてくれることと思いますので、みなさん 天候回復後には期待してお出かけ下さいませ。 またおかげさまで新越山荘の本年の営業はつつがなく終了をすることができました。ご来荘いただきましたお客様と無事小屋閉めを迎えた関係全スタッフに厚く感謝を申し上げます。今シーズンは天候不順でどの小屋もお客様の入り込みは今ひとつでしたが最初の小屋閉めを無事に完了できたことがなによりです。

     先に前宣伝のようになってしまいましたが、紅葉前線は9月21日の初霜以降の冷え込みそして昨日の初氷にともなう冷え込みで一気にいい色合いになってきました。先行していたミネカエデやクロマメノキの紅葉に遅れんばかりと昨日あたりからはナナカマドの赤色やダケカンバの黄色ものってきたのがはっきりとわかるようになってきました。朝方の色 彩が夕方にはさらに増しているのも注意深く観察していればわかるくらいで、まして二日もたてばびっくりするほどの大変身です。9月に入ってからの雨で一部くさったようになってしまった葉っぱもありますが、今週末そして来週へかけて大いに期待 感をいだかせるここ数日です。種池山荘周辺や柏原新道の最上部、赤岩尾根の最上部、爺ヶ岳の西側斜面などは3分ぐらいの色付きでしょうか。これに比べると冷池山荘から鹿島槍ヶ岳にかけての紅葉は少し遅れ気味の感じです。昨年は9月30日ごろに 、小屋のある主稜線帯の紅葉はピークを迎え、落葉を始めましたがナナカマドだけはさらに色を増して10月3日ごろに絶頂を迎えました。紅葉も木の種類によって微妙に時期がずれるようですね。そういうことを 考慮いたしましても今週末からピークを迎え、翌週末の体育の日連休頃の名残の紅葉までまだまだたっぷりと満喫でき、紅葉の海に浸ることができそうです。

     昨日の速報のとおり初氷もむかえ朝夕の冷え込みもかなりつよくなってきました。昨日は終日おだやかな秋空の下でしたが最高気温は10度ほどでした。最低気温はまだ昨日の 0度がいちばん低いですがこれからはもっと下がっても不思議ではありません。おりしも9月23日には北海道の大雪山では初雪を観測しています。 北アルプスとていつ初雪が舞ってもおかしくない季節になってまいりました。これからは防寒対策とお天気のチェックをお忘れなく。また今秋も一昨年に続いて全国でクマの出没や被害が多く報道されています。長野県内も全県で例年より多い目撃情報が寄せられているようです。大町市やお隣の池田町や小谷村にも中心街にまで出没して話題になっています。当然のことですが北アルプスをはじめ長野県内の山岳地帯、里山地帯どこにでも生息していて当山域でも目撃情報等はあるわけで、今年だけというのではなくいつでも対策等を心がけていなければならないのかもしれません。ただし対策といっても巷間言われるところの鈴やカウベルをぶらさげて歩く、ラジオを鳴らす、ときどき大声をあげるといったところでしょうか。できることなら複数人で歩かれ、登山用品店やホームセンターで販売しているクマ除けスプレーをポケットにしのばせ、藪の中でがさがさと何か音が聞こえたらさっと通り抜けるのがいいかもしれません。私もクマのことについては 今ひとつ不勉強ですのでいろいろと調べて当ホームページでもいずれご紹介できればと思います。 最後に今週初めの幕が切っておろされた紅葉の舞台をご覧下さい。


目に見えてわかる爺ヶ岳の西側斜面。(冷池山荘より)

ナナカマドも色づき出す。一番人気の種池山荘周辺。

色づくはミネカエデとクロマメノキ。鹿島槍は紅葉遅し。

種池平北側はかなりいい色になってきました。後方に爺ヶ岳。

種池山荘と紅葉進む爺ヶ岳南西斜面。

これから楽しみ、包み込まれる紅葉で人気の柏原新道上部斜面

新越山荘小屋閉め作業。みんなごくろうさまでした。

午後のガスも夕刻の冷え込みとともに立ち去る。

赤岩尾根上部のミネカエデと鹿島槍ヶ岳。

赤岩尾根の最上部も目を覚ましたように色づきだしました。

同じく赤岩尾根と爺ヶ岳の北峰。赤岩尾根の紅葉はしぶい。

紅葉の中、また一人スタッフも下山へ。寂しくなります。(冷池)

NO234  速報  秋をぐっと引き寄せる待望の初氷です。

 2006/09/25(月)

     9月21日の小屋周りでの初霜以降連日のように薄い霜が降りるようになっていましたが、今朝は無風快晴最低気温 0度にまで下がり小屋でもバケツの水やタンクのふたの上の水たまりについに初氷が張りました。 昨年の初氷は10月13日と平成に入ってから最も遅いものでしたが今日の初氷はほぼ平年並みもしくは2、3日遅れといったところでしょうか。遅れ気味だった紅葉前線も一気に動き出しそうです。(8:00)


初氷うれしいな。でも今朝は寒かった〜。(冷池山荘にて)

フリースが手放せなくなりました。あと一ヶ月余りガンバリます!

ここ数日朝一番の仕事は氷の確認。ついにゲット。やりました。(種池山荘)

NO233  今朝は小屋の周りでも初霜を観測しました。

 2006/09/21(木)

     標高の高い鹿島槍ヶ岳頂上では15日に初霜をみたようですが、今朝は小屋でもほんとうにうっすらと初霜を見ることができました。ようやく朝も寒さを覚えるようになってきましたし、初氷を観測するのもうじきの気配になってきました。今日は日中雲が多くなりましたが基本的には昨日に続きいいお天気でした。週末の予報も昨日までのいまひとつの予報からまあまあ期待できそうな予報に変わってきましたし、台風14号も小笠原諸島付近からは進路を北方向へ変えるようで良かったです。なかなか足どりが重かった皆様おまちかねの紅葉前線もようやく一歩足を踏み出した感じです。このあとは冷え込みも増してきて来週以降は一気に前進しそうな気配です。

    今週末は一応連休ということですがご予約は少ないです。9月23日(土)も冷池山荘で80人種池山荘で40人ほどのご予約をいただいているだけです。来週にかけても予約は少ないです。紅葉で有名な山域とは違いそんなに込み合いませんので、9月になってお天気いまひとつでまだまだたくさん残っている生ビールを飲み干しにぜひともお出かけ下さい。お天気さえ良ければまだまだ生ビールが最高ですよ。といってももう日中も18度ぐらいまで上がればいっぱいですけど。


鳴沢岳北面はわりに色づきが進んでいるほうです。新越山荘小屋閉めまでにはもっと進んでほしいです。

鳴沢岳より奥に鹿島槍。手前は新越山荘の北にある通称“新越岳”。ようやく紅葉始まりました。

9月中旬は雨続きでなかなかはかどらなかった山麓大町の稲刈りもようやく本番を迎えました。

こちらはソバ畑。最近は蕎麦ブームで大町でも作付け面積も美味しい蕎麦処も少しずつ増えています。

たわわに実った稲穂が全部刈り取られ、はぜ掛けの稲の脱穀も終わる頃には岳には初雪も。

NO232  今週末までとっておきたい、今秋一番の爽快な一日。

 2006/09/20(水)

   さわやかな空、さわやかな風、さわやかな汗そしてさわやかな山々と何もかもが身も心もリフレッシュさせてくれ た最高の今日9月20日。久しぶりの終日にわたる日本晴れ、だれもが山にいられる幸せを、そして山の持つ懐の深さを再認識した一日でした。

   そんななか新越山荘の営業もあと4日間になってしまいました。いまひとつ冷え込みが弱かったり紅葉の進みぐあいが遅かったりといつもとちょっと雰囲気が違う今シーズンの納めの時期ですが、この後も小屋閉めまでこのお天気がぜひとも長続きしますように。スタッフは小屋閉めの準備をすすめるとともに9月24日晩の最後のお泊りのお客様までお待ち申し上げております。なお冷池山荘と種池山荘の営業は来月の10月21日(土)までとなっております。


鹿島槍ヶ岳頂上から眼下に見る、うっすらと紅葉が始まった爺ヶ岳。遠くには表銀座。(9/20)

登頂の歓びだけでは語り尽くせない、立ち去り難し鹿島槍ヶ岳の頂。(9/20)

どこまでも澄んだ秋空の下、五竜岳、白馬岳方面へ続く縦走路。(鹿島槍頂上より  9/20)

リトルアドベンチャーの皆さん。どなたも登頂の喜びをそっとかみしめる大人の笑顔ですね。(9/20)

遅れ気味の紅葉。秋色とも夏色ともちがう剱立山連峰。(鹿島槍ヶ岳頂上より 9/20)

NO231  台風の置き土産というにはあまりに素晴らしすぎて・・・・・

 2006/09/18(月)

   三連休の最終日は台風13号の影響がでて午前中は雨降りになってしまいました。昨夜お泊りのお客様も早々にそれぞれの山荘を出発されて下山口に向かわれました。九州方面の大被害のことを思えば北アルプスは台風の影響もほとんどなく、多少雨の降る時間帯もあったものの晴れ間がのぞく時間帯も結構あったりして、台風13号プラス秋雨前線という悪条件のことを考えればまあまあのお天気だった3連休ではないでしょうか。お客様もそれなりに満足されて帰路につかれたようでした。ただお客様が全員下山された今日の午後からは急速に天気も回復してみごとな秋の空そして今シーズンのナンバーワンといっても過言でない素晴らしい夕焼けになりました。せっかく今回お越しいただいたお客様にこの素晴らしい贈り物を差し上げられなかったことだけはたいへん悔やまれます。しかも今日は最近では例を見ないような三つの山荘が全部宿泊客がゼロというかなり残念な状況。スタッフだけでこの素晴らしい夕焼けを独り占めしてしまい、連休中に台風にもかかわらずお越しになられたみなさんにはほんとうに申し訳ないような、後ろめたいような気持ちです。せめて今日の写真だけでも皆さんにお送りして次回の来山への機縁になっていただければさいわいです。

   悪天候の予報で当初の予想より大幅な入り込み減の敬老の日3連休でしたが、このあとも次週の秋分の日連休、9月最終土曜日の30日、10月の体育の日3連休と今のところはご予約もあまり多くありません。今回の台風のようにいきなり向きを変えてやってくるものも多い時期ですので、皆さん直前まで天気予報とにらめっこの方が多いように見受けます。好天の予報が出ればどの週末も一気にご予約も増えることと思います。遅れ気味の紅葉も次の週末あたりからはかなりよくなってくると思いますのでとにかく天気の安定と秋の高気圧の来訪を待ちたいと思います。なお週末をのぞけばどの山荘も平日の宿泊客はたいへん少ないですのでぜひともお出かけ下さい。また早いもので新越山荘の今季の営業は9月24日(日)のご宿泊までとなっております。


9月18日 種池平より天空燃ゆる。

9月18日 剱岳夕照(種池山荘)

ガス上がる午後の種池平(9/18)

すっきりと鹿島槍も現る。(9/18)

急転回復。雨上がり雲下がる。9/18

コケモモの赤い実が熟す。

ウラシマツツジは既に絶頂へ。

宵闇迫る新越山荘(9/18)

立山連峰燃え上がる(新越山荘)

剱立山連峰(新越山荘 9/18)

NO230  台風13号襲来も今のところ大きな影響はなし。

 2006/09/17(日)

   さいわいにも連休2日目はまあまあのお天気に恵まれました。連休初日の昨日も午前中は晴れ間ものぞき、昼からの雨も本降りになるようなこともありませんでした。今日も夕方からはまた小雨模様になってしまいましたが連休最終日にかけてもこのまま大した雨降りにならぬことを願うばかりです。皆さん台風13号の襲来を心配されてキャンセルされたり、コースを変えられたり、縦走をとりやめられたりとたいへんでしたがお越しになられたお客様にはそれなりに初秋の山を楽しめるお天気になってほんとうによかったです。これ以上大きな被害をもたらすことなく台風13号には立ち去ってもらい早く台風一過の秋空が広がってほしいものです。

      9月15日には北アルプス南部の槍ヶ岳では平年並みに初氷が張ったそうです。当方の山荘では最低気温は4℃ほどで初氷も張ることはありませんでしたが、もういつ氷が張ってもおかしくはない季節になってきました。冷え込みが続くようになると遅れ気味の紅葉の色付きも一気に進みそうですね。


連休二日目は思いがけない好天。爺ヶ岳。(9/17)

冷池山荘の周囲もようやく色づき始めました(9/17)

新越山荘もまあまあのお天気でラッキーでした(9/17)

新越山荘周辺は秋の花もまだまだいいですよ。9/17

タカネスイバ、オヤマリンドウ、アキノキリンソウ9/17

NO229  秋の三大連休の第一弾のお天気は? 紅葉の進捗状況は?

 2006/09/15(金)

   秋雨前線の停滞ばかりでなく台風13号まで日本本土へ向きを変えてしまいました。明日からの敬老の日3連休のお天気が心配ですが、とにかく台風だけでもできるだけ西側を北上して、また北アルプスへの影響はできるだけ遅れてやって来てほしいものです。明日の日中はなんとかもってくれると思うんですがその後のお天気は台風の動きが大きく影響しそうです。ほんとうに無粋なやつですね。ちなみにもうひとつ皆さん気がかりの紅葉の進みぐあいですがあまり進行しておりません。主稜線のピークはこのあと順調にいって9月末日あたりになるのではないでしょうか。今回計画を取りやめられたり、紅葉のタイミングを見計らっておられるみなさんは9/23の週末はもちろんのこと9/30の週末、体育の日3連休までいいんじゃないかと思いますのでぜひまたご一考くださいませ。

   紅葉は目線の高さで見る包み込まれるような紅葉はもちろん最高ですが、下から上部を仰ぎ見る圧倒されるような紅葉も迫力を感じますし、紅葉が終わってしまった稜線からまだまだ絶頂の下部の紅葉を俯瞰するのも “侘び” “寂び” を感じてなかなかいいものです。そういうことを考えれば10月中旬まで柏原新道や赤岩尾根のどこかで素敵な紅葉と出会えるはずです。お待ちしております。

   秋雨前線の下がった今朝は3日ぶりの秋空になりました。三つの山荘全部合わせても10名様ほどの昨晩お泊りのお客様は意気揚々と出発されて行きました。お天気ってほんとうにありがたいですね。なんとかお天気が続いてもらい適度な冷え込みも紅葉のためにもほしいところです。


最近はちょっと遠ざかり気味の秋の夕焼け(9/上 新越山荘)

秋雨前線下がってご覧の朝を迎えました。(9/15 種池山荘)

まだまだ緑のナナカマドと鹿島槍ヶ岳。(9/15 種池山荘)

爺ヶ岳の北峰もまだあまり色がつきません。(9/15)

冷池山荘の周りも夏の色とは明らかにちがいます。(9/15)

爺ヶ岳のウラシマツツジはピークを過ぎようとしています。(9/15)

NO228  秋雨前線は雨だけでなく先週からはお客様がゼロの日も連れてきてしまいました。

 2006/09/13(水)

   以前ここでも書いたんですが8月の終わり頃に天気予報の中で今年の九月は秋雨前線の活動は弱く残暑も遅くまで続くといった内容のものでした。9月の頭こそ8月の好天の勢いを引き継ぎまさに予報のとおりでこれはいいぞと喜んだのも束の間、先週からはすっかり雲行きが怪しくなり今週はついに秋雨前線が本州南岸にどっぷりと停滞してしまいました。 山の上の天候も下界同様の冷たい秋雨が降り続き、温度も昨日から一段と下がり今日は最高気温も8度です。7月の長雨と出足の悪さがいまだにトラウマ?になっているので、話が違う、全然違うじゃないか・・・・・・思わず口から出てくる恨み節です。でもこれだけは気象予報士に恨みつらみを言ってもはじまりません。私たちもそうですが7月に行きそびれて9月に再計画されておられる皆さんも同様に思案されていることでしょう。

   今夜の冷池のお客様は7人様、その中の5人様は遠く九州からお越しのパーティ。昨日は雨の中を種池 まで登られて本日も雨の中を鹿島槍ヶ岳ピストンをされてきました。新越山荘のご宿泊お二人様。そして種池山荘はお客様ゼロでした。雨の中を頑張られたお客様のためにも何とか明日は少しでもいいから晴れ間がのぞいてほしいものです。長雨が続くと木々の紅葉にも影響がでて少しくさったようになってしまうのでこれまた心配です。今はひたすら大陸からの東西に長い移動性高気圧がやって来てくれるのを待つばかりです。

   先週中ごろもそんなパッとしない空模様でしたが、北アルプス山小屋協会の研修登山があり薬師岳の登山基地でもある太郎平小屋へ行って来ました。私は扇沢〜室堂〜五色ヶ原〜薬師岳〜太郎平〜薬師沢〜雲の平〜三俣〜 野口五郎岳〜烏帽子岳〜船窪〜蓮華〜針の木〜新越山荘〜冷池山荘をぐるっと一周するという行程で歩き後半はお天気の回復もあり、各小屋の様子を拝見したり登山道の現状を見たり、各山小屋オーナーの皆さんとの情報交換ができたりとたいへん有意義なものになりました。 初めての雲の平ではイワイチョウの草黄葉に大感激しました。シーズンオフに書く機会がありましたなら、また 写真等ご紹介できればと思います。今日はその際の秋を迎えんばかりの各山域の写真をダイジェストでご覧下さい。

   さて最後に今週末に迫った秋の三大連休の第一弾、敬老の日連休の予約状況ですが先週末の段階で9/16(土)が冷池山荘で80名様、種池山荘が140名様、9/17(日)が冷池山荘で140名様ほどの状況でありこれ以外の日時、山荘ではご予約はたいへん少ないです。なお今週に入ってからは秋雨前線の停滞とともに各山荘とも予約キャンセルはあっても新たな予約は ほとんどない状態です。多いのはお天気のお問い合わせばかりで、こればかりは私どもも週間予報を見てのテレビの気象予報士が言う内容を申し上げるのみです。とにかく晴れたらいいですね。秋雨前線がたとえ数十キロメートルでも南下すれば先の9/10(日)の朝のような秋晴れにおおわれるんですが。いつも申し上げますがあまりお天気に詳しくない方はテレビの天気予報では新潟の天気マークをいちばん参考にして下さい。新潟の天気が北アルプス北部の天気とはいちばん酷似しています。また当H.Pからリンクしているエキサイトの立山頂上の予想天気も確率高いのでご参照ください。ただしそこ に載っている温度は頂上のものとはまったくかけ離れたものですので参考にはなりませんのでご注意ください。

   皆さんもご一緒に天候の回復を願ってくださいね、 そして早く雨が上がり大きな虹の下、さらにうっすらと色づきを増したダケカンバやナナカマドの樹林帯が広がることを。また足元には果穂が舞い同じく赤味を増したチングルマが可愛い紅葉のじゅうたんを敷きつめることを。なんとかそんな穏やかな敬老の日三連休になってもらいたいものです。


草紅葉始まる五色ヶ原。気持ちいい明るい広い草原。

雨雲に隠れる薬師岳は大きな山ですね。スゴ乗越小屋も見える。

太郎平小屋では車座になって問題提起や情報を真剣に交換。

太郎から下りて薬師沢へ。ここも黒部の源流地帯のひとつ。

イワイチョウの黄葉があまりにも新鮮。いつかまた雲の平へ。

野口五郎岳でようやく青空との遭遇。花崗岩の造形も楽しい。

赤牛の背中に乗るように、奥にはようやく姿を見せた薬師岳

水晶岳は蒼い山ですね。そして鹿島槍と同じ双耳峰ですね。

まだ青々とした烏帽子岳と奥には剱立山が近づいてくる

名残のコマクサが咲く南沢岳からの立山連峰。

蓮華岳から見た裏銀座といちばん手前に七倉岳。

ホームタウンの赤沢岳へ戻り周回してきた薬師岳を振り返る。

NO227  紅葉は? 昨日と今日の鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳の表情です。

 2006/09/11(月)

   秋雨前線の南下に伴い日曜の昼頃から月曜の朝方までは山の上は雨降りになりました。ただし秋雨前線が太平洋岸に停滞して本日お天気が悪かった関東地方などとは違い、鹿島槍ヶ岳周辺は朝までの雨も午前8時ごろには上がりまあまあのお天気になりました。暑くもなし寒くもなし、云う事のない過ごしやすい一日でしたが、朝の温度も11度とちょっと高めの感じで、紅葉が進むにはもう一段の冷え込みが欲しいのもまた事実であります。

   その紅葉でありますが平年より一週間程度の遅れの感じで、感覚的にはほぼ昨年と同じようなスピードではないでしょうか。昨年の最新情報を見ていただければけっこう参考になるのではないでしょうか。山荘の建つ2450mの稜線付近でもようやくうっすらとダケカンバの葉っぱが黄化を始めたかなという感じです。このあとの天候や冷え込みに紅葉の出来ばえも、ピークも左右される訳ですが稜線付近ではだいたいのところ9月最終週から10月の初めに絶頂期を迎えるものと思われます。このあと秋雨前線の影響で長雨気味のようなことも天気予報で言い出しておりますので紅葉に悪い影響が出ませんように。適度な雨はいい色合いをもたらしてくれるんですが。

   昨年は敬老の日連休以外は、どの週末も雨にたたられてしまった秋の陣でしたが今年はなんとか次週の敬老の日連休から体育の日連休までの四つの週末全部好天に恵まれてほしいものです。四つの週末それぞれに微妙に変化する紅葉の移ろいを感じ、少しずつちがう標高で少しずつちがう表情を感じる、できることならお客様にも2回はお越しいただければ真の紅葉の素晴らしさをご理解していただけると思うんですが・・・ 山荘スタッフにとっても連休の忙しさ、小屋閉めの慌しささえなければ至福の一ヶ月でしょうか。とはいってもやっぱり お客様から見ればぜいたくな紅葉最前線の中での生活ですね。


まあまあのお天気だった週末。9/10の鹿島槍ヶ岳。

冷池山荘周辺のダケカンバも確実に色が変わり始めました。

9/10の爺ヶ岳。冷池山荘より。

種池山荘周辺の黄色いのは枯れ始めているコバイケイソウ。9/11

コバイケイソウの黄化と爺ヶ岳。(9/11)

昨年は穂が林立したコバイケイソウも今年はさびしそう。(9/11)

雨上がりの鹿島槍ヶ岳に黒部から雲海。手前のナナカマドはまだ青々。

まだ青い鹿島槍ヶ岳の山肌をガスが駆け上がる。(9/11)

例年よりひと月遅れで消えようとしている“ガラ場”の残雪。(9/11)

新道の“ガラ場”は今がひと月遅れのキンポウゲの見頃。

NO226  新しい取り組み 北アルプスの山小屋初?のAEDを三つの山小屋に導入。

 2006/09/04

   皆さんはAEDってご存知ですか。最近大勢の人が集まる施設等に設置されるようになってきた救命器具です。まだまだ知名度や認知度は決して高いものとは言えませんが、公共の施設や学校等を中心に配備されはじめたと聞いております。AEDは自動体外除細動器といい、心臓突然死の原因となる急性の危険な不整脈の発生時に電気ショックを与えて心臓を正常な状態に戻す装置です。心臓発作を起こした時に1分以内に電気ショック(除細動)を与えれば、蘇生率(助かる割合)は90パーセントですが10分経つと5パーセント以下になってしまいます。1分間で10パーセント近くも助かる確率が減少していってしまうんです。AEDは心臓突然死や心臓発作にたいへん有効な装置として、また取り扱いが比較的簡単なため現在おおいに注目されている画期的な装置です。そんな素晴らしい装置を当方でも冷池、種池、新越山荘の三ヶ所に配備することができました。

   思いのほか運動量の多い登山では、中高年人気もあって毎年山行中の心臓突然死が全国の山岳から報告されています。北アルプスでも今夏は野口五郎岳山頂にて残念な事故が報告されております。当山域でも過去10数年のあいだに3件の心臓突然死事故が発生しています。AEDの使用は時間との勝負、一分一秒を争うものですのでどうしても発症が山荘から離れた場所だとその効果も減少してしまいますが、山荘の中や山荘から300mぐらいまでの地点での発症であれば、その効果はかなりのものと思われます。さいわいな ことに今夏は3台ともまだ使用したことはありませんが、たいへん心強いかぎりであります。導入にあたっては当 冷池山荘千葉大学医学部学士会山岳会診療所を現在中心になって運営していただいている学士会山岳会会長の真家雅彦先生にたいへんお骨折りをいただきました。真家先生のご尽力のおかげで、AEDの導入は北アルプスの山小屋では初ということもあり、メーカーのフィリップス社様ならびに販売元の福田電子様にはたいへんなご理解をたまわり、一台は寄贈していただくことができました。この場を借りて厚く御礼を申し上げる次第であります。

   昨年の秋、冷池山荘にて真家先生とのお話しの中で出た話題がさっそく実現して、三つの小屋のスタッフの山岳医療や山岳事故に対しての意識の高揚にも繋がっているような気もいたします。今年4月の入山前には長期スタッフを中心に集まり、大町消防署にて北アルプス広域消防の隊員の方々から救急救命法とAEDの使用方法をお教えいただきました。どうしても救急救命の場に接する事はなかなかあるものではないので、忘れがちになってしまうこともありますが、そうならないように時には皆で復習確認しあうようにし、また定期的に消防や日赤等の主催する講習会にはオフシーズンには参加してより確実なものにしていきたいものです。登山の技術もそうですが何事も反復練習が大切ですね。また登山する皆さんにも普段からの節制、運動不足の解消、登山前の体調管理、寝不足の解消、また登山中にあっては水分補給や適切な行動時間、休憩等に十分にご留意願いたいと思います。

   関係者の皆様には心より感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。千葉大医学部学士会山岳会診療所の先生、看護士さんにはお忙しい中を毎年7月から9月の週末や連休時を中心にボランティアで入山していただいております。皆さん山が大好き、お酒もちょっとお好きな気さくな先生方ばかりです。今年ももうしばらくですがよろしくお願いをいたします。

    8月に続いて9月に入っても好天が続き、最低気温7度の今朝も初秋の青空が広がり最高の登山日和です。好天に恵まれてにぎわった週末でしたがこの後は平日は一気にお客様も少なくなりそうです。いっぽう山荘の夏山スタッフも週明けの度に任期満了にて数名ずつ小屋を去るようになり、一抹のさびしさを覚える時期でもあります。下山スタッフの皆さんは涼しい山の上から残暑きびしい都会へ戻って体調など崩さぬように、夏の忙しい時期ほんとうにありがとうございました。台風12号もこのあとは一気に北へ進路を変えそうな気配ですので今週もまだまだ好天が続きそうな気配ですね。


救助に向かう長野県警ヘリコプター“やまびこ”

AEDの本体には、音声ガイドもついているので安心。

こんな小さな器械が人の生命を救う。

今年の4月、皆で心臓マッサージや人工呼吸も学ぶ。

訓練とはいえ皆真剣そのもの。電気ショックを与える。

NO225  今年は9月に入ってもまだまだ夏の花が楽しめます。

 2006/09/03

   今日もさわやかな秋空が広がっています。今朝の温度は7度、ここちよい涼しさです。稜線のお花の中心は秋の花ですが、今年はとにかく雪融けが遅かったのでまだまだ夏のお花もそこかしこに咲き誇っています。遠くの雄大な山々の景色ばかりでなく、夏と秋の花が混在して例年にない競演を見せている足元にもぜひとも目をやってください。


いろいろな表情を見せてくれるチングルマ。

滝雲流れる鹿島槍稜線と爺ヶ岳。

場所によっては盛夏の代表、クルマユリも満開です。

秋の花、可憐なタカネマツムシソウ。

まだ盛夏? ハクサンフウロやウサギギクが見頃のお花畑も。

初夏の花ミヤマキンポウゲと上には秋の花トリカブトが同居。

NO224  移動性高気圧とともにさわやかな秋の大気が到来。

 2006/09/02

   9月最初の週末は絶好の登山日和になりました。朝の気温は5度まで下がり、お泊りのお客様にはちょっと寒かったようでした。日中の気温も20度を下回るようになり昨日は14度ぐらいで歩いていても汗もあまりでないぐらいです。9月の声とともに、これからは日に日に秋の気配が深まっていきそうです。8月はお客様の出足もようやく良くなり後半にかけてもいいペースでご来荘いただきました。今日もその流れでこの時期としては多いお客様を迎えることができました。このあとは来週、再来週と一段落して敬老の日3連休、秋分の日連休そして体育の日3連休へと向かいます。合間合間には道直しや夏にできなかった作業、冬へ向けての作業にも手を付けられそうです。短い夏山シーズンもあっという間の後半戦突入です。以下秋の香りを感じる本日の稜線風景です。


黄化をはじめたコバイケイソウと爺ヶ岳。種池西方の棒小屋乗越より。

トウヤクリンドウも終わりを迎えようとしています。下方に新越山荘が見えます。

9月2日最高の朝焼け。秋山シーズンの開始です。(冷池山荘)

空気が澄む秋はさらに朝焼け、夕焼けがたのしみ。

下界のことを考えれば気温5度はまさに冷蔵庫の中ですね。

立山連峰の朝焼けももう秋のものですね。(冷池山荘より)