NO113 梅雨入り宣言もまもなくでしょうか。冷池山荘工事はいよいよ終盤戦突入です。
2004/06/02
早くも6月入り。気象台からの宣言こそないものの、このところ梅雨のような天気が多くなっています。長期予報では今夏は暑い夏になるとか。入るものは早く入ってもらって、すっきりと梅雨明けしてほしいものです。どうしても気持ちまで滅入ってしまいそうです。
今度の日曜日は針の木岳の慎太郎祭、先日は白馬岳の開山祭も開かれました。いよいよ今年も皆さん気分は夏山モードに突入ですね。わが山荘でも、私達にとっての開山祭とでもいうべき柏原新道の開通を目指して、この後新道の除雪作業にとりかかります。除雪といってもまだまだ数メートルもの残雪におおわれた登山道をスコップで掘り起こすなんてことは不可能です。だいたいの道沿いにスコップでカットしてステップを作ることです。種池山荘や登山口の扇沢から新道をチェックして目安にしているポイントが現れたら毎年カットを始めます。毎年この時期には連日のように柏原新道通行の可否や、可能時期のお問い合わせをたくさんいただきます。中には何で通れないんだ?といったお叱りのものも。皆様のはやるお気持ちはわかるんですが、延長3キロメートル近い残雪区間のカットは作業をする者も、通行する方もまだまだかなりの危険が伴うということです。一度カットしても数日後にはすぐに融けてしまい再カットをしなければなりません。もうしばらくですがご理解いただき、ご協力願いたいと思います。
冷池山荘の増改築工事は風雨の影響で外壁工事をはじめ外仕事にたいへんご苦労いただきましたが、職人さんやスタッフのみんなが頑張ってくれて外仕事は9割方終了するまでに至ることができました。小屋の内部の造作作業も大工さん連日遅くまで頑張っていただき、西館の内部全面改装や平成16年館の1階部分はほぼ終了することができました。この後も2階部分の造作や細部の作業、塗装、畳入れ、什器類の搬入、工事道具の荷下げ等6月いっぱいたっぷりと続きそうです。その間にも新越山荘の小屋開けや登山道整備、夏山営業物資の荷上げ、7月へ入れば種池山荘の中学校登山の宿泊受入れ等も進めながら、冷池山荘7/15のオープンへ向けての工事以外のソフトの部分での準備もおこたりのないようにスタッフ一同で進めていきたいと思います。お客様からの宿泊予約も順調に頂いておりありがたい限りです。
▲天気
◎梅雨入り宣言こそないものの、雨模様の日が多い最近です。
◎6/1は天候回復。2日もいい天気です。日中も暖かな日は15度を超えて暖かです。
▲花
◎稜線でもミツバオウレン、ショウジョウバカマ、ヒメイチゲ、ウラシマツツジなどが咲き出しました。
▲積雪
◎昨年に続いて今年も残雪は少なめです。例年より場所によっては2〜3週間雪融けが早いところもあります。
◎雪が何メートルあるか?といった問い合わせがありますが答えに困ります。風の強い所は吹き飛ばされて全くありませんし・・・・・ 少なめといっても低い山とはまったく違います。
▲登山ルートの状況
◎柏原新道は残雪期は、登山口から八ツ見ベンチ辺りまでの800m位しか歩けません。そこから先は残雪で覆われて通行できません。 よってこの時期、柏原新道から直接種池山荘へ行くことはできません。
※柏原新道の八ツ見ベンチ付近から爺ヶ岳南峰へ向かって南尾根を直登するのが 一般的ですが夏道とは違います。たいへん歩きにくいです。遅い人は扇沢から頂上まで8時間ぐらい見たほうが無難です。体力のいるルートです。
◎爺ヶ岳や種池山荘に登るには、柏原新道が雪融けが進み通行可能になってから登られることをおすすめします。6/10頃までには通行可能になると思われます。
◎爺ヶ岳南尾根は下山時に谷側へ迷い込まぬよう要注意。扇沢側(尾根の西側)へ間違いやすい支稜がでています。
◎赤岩尾根は最上部の残雪のトラバース要注意。中間帯にも数箇所残雪あるので注意。夏道かなりの部分で現れています。
▲アドバイスや注意
◎まだまだ真冬の領域です。装備、計画、体調、技術などに優れ、自力で正確なルート判断ができる方でないと大変危険です。
トレースだとか赤布を頼りにした登山はおすすめできません。
◎毎年この時期の問い合わせで、アイゼン、ピッケルを持っていったほうがいいか?といったものがありますが、使う使わないは別として持って行くのが常識としか答えようがありません。
◎例年柏原新道が全通するのは6月中旬です。その際も上部の危険な箇所の残雪はカットしてのものです。
今年は雪消えが早めですので、今後の天候次第では早まるかもしれません。開通の際は当最新情報にてお知らせしますのでご確認ください。
◎昨年、一昨年の5月、6月の当ホームページの情報も参照ください。
▲混雑状況
◎冷池山荘は改築工事中につき7月15日までは
いっさい宿泊できません。現在休業中です。冬季小屋の使用もできません。
◎冷池山荘休業中もテント場、トイレ、売店
(ジュース、ビール、カップラーメン程度)は利用可能です。
こちらの写真クリックで、大きくなります。
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爺ヶ岳南峰よりの種池山荘及び剣立山連峰。ここへ来て一段と雪融けも進んでいます。少し夏の空気が漂ってきました。(6/1) |
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種池山荘の西方より見た爺ヶ岳と柏原新道のある爺ヶ岳西側斜面。柏原新道の中間帯から上部はまだまだ残雪が相当にあり通行できません。(5/30) |
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種池山荘からの針の木岳方面。6/6には針の木岳では開山祭の慎太郎祭が開催されます。参加者は神事のあと、針の木大雪渓を登ります。 |
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種池山荘の周囲の残雪は例年よりかなり早いペースで消えています。まもなく柏原新道が通行可能になれば小屋にもにぎわいが戻りそうです。 |
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5/24には5cmの新雪が積もりました。意外かもしれませんがこの時期って毎年のようにシーズン最後の雪が降るんですよね。 |
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工事真っ盛りの冷池山荘もご覧の新雪。暴風雨や暴風雪に泣かされた今春の工事でしたがあと一息です。 |
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冷池山荘西館の玄関付近。新しい下駄箱や建具も取り付けられました。廊下も広くなりすっきりしました。 |
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新しいフロント前の玄関には、解体した昭和38年館の土台で使っていた現地石を敷きました。空いている部分には角材を敷き詰めます。 |
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