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NO61 大町もようやく春めいてきました。

2003/03/30

 いよいよあさっては早くも四月入りですね。入山まで半月ほどになってしまい気ばかりあせってしまいます。冬の間にやらにゃならない事もたくさんあったのですが、やり残し、先送りでの入山になってしまいそうです。昨年の今頃は異常に早かったサクラの開花や大規模な黄砂が大きく報道されておりましたが、今年はニュースの中身もまったく違うものになってしまいました。そんな中サクラが満開になったとか,開花したとかといった話題を聞けばほっとします。

 先日も環境省と林野庁の検討会が北アルプスや南アルプス,富士山、利尻島、阿蘇山など全国の17ヶ所の地域を世界自然遺産に推薦できる候補地として今後検討して、国内候補地リストを作成後はユネスコに提出といったニュースがありました。世界情勢が不安定な今、世界遺産の意味合いや意義もしっかり考えなければいけない時代だと思います。

布引岳からの鹿島槍ヶ岳:ここからは手にとるような近さで南峰と北峰が背比べをしているようです。(昔は背比べ岳と呼ばれていたというはなしもあります)

ハクサンフウロ:可愛い花や美しい山々を見ていると、戦など想像もつかないんですが・・・


 

NO60 冷池山荘本年の宿泊営業は8月24日(日)迄に変更させて頂きます

2003/03/22 

  今年の北アルプス山麓はいつまでも寒く,朝はまだまだ連日マイナス7度ぐらいまで下がっております。雪解けもなかなかスピードアップしません。黒部ダムなどもいつもの年より雪は多めのようです。入山まで1ヶ月を切りどんどん温度も上がって欲しいものです。そういえばいよいよサクラは長崎、静岡、福岡などで開花したようですね。桜前線の北上が本当に待ち遠しいところです。先日の発表では大町の開花予想は4月23日に変更になりました。このぶんでは次回発表ではさらに遅れるかもしれません。

  ところで皆様には既にお知らせのように今年、来年と冷池山荘の建て替え工事を実施いたします。当初今年の宿泊営業は8月31日(日)まで行うと、このホームページや雑誌上でも申し上げて参りましたが工事工程等を再度検討しましたところ、昨年のような異常に早い大雪も心配されることから1週間前倒しして作業を進めることにしまして、宿泊営業は8月24日(日)までと変更させて頂くことに決めさせていただきました。まことに申し訳ございませんが何卒ご容赦くださいませ。8月25日以後も飲料水・売品・軽食の販売及びトイレ・テント場のご利用は可能です。鹿島槍ヶ岳ピストンの方も五竜岳縦走の方もご留意の上で山行の計画を立案ください。登山仲間の皆さんにもお知らせいただければ幸いです。何卒よろしくお願い申しあげます。皆さんに喜んでいただける山小屋にできるように頑張っていきたいと思っています。

紅葉にうっすらと新雪が積もった9月下旬の冷池山荘。10月へ入ると一晩に50cmぐらいの降雪があっても不思議ではありません。冬の足音を心配しながらの作業になります。

冷池山荘盛夏。本当に夏と呼べるのは1ヶ月ぐらいでしょうか。昨年の初氷はちょっと異常とも言える8/23でした。今年は工事の関係上秋の訪れが遅ければうれしいのですが。


 

NO59 安曇野には美術館が似合う?

2003/03/15

 昨晩7時からのNHKニュースを見終わったら、画面にはなにやら見慣れた山並みが現れて少々ビックリ。女優の真野響子さんが案内する安曇野美術館紀行といった内容の番組でした。ご覧になった方もたくさんおられるのでは。女優、晩秋、北アルプス、美術館、そして安曇野とくれば、どれをとっても絵になります。それにしましても素敵に撮られるものです。プロの方は。こういう番組を見る度に地元に住む人間として幸せに思うのと同時に、番組を見て安曇野に夢を馳せ、訪れる旅人の期待を裏切らないような町づくりをしていかねばといつも思います。豊科から白馬にかけてはたくさんの小さな美術館があります。番組でもおなじみの碌山美術館や安曇野ちひろ美術館などが紹介されていました。

 ちなみに私のおすすめは大町市の南の池田町の池田町立美術館です。東山の中腹に建ち眼前には有明山、常念岳、蝶ヶ岳が聳え、北に目を転ずれば餓鬼岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳、白馬三山が連なります。眼下の安曇野には水田が広がりまもなく田植えを前に一面水が張られることでしょう。安曇野が湖のように変身します。ロケーションの素晴らしさもさることながら展示されている絵にも安曇野や北アルプスを描いたものが多く、地元に住んでいながらも安曇野の良さを再認識させられます。ぜひ皆さんも山からのお帰りにはお立ち寄りください。

大町山岳博物館の前に昨年展望台ができました。博物館も柳沢館長をはじめスタッフの皆さん、いろいろな分野で鋭意研究されています。ぜひお立ち寄りください。(3/13)

大町も“北の安曇野”“仁科の里”“岳のまち”“北アルプス五番街”“黒部ダムの玄関口”とか、キャッチフレーズはいっぱいあるんですが。どれがいいんでしょうか?

安曇野を代表する山。信濃富士とも呼ばれる有明山。比較的雪の多かった今冬でしたが、今は安曇野も雪はすっかり消えて、春の気配が日に日に増しています。(1月)

3月14日もうっすらと北アルプスは黄砂が舞っていたようでした。大町市街地北部は積雪15センチぐらいになりましたが、白馬方面はまだまだ80センチぐらいあります。


 

NO58 3月6日の啓蟄で出てきた虫たちも、再び引っ込む連日の寒さです。

2002/03/10 

 3月に入ってからも寒い日が続く大町です。3/5の朝は最低気温がマイナス13,8℃、今朝もマイナス10℃ぐらいまで下がりました。3/7には南岸低気圧の通過に伴い松本から白馬にかけては大雪になって、大町は久しぶりに37cmのまとまった降雪になりました。まだまだ三寒四温というわけには参りません。五寒二温といったところでしょうか。明朝もマイナス10℃ぐらいまで下がりそうな今夜の冷え込みです。

 ところで先週は第一回のサクラの開花予想が発表になりましたが皆さんの地方はいかがでしたでしょうか?大町は平年より2日早い4/20の予想でした。今年からはサクラの開花予想が、大ハズレだった昨年の教訓から、毎週修正して発表を出すことになりましたが、この寒さでは次回は平年並みといったところでしょうか。それにしましても桜前線の北上が待たれます。

 1/22にも紹介しました大町市観光協会の宣伝キャンペーンのイメージ写真の春バージョンが出来あがりました。今回もまたまた大町に来たくなる、住みたくなってしまうような感じではないでしょうか。既に一部の雑誌や新聞等に掲載されていますし、まもなく三大都市圏のJR主要駅にも貼られます。3/14,15,16にはJRの中吊り広告でも見られるそうです。4月へ入ると今年は7年に1度の善光寺の御開帳もありますのでぜひお参りの後には大町へ足をのばして下さい。私も入山する前にはぜひ参詣して安全登山と今年から二年がかりになる冷池山荘の工事の安全を祈念して 前立本尊様を拝したいと思います。

春の大町市のイメージポスターが仕上がりました。1/22に紹介しました冬のイメージと同じく鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳を中央に北アルプスからの雪解け水と満開のサクラを配したものです。4月下旬からソメイヨシノ、リンゴ、コブシ、オオヤマザクラなどが次々と咲き誇ります。

先週に続いて今日も、所用にて富山市へでかけてきました。途中の白馬村森上からの遠見尾根。ガスさえとれれば五竜岳と鹿島槍も見えるのですが。3/7の大雪で完全に冬に逆戻りです。スキー場はどこもたっぷりの積雪です。(3/10)

先週紹介しました富山県入善町付近も北陸特有の厚い雲に覆われ、雪がパラパラする本日の天候でした。天気さえ良ければご覧のように双耳峰の鹿島槍がはっきりとわかります(中央の電柱の上)。鹿島槍の吊尾根はどこから見てもすぐにわかりますね。ちなみに左の鋭鋒は五竜岳です。(昨年の11月)


 

NO57  三月三日、北陸地方は春一番が吹き荒れました。

2003/03/04  

 昨日は所用で富山市へ行ってきました。富山、長野両県境にに建つ私共の山小屋三軒のうち冷池山荘と新越山荘はわずかながら富山県側にありますので、森林管理署、保健所、消防署などすべて富山県側の管轄になります。そんなわけで富山には度々足を運びます。ちなみにまん中の種池山荘は長野県側にあります。昨日は偶然富山も関東地方同様に春一番が吹き荒れましたが、雨が強かったせいか春一番のもたらす暖かな空気はいまひとつ実感がわきませんでした。でも富山平野はすっかり雪も消えて春近しでした。

 行く度に工事が進む北陸新幹線も形が目に見えてわかるようになってきています。完成の暁には首都圏から剣岳、立山、朝日岳などへ入山するコースどりもかなり変わるのではないでしょうか。私共の場合でも朝、長野新幹線で首都圏から長野駅まで来て、そこから扇沢駅行きの特急バスで入って柏原新道を登ってその日は種池山荘泊まりという方が増えてきています。ところで長野まで新幹線が開通したときにも名称をどうするかで結構大騒ぎになりました。北陸新幹線だ、いや長野新幹線が正解だ、果ては長野行き新幹線だと名称論争が沸き起こりました。最終的には長野新幹線に落ち着きましたが、今回は富山まで延びて来た場合すんなりと北陸新幹線ですよね。きっと。

 さて前回書きました合併問題ですが、富山で買い求めた北日本新聞でちょうど合併特集が組まれており、富山県内も春一番ならぬ大風が吹き荒れているようです。北アルプス最北部の朝日町、宇奈月町は黒部市などと合併する方向で確定?という感じでした。立山をもつ立山町は北隣の剣岳の登山口、馬場島がある上市町及び南隣の薬師岳をもつ大山町などとの山岳連携を目差す合併構想を期待しているようですが、県都富山市などもからんで各町の思惑が複雑にこんがらがっているようです。今迄にも最後の最後へ行って新しい市名で合意できずに破談、ご破算となったケースも多多あったみたいですので合併問題も下駄を履くまでわからないですね。

大町から富山へ向かう途中寄り道して、白馬村の白沢峠に立ち寄りました。ここからの鹿島槍ヶ岳は双耳峰がより鋭く際立ちます。荒天の到来を予想する黒々とした雲に覆われはじめていました。

大町市の木崎湖北部から白馬村、小谷村にかけてはまだまだすごい雪でした。写真の白馬村岩岳スキー場付近は田んぼにもまだ80cm近い残雪です。

北陸自動車道の入善P.Aにはここから見える北アルプス連山の山名を記した案内板がありました。鹿島槍や五竜岳、白馬岳も見えるんですが既に厚い雪雲におおわれていました。

かろうじて朝日岳の北方にある初雪山が望めました。写真の下の高架工事は北陸新幹線です。この辺も富山県独特の周囲を屋敷林で囲った散村(散居)が見られる地域ですがその風景も大きく変わりそうです。

 


 

NO56  北アルプス市へ向けて半歩前進?  

2003/03/01

 弥生三月、いい響きですね。今朝の大町は昨日の春近しを思わせる無風快晴の穏やかな一日から一転小雪の舞う天候です。昼からは小雨模様になってきました。今冬は寒い日が続きました。2月は雪は少なかったんですが、温度が低いので雪消えが遅く、まだまだ市街地北部の我が家の周りの田んぼには20cmほど雪が残っています。でも田んぼの畦もようやく見えてきましたし、大町南部ではすっかり消えてフキノトウも顔をのぞかせ始めているようです。昨年は全国で異常に早いサクラの開花が話題になりましたが今春はどうなるでしょうか。

  さて春は別れと出会いの季節ですが、巷で話題の別れと出会いは合併問題でしょうか。大都会で暮らされている方々には今一つピンとこない方も多いかもしれませんが、長野県内はもとより全国各地で大きな問題になっています。たしか今年中に南アルプスの山梨県側には芦安村などが合併して南アルプス市が誕生するというニュースが昨秋話題になりました。北アルプス北部山麓の大町市と北安曇郡には北から小谷村、白馬村、大町市、美麻村、八坂村、池田町、松川村の7市町村があるんですが、当地でもここへきて大きな問題になってきています。7市町村は今迄も共同で各種事業を進めてきたので、全部で合併すればいいという意見がある一方で、それぞれの歴史風土や、地理上の問題や財政問題やらを考えれば一朝一夕でいかないのもこれまた事実です。

  そんな中で昨日大町市、小谷村、美麻村、八坂村は任意合併協議会を設立することに決めました。でもそれが直ちに合併へ進むなんて状況には無いのは明らかです。白馬村はまだ態度保留中、一番南側に位置する池田町と松川村は合併しない自主独立路線を打ち出してはいるものの、住民の一部には穂高町などと合併して安曇野市を目差そうという意見もあったりで、まだまだいろいろと紆余曲折がありそうです。私個人としては合併はすすめざるをえない状況なのかなという感じですので、できることなら7市町村で一緒にやっていければいいと思ってはいるんですが・・・・・そのときは北アルプス市?北安曇市?はたまた白馬市の誕生でしょうか?

  そういえば、槍ヶ岳、穂高連峰の岐阜県側の登山口、新穂高温泉がある上宝村は高山市などとの合併を進めているんですよね。松本市も上高地や乗鞍のある安曇村にラブコールを送っています。何年後かの北アルプスを取り巻く市町村はどんな感じになっているんでしょうか。登山者や観光客にとってもプラスになるような方向へ進んでほしいですね。ところで富山県内はどうなっているのかな?富山県側の北アルプス山麓も朝日町、宇奈月町、上市町、立山町,大山町、魚津市があるんですが。来週は北アルプス山小屋協会の総会が高山市であるので剣・立山の方に聞いてみます。

今日の雨で雪解けも進みそうです。畦から消え始め一面に黒い部分が広がっていきます。

2月最後の日の午後。西日を受ける鹿島槍の雪面にも心なしか柔らかさを覚えます。(2/28)

まだまだ水ぬるむ春には時間が必要です。もうじきネコヤナギのつぼみが膨らんできそうです。(2/28)

雪の下に冬眠中だった我が家の庭の小便小僧も顔を出しました。


 

NO55 気象台の発表はありませんが、うっすらと黄砂におおわれました。

2003/ 2/18  

 昨日の2月17日は今年になって初めてそれとなく黄砂とわかる黄砂に北アルプスはうっすらとおおわれました。今日の北アルプスはそのせいで少し黒ずんでいました。昨年は私の観測では2月26日が最初でした。でも黄砂って肉眼では、はっきりとわからないけどもっと飛んできているんですよね。きっと。毎年4月中旬に小屋へ上がって除雪機で雪を飛ばした後の雪の断面を見れば、何十もの黄砂と思われる黒い層が見えます。昨年は東アジア全域どころかカリフォルニアにまで飛来するような記録的な黄砂が続いたりしましたが、今年はどうなるでしょうか。黄砂は雪解けのスピードを増してくれるので、ありがたい一面もあります。

 さて明日は二十四節気の一つ雨水ですね。雪も雨に変わる頃です。今冬の大町は寒くまだまだ雪に見舞われそうです。

黄砂で終日かすんでいました。中央に爺ヶ岳。(2/17)

前日の15センチの新雪もあっというまに消えてしまいました。やはり春近しです。(2/17:蓮華岳)

一段ひくい屋根が昭和38年建設部分です。40年余りの思い出とともに今秋にはその歴史をとじる予定です。平成16年夏には新しい小屋での第一歩が始まります。

云わずと知れた、高山植物の女王コマクサ。次から次へと花が開き、息の長い花です。冬の間咲き続けるシクラメンを見ていたら思い浮かんできました。


 

NO54 『百の頂に百の楽しみ』 深田久弥の残した言葉です。

        だれでも自分だけの百の頂、百の楽しみがあるはずです。

2003/2/7

 立春も過ぎ、日も長くなり日差しも気持ちあたたかみを覚えるようになってきました。年明けから今年は鉄腕アトムの生まれた年だとか、映画監督の小津安二郎、作家の小林多喜二、詩人の金子みすゝの生誕百年といった話題がニュースや新聞の端々に出てきます。

 山岳界で忘れてならないのは作家 深田久弥(1903〜1971)の生誕百年とエベレスト登頂50周年でしょうか。エベレストの厳しさは何ら変わりはないはずですが、ガイド登山の隆盛でエベレスト登頂もずいぶんと様変わりしているようですね。一方深田の著した『日本百名山』でも、頂上にアンテナが林立する山、採石が進む山、頂上直下まで車で行ける山など、氏が歩かれた頃とはすっかり変わってしまった山もあります。登山者の数だけでも当時とは比較にならない訳ですが・・・・北アルプスの大自然と永遠に共生していける山小屋づくりをめざしていきたいです。

 登山される方も百名山にこだわらない山登りや、ストックやアイゼンで植物を傷つけない、お花畑の中へ入って写真は撮らない等々ぜひ実践していって下さい。最近はゴミの持ち帰りや宿泊予約をしていただける方が増えたり、いろいろな意味でお客様の意識も高まってきておりうれしい限りです。下界ではマナーレス社会がよく云われますが山の上へはやって来てほしくないものです。

岩小屋沢岳からはどっしりとした鹿島槍ヶ岳が望める。中央に五竜岳、左奥に白馬岳と百名山が連なる。手前のなだらかな尾根とは対照的な急峻な稜線が続く後立山連峰の核心部だ。

同じく岩小屋沢岳から西に目を転ずれば、黒部峡谷をはさんで剣岳・立山連峰の3000m級の山々が聳え立つ。まさに北アルプスの醍醐味だ。さらに南へ足を進めて赤沢岳まで行くと同じく百名山の薬師岳が黒部ダム越しに美しい。

地元、大町高校の校章にもなっているシラネアオイ。とてもやわらかな透きとおるような花びらの短い命はいさぎよい。

昭和16年の冷池小屋。後ろに立つのが初代の柏原長寿。戦時中は訪れる登山者も数十人だったとか。深田久弥が鹿島槍ヶ岳の頂に立ったのは昭和18年とのことです。


 

NO53 2月を迎えてすっかり日も長くなってきました

2003/2/1

 

早二月。春山の計画に、そしてちょっと早いですが気持ちは夏山へとうずうずとされ始めていらしゃる方もおられるのではないでしょうか。時間はたっぷりありますので地図やガイドブックとしっかり格闘研究なさって下さい。

それにしましても連日寒い日が続く信州です。大町は12/18から今朝まで連続の冬日(最低気温が0℃以下)です。真冬日(一日中気温がマイナス)も今冬はもう22日ありました。最低気温がマイナス10℃以下の日も10日間とよく冷え込んでいます。雪も3年続きで多いです。その前は暖冬傾向が長く続きましたが、気象を数十年の周期で考えれば、寒冬の周期にでも入ってきたのでしょうか。今回の寒波では高知市でもマイナス4℃以下になったとか、島根県ではあちこちで水道管が凍結して破裂して自衛隊の給水車が出動といったニュースがありました。まだまだ寒さも続きそうですね。インフルエンザもピークはこれからのようですのでお気をつけ下さい。

北アルプスの降雪量も半端ではありませんが、小屋の建物に悪い影響や被害をあたえるのは、これから先の雪です。これから先、特に3月は雪少なくして晴れ間多ければ、雪解けも早くなり小屋や登山道の被害等も少なくなってくれるんですが。

年賀状の整理をしました。仕事柄、山の写真やスケッチのごあいさつをお客様からのものも含めて沢山いただきます。上は昨年の冷池山荘のスタッフ YURIちゃんからのものです。忙しいシーズン中のほんの束の間の息抜きの時間でしょうか。みんな山が大好きだから、小屋の生活が好きだから、みんながんばってくれてありがとう。

今は種池山荘も厚い雪の中に埋もれ、じっと耐えています。周囲の雪が完全に消えてご覧のチングルマやコバイケイソウに埋めつくされるのは、まだまだ半年も先のことです。

我が家(大町市街地の北側)の物置の雪下ろしをしました。75pの積雪がありました。今冬は例年なら雪の少ない松本なども多く、雪下ろし中の転落事故が多いようです。(1/31)


NO52 寒中お見舞い申し上げます

2003/1/22

 

大寒も過ぎいよいよこれからが寒さの本番です。今朝も大町はマイナス13℃ぐらいまで下がりました。皆さんの住んでいらっしゃるところはいかがでしょうか。雪はこのところあまり降っていません。ただし今夜からはまとまった雪になりそうです。降るときに降ってもらわないとあまりいいことはないですからね。ところで皆さんの中には下のポスターや写真をご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?大町市観光協会が冬のスキー客や観光客の誘客のために広告会社に依頼して製作した大町市の冬のイメージポスターです。1月中ごろから首都圏、名古屋圏、大阪圏などのJR駅構内などに貼られたり、一部雑誌などに掲載されています。『人が澄む』をキャッチフレーズに霧氷と鹿島槍、爺ヶ岳を配した文字どおり澄んだイメージのさわやかな、そして温かみも感じられるいいポスターです。観光客だけでなく実際に大町市に住んでみたいと思う方もいらっしゃるのでは。この後4月には桜を配した春のイメージのものも出されます。2月には、おおまち雪祭りと銘うって鹿島槍スキー場や大町温泉郷・大町市内でかまくら祭りやいろんなイベントも催されます。ぜひスキーや温泉にお越しになっていただき、冬の雄大な北アルプスを堪能していただきたいと思います。今年は4月から5月にかけては7年に一度の善光寺のご本尊が公開される御開帳もあります。長野市から大町市へはオリンピック道路で50分ほどです。日に日に雪が融けて、桜の向こうに北アルプスの雪形が見頃になるころです。今からぜひご計画に入れていただき桜花爛漫、そしてコブシの花ついで新緑におおわれて春真っ盛りの北アルプス山麓大町へお越しになってください。

夏山へ向けて冬の間に体力づくりをされる方も多いと思いますが、全国的にインフルエンザが猛威をふるっているようですのでご自愛くださいませ。


 
NO51 諏訪湖には御神渡り(おみわたり)も出現。今冬はよく冷え込みます。
2003/1/18

信州諏訪湖には5年ぶりに氷がひびわれてせり上がり、道筋ができる御神渡りが現れました。諏訪大社上社の男神が下社の女神に会いに行くと言われている氷の道です。今冬長野県内がよく冷え込んでいる証拠でしょう。来週には早、大寒の到来。1月ももう18日です。あっという間です。あまりの早さに気ばかりあせって慌てふためいております。今年は冷池山荘の工事を計画しているので、その準備もいろいろと進めていかねばならないのに・・・。トイレを含む環境対策が今回の最重要課題です。1/15発売の山と渓谷2月号の特集「山のトイレを考える」でも取り上げていますが、今や避けて通れない問題です。私共の3軒の山小屋でも新越山荘は平成12年にミカレットシステムという燃焼処理方式を設置して現地で完全に処理しています。人によっては屎尿を化石燃料で処理をするのはおかしいなどと申す方もおられますが、1シーズンの屎尿全量を300リットルの灯油でバケツ一杯の灰に処理してくれるこの方式は素晴らしいものと考えています。今回の冷池山荘は新越山荘より規模が大きく、宿泊者のみならずテント、通過の人も多いので、考慮の結果リンフォース社製のサンレットシステムを導入しようと考えております。この方法については偶然に山と渓谷2月号に詳しく紹介されていますので興味のある方はぜひご覧になって下さい。早ければ今シーズン中にも利用可能になればと思っています。特集では市毛良枝さんのお話ものっていますが、いろんな点でしっかりと現状を認識されているいいお話です。山を取り巻く問題はそれこそ山のようにあります。皆で大いに考えていきたいものです。

 

大町市の東隣の美麻村:新行集落からの北アルプス。この景色にあこがれた新住民の方も増えています(1/17)

新行から見る蓮華岳は大町市街地からよりとんがって見えます。ここからは大町市街地からは見えない針の木岳やスバリ岳も右側に見えます。

大町より200mほど高い新行集落からは、爺ヶ岳も目線の高さで見える感じです。南峰は東尾根の向こう側に見えます(1/17)

今冬はとにかく冷え込みます。朝は12月から連日マイナス5度からマイナス16度まで下がっています。我が家の窓ガラスも連日ごらんのとおりです。

年が明けて夏のご予約もいただくようになってきました。皆さん雪解けを心待ちにされているんでしょうね。でももう少し山も冬眠させてください(5月の蓮華岳と針の木岳)

四国や九州からは連日のように梅の開花が伝わってきます。大町は例年4月に入ってからです。鹿島槍で一番先にピンクの花をつけるのはムラサキヤシオツツジです。


 

NO50 明けましておめでとうございます

2003/ 1/ 8 

ちょっと遅くなってしまいましたが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。同じ後立山連峰の唐松岳では正月登山で2パーティの3名が遭難死という残念なニュースがありびっくりしました。年末年始は下界から眺めているぶんには、ものすごい荒れ模様というイメージが少なかっただけに。でも昨夜も乗鞍岳で遭難騒動があって、無事に下山されたパーティの方がインタビューに答えられた話を聞いていると、私が考えていた以上に風雪ともに強かったようです。とにかく本年も安全登山を第一に山にかかわっていきたいと思います。

本年は9月より営業を休んで冷池山荘の建て替え工事着手を計画しております。おいおい詳細はお知らせしていきたいと思っております。なお種池山荘と新越山荘は例年どおりの営業です。何卒よろしくお願い申し上げます。ちなみに今年は未年(羊)、カモシカは漢字で書くと羚。まさに羊年ってカモシカの年のことですね。いい年であってほしいものです。

初春の朝日に輝く鹿島槍と五竜岳。この朝はマイナス14.2度まで下がりました。(1/7:三日町より)

大町市街地の東側を流れる農具川からは川霧がわきたち幻想的な光景でした(1/7)

雲海の下にあって、大町市街地からは隠れていた北アルプスも、大町温泉郷の近くまで来たらごらんのとおり(1/8)

高瀬渓谷の葛温泉の北に聳える北葛岳。静かな山です(1/8:野口より)

大町温泉郷から大谷原へ向かう途中の源汲集落。後方の山は爺ヶ岳の前衛峰:白沢天狗岳(1/8)

大谷原付近からの鹿島槍。年明け後初めて2日続きの晴天になりました(1/8)