▲▲ 2010 / 7月 ▲▲

(ホーム) (山荘案内) (コース) (花地図) (最新情報) (今までの情報)

 

NO 767  太平洋高気圧も一服。

2010  7/ 29(木)

   7/18の鹿島槍ヶ岳の梅雨明けから12日目。太平洋高気圧の勢いにもかげりが出て、終日の雨降りになりました。昨日までの11日間は“梅雨明け十日”の格言どおりの好天がつづき、太平洋高気圧も大車輪の活躍でしたが、さすがに息切れ気味のようですね。長い間ほんとうに頑張ってくれました。明日ももう一日すっきりしない、雨混じりのお天気になりそうですが、この二日間でふたたび体力を蓄えてあさっての31日(土)以降はまたまた本領を発揮してくれそうです。今回の雨で高山植物も山肌の緑もさらに輝きを増しそうです。 

  なお7月最終日の31日(土)はお天気も良くなりそうとのことで、冷池山荘と種池山荘は定員超えの入り込みで混みあいそうです。また次週末の8/6(金)から8/8(日)はシーズン前半では一番のにぎわいになりそうです。そのあとお盆にかけてはご予約少ないですので、今週末および次週末にこれからご計画の方はぜひともお盆週間へスライドしてお越しいただければたいへんありがたいです。なにとぞよろしくお願いを申し上げます。(写真は7/29雨と霧の種池山荘にて)

NO 766  昨日の夕立はいいおしめりに。

2010  7/ 27(火) A.M

   昨日午後の夕立は夕方までには回復して、今日は朝からさらにスッキリとした夏空が広がっています。久しぶりの雨で木々もお花も、人間同様にのどを潤したようです。おしめりは生き物だけでなく登山道にとっても好影響です。昨 昼までは埃っぽく、小石がざらざらして、路面の石も浮き加減になってしまっていましたが、この雨で文字通り『雨降って地固まる』状態になって、とても歩きやすくなりました。雨が降れば、登山道が壊れるようなイメージの方が大半かと思いますが、適度な雨は登山道の保守や安全、登山者の滑落防止にもつながる大切なものです。

  先日も書きましたが、“雷三日”の格言のとおり、雷は数日続く可能性があります。登山中はいつでも雲の動き、空の色、遠くで聞こえる雷の音等に常に心研ぎ澄まして注意して、とにかく午後の早い段階に 山小屋へ到着するようにすることを心がけましょう。

昨日の夕立で緑もより鮮やかに!今日も朝から絶好の夏日和。鹿島槍吊り尾根の残雪も美しい。冷池山荘2階の客室から望む鹿島槍ヶ岳2889m。(7/27:AM8:00)

7/26PM3:00雷雲過ぎ、西から明るさ戻る。 その後回復。爺ヶ岳頂上の左に虹が出る。(7/26)
チングルマの綿毛もうるおう。(7/25) アカモノの花も葉っぱも鮮やかです。(7/25)
 

 

NO 765  秋のお花もちらほら。

2010  7/ 26(月) P.M

   7月もいよいよ今週一週間を残すのみになってしまいました。本日は午前中の晴天が一転、午後2時ごろから1時間以上にわたって待望? の夕立がありました。7/18の梅雨明け後は連日の晴天で、カラカラ気味でしたのでそろそろ一雨が欲しかったというのが本音です。高山植物たちにとっても、小屋の水場にとってもうれしい雨です。気温もさあっと下がりまさに一服の清涼剤です。雷はこわいけどこれからは時々夕立がほしいのも偽らざる心境です。お客様には最新情報の欄にも常に書いておりますが、早出早着を心がけていただき山小屋にはできるだけ早くに、何とか2時ごろまでには到着するようにしていただきたいものです。

   さて主稜線のいわゆる “お花畑” は、残雪が20日から一週間ぐらい前までには消えて、どんどんと夏のお花たちが咲きだしています。先陣をきるのはいつもミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、ミヤマキンバイなどですが、それに続いてハクサンボウフウやヨツバシオガマなども咲きだしています。もう少しすればそこに盛夏の代表でもあるハクサンフウロやクルマユリなども加わってくれます。ひとくちに“お花畑”といってもいろんな地形、いろんな地質、気象条件等によっていろいろな種類の“お花畑”があります。コマクサのように単独でつくる“お花畑”もあれば、いろいろなお花がそれこそ百花繚乱状態の“お花畑”まで千差万別です。何度も岳へ足を運んでいただき、いろんな時期のいろんな“お花畑”を知っていただき、満喫していただきたいものです。また岳の上は7月、8月になっても残雪があったり、また秋の訪れも下界には比較にならないくらい早いので、真夏の最盛期でもいわゆる“春の花”から“秋の花”まで一堂に会することもまったくふしぎでありません。今日現在でも雪が消えてしばらくたったところでは、5月の中旬には咲きだすショウジョウバカマがようやく開花しているものもあります。また一方の場所では“秋のお花”の代表でもある、オヤマトリカブトも咲きだしています。種池山荘前のチングルマ畑だって、もう満開の場所もあれば、芽吹きの真最中のもの、これから芽吹きを迎えるもの等いろいろです。場所によってはそれこそもう花を落とし綿毛状態になっているチングルマもあります。お花の名前ももっともっと覚えたいし、そのお花の個性というものももっと知りたいものですね。またどう探してもその山では見つからない、生えてないお花も何種類もあるものです。いつの日にか、高山植物図鑑でしか見たことのないお花たちにも逢いにあちこちの山へ出かける時間をつくりたいものです。なかなかむずかしいかなあ・・・

“秋の花”オヤマトリカブトが入道雲と爺ヶ岳と背くらべ。 『花の命は結構長い〜』なんてCMも昔ありましたが・・・・ タカネバラの短い命は散り際も美しい。
チングルマは花を落としても可愛いですね。 シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンボウフウ等の夏の代表的お花畑。

なんでこんなに華やかな花がこんなに厳しい岳に咲くんでしょうか。ハクサンチドリ。 私が子供の頃、一番最初に印象に残ったアオノツガザクラ。

天気

◎7/18の北アルプス北部の梅雨明け以降は7/26のお昼過ぎまで、びっくりするほどの好天が続いています。朝夕は青空が広がり、日中はガスがかかる時間帯もある夏山の典型的なお天気です。

◎朝の最低気温は13度ぐらい、最高気温も2 2度ぐらいまで上がっています。 やや肌寒い日などは朝の最低気温10度ぐらいの日もあり、Tシャツ一枚では寒い日もあります。薄手のジャンパーをお持ちになるか、雨がっぱでの代用でもOKでしょう。

◎7/18の梅雨明け後、7/25まで雷雨はありませんでしたが、 本日7/26は午後2時ごろから1時間ほど梅雨明け後初の夕立になり、結構強く降る時間帯もありました。今後も夏山シーズン中は常に雷や夕立に注意しなければなりません。夕立の通過は早くその後は夕方にかけてお天気 は回復です。

◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

◎主稜線のお花畑の雪もほぼ消えて、消えた周囲からはあらゆる夏のお花がどんどんと咲きだしています。お花畑のいちばんの見頃は例年7月最終週から8月第一週にかけてです が、今年はやや遅れ気味の感じがいたします。 お盆頃までしっかりと楽しめそうです。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラ、コケモモ 、チングルマ、ハクサンボウフウ、エゾシオガマ、ヨツバシオガマ、ニガナ、モミジカラマツ、ハクサンチドリ、ハクサンフウロ、etcどんどん咲きだしています。

◎一方では早咲きのミヤマコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマコゴメグサ、ヤマハハコ、ミヤマトリカブトといった秋系の花もちらほら咲きだしています。

◎種池山荘前の残雪もなくなり、早く雪の消えたところからチングルマやアオノツガザクラが咲きだしています。またみなさんお楽しみのコバイケイソウ は一部で開花しましたが、今年はどうやらちょっとだけ花をつけておしまいのようです。

登山ルート等の状況(7/26現在)

鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も海の日3連休中も皆さん支障なく縦走されています。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

◎柏原新道は上部のアザミ沢とガラバに残雪がありますが、問題はありません。落石や滑落に注意してガラバはサッと通過しましょう。

◎赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転滑落に注意してください。また落石にもご注意ください。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りてください。

◎新越山荘方面はところどころに残雪がありますが、問題はありません。残雪から夏山登山道に移るところが凍っているので気をつけましょう。

◎針の木大雪渓は最上部針ノ木小屋直下の夏山登山道が約400m現れて、安心して通行できるようになりました。それより下部は残雪がまだ 1キロぐらいに渡ってたっぷりあり、夏山の大雪渓歩きを堪能できます。心配な方は軽アイゼン、ストック等お持ち になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時は転ばぬようご注意ください。

◎針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだの残雪はなくなりました。

◎雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。 また大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

アドバイスや注意

◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。 またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。

◎梅雨が明けて本格的な夏山到来! 今度は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。日中の暑さ等に対する備えもしっかりとお願いします。 日焼け止め、サングラス、帽子、水分補給等にご注意ください。

◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

混雑状況(7/26現在)

◎今週末7/31(土)は冷池山荘と種池山荘で定員に達しそうな感じです。このあとも週末にかけて、お天気続けば混みあいそうです。 新越山荘はご予約少ないです。

◎ そのあとは8/7(土)の週末がかなり混みあいそうな感じです。3つの山荘とも定員を超える入りこみになるものと思われます。

◎また例年お盆シリーズはあまり込み合いません。お盆がシーズン中に一番混雑したのは25年以上前のことです。今年も今のところ 一番ご予約をいただいている日でも冷池山荘の8/14の60名様ほどです。大きな混雑にはならないと思われます。ぜひご計画くださいませ。

◎長野県下恒例の中学校の集団登山の日程ですが、 100人以上の中学校の宿泊日は種池山荘が7/27(火)、8/31(火)、冷池山荘が7/27(火)です。いずれもやや混みあいますので他の日をおすすめいたします。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。

 

NO 764  まさに “梅雨明け十日” の好天が続きます。

2010  7/ 26(月)

   7/18(日)の鹿島槍ヶ岳周辺の梅雨明けから今日26日で9日目、まさに“梅雨明け十日”の格言どおりの絶好のお天気が続いています。下界では猛烈な雷雨等に襲われているところもあるようですが、鹿島槍ヶ岳周辺 では梅雨明け後は今日お昼まではまったく夕立もなく、最高の登山日和が続いています。下界の猛暑も岳の上では、昨日などは朝夕は肌寒さを覚えるぐらいの涼しさです。 昨日の夕方は写真を撮っていても寒さに鼻水が出る始末です。先日もご紹介いたしましたが、今夏は例年になく夕焼けの素晴らしい日が多く、とにかく最高の“梅雨明け十日”です。でもそんな中でちょっと不思議なのが、お客さまの入込が今ひとつ少ないことでしょうか。鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は残雪の心配もまったくないんですが・・・・ とにかく今週末からの お客様の入り込みに期待です。針ノ木小屋から針ノ木岳頂上間の残雪もほぼ消えて心配はなくなりました。お花もどんどん咲きだしていますので、下界の猛暑から脱出してぜひとも北アルプスへお出かけください。

寒気に伴う秋の雲や、秋の象徴でもある黒部側の雲海も現れた7/25

の夕暮れ。日中も爽やかな風が稜線を渡りました。(7/25 冷乗越にて)

朝からさわやかな初秋の空が広がる。(7/25) 午後になると鹿島槍上空には夏の雲が湧く(7/25)

NO 763  お花たちが待っています。

2010  7/ 23(金)

   遅れ気味だった雪融け等の影響で、稜線のお花たちは開花が1週間ほど遅れ気味な感じです。ただこのところの温度上昇続きで、その遅れも徐々に取り戻していくかもしれません。どちらにしましても8月中旬までいろいろなお花たちが、いろいろな場所で皆さんを待っていてくれるはずです。何年も山にいても、今まで気づかなかったお花があったりするものです。私も今まで逢ったことがなかったお花と今年もひとつ出会いました。皆さんもいろんな花たちと会えればいいですね。夏の花のような華やかさはないかもしれませんが、秋のお花たちもまた素敵です。お盆を過ぎてからでも、9月に入ってからでもいろんなお花がやっぱり待っていてくれるはずです。ぜひとも今シーズンは機会をつくってみてください。

  さて岳は梅雨明け後、今のところ夕立はありませんが、いつあっても不思議ではありません。とにかくできるだけ早くに小屋へ到着するようにいたしましょう。また半そで、半ズボンで手足が真っ赤になって、軽いやけどに近いような方を見受けるのもこの時期です。日焼け対策や熱中症対策等にも十分な配慮をお願いいたします。海の日3連休が終わったばかりと思っていたら、もう明日は土曜日。例年海の日連休の次週末はかなり混みあいますが、今週末はかなり余裕のある入り込みになりそうな感じです。

今年の梅雨明け後は夕焼けもなかなかです。

今年のコバイケイソウはちらほら。 種池山荘前も周りからチングルマ咲きだす。

ショウジョウバカマとチングルマの芽吹き。 下部ではチングルマ咲きだす。黒く枯れたようなところはこれから芽吹きが始まるチングルマ。

NO 762 登山日和はスイカ日和。

2010  7/ 23(金)

   7/18の“梅雨明け”から連日の晴天が続く鹿島槍ヶ岳周辺です。7月前半は雨模様の日が多く、スタッフも外でお茶を楽しむなんて気にはとてもなりませんでした。ましてスイカを食べようなんて気には、とてもとても・・・・ 7月初旬のヘリ荷揚げで上がったあと、ちょっとやっかいもの? にもなりつつあった大きなスイカ君でした。そんなスイカ君にも大きな出番が・・・・ いよいよスイカが似合う季節がやってきました。美味しいスイカをたらふく食べてスタッフも多忙な7月末からのトップシーズンをまえにひと時のリフレッシュです。新越山荘通過のお客様にもおすそ分けをして大好評でした。下界は連日の猛暑日、稜線を渡るさわやかな風が恋しい季節になってきましたね。

山の上だってスイカ割りがぴったりの季節到来です。 そろいの“楽天カラー”のスタッフ Tシャツで気合入れてがんばりまっす!
 

 

NO 761  “梅雨明け十日”

2009  7/ 21(水)

   私どもの山小屋スタッフでも、若い人を中心に“梅雨明け十日”といった言葉を知らない人が多い。まあそれもここ数年の梅雨明けが宣言されなかったり、宣言してもその後も雨ばっかり・・・なんて年がちょくちょくあればそれも仕方ないでしょうか。でも今年はそんな懸念を払拭してくれそうな、好天が続いています。つい先日までの長雨や各地での集中豪雨が幻のような素晴らしい夏空が、7/18以降連日続いています。このあとも何日間ぐらいこの好天が続いてくれるか、楽しみとともに超期待です。    

  海の日3連休は初日の17日こそ、昼過ぎに雨がぱらぱらする時間帯がありましたが、2日目、3日目と尻上がりにお天気もよくなり、ようやく動き出したお客さまたちも大満足の連休になったようです。私は北アルプス北部の梅雨明け平均は7/24頃と思っているのですが、それよりかなり早い18日の梅雨明けで、私自身も気合も乗ってきた感じです。またスタッフもベテランから新人まで皆がんばって3連休を乗りきることができてモチベーションも高まってきた感じです。5月、6月の不順な天候で雪融けがやや遅れ気味だった関係で、登山者の入り込みもお花の咲きだしかたも若干遅れ気の感じでしたが、梅雨明けを境に登山者の入り込みもお花の咲き出しも全開しそうな気配です。残雪と青空と緑の山と沸き立つ雲、そして足元には可憐なお花の数々・・・  北アルプスのもっとも輝く季節はまだ始まったばかりです。

   ところで“梅雨明け十日”もそうですが、“雷三日”という言葉も知らない方が最近は多いようです。両方とも山好きの方にとっては、とても大事な格言ですね。(写真は絶好のお天気が続く梅雨明け後の光景です)

種池山荘のベンチに座ってこの大観。最高のごほうびですね。 日帰りでは味わえない、小屋やテントに泊まった方だけが手にする瞬間。
鹿島槍ヶ岳好日。頂上では終日歓声が飛びかったことでしょう。 3連休中は多くの登山者が爺ヶ岳稜線を行き交いました。

針ノ木岳と大雪渓。左側の鞍部が針ノ木小屋がある針ノ木峠。雪渓歩きも夏山の醍醐味! 種池山荘へ今季最初の学校登山。小川中学校の皆さんがさわやかな汗をかきつつ元気に到着です

天気

◎北アルプス北部も7/18には梅雨明けしたようです。その後は連日晴天が続いています。朝夕は青空が広がり、日中はガスがかかる時間帯もある夏山の典型的なお天気です。朝の最低気温は11度ぐらい、最高気温も20度ぐらいまで上がっています。

◎今のところ雷雨はありませんが、これからは常に雷や夕立に注意しなければなりません。

◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

◎主稜線のお花畑の雪もほぼ消えて、消えた周囲からはあらゆる夏のお花がどんどんと咲きだしています。お花畑のいちばんの見頃は例年7月最終週から8月第一週にかけてです が、今年はやや遅れ気味の感じがいたします。 お盆頃までしっかりと楽しめそうです。シナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラ、コケモモなどがどんどん咲きだしています。

◎種池山荘前の残雪もほぼなくなり、早く雪の消えたところからチングルマが咲きだしています。またみなさんお楽しみのコバイケイソウ は一部で開花しましたが、今年はどうやらちょっとだけ花をつけておしまいのようです。

登山ルート等の状況(7/21現在)

◎鹿島槍ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も海の日3連休中も皆さん支障なく縦走されています。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は、鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

◎柏原新道は上部のアザミ沢とガラバに残雪がありますが、問題はありません。落石や滑落に注意してガラバはサッと通過しましょう。

◎新越山荘方面はところどころに残雪がありますが、問題はありません。残雪から夏山登山道に移るところが凍っているので気をつけましょう。

◎針の木大雪渓は最上部針ノ木小屋直下の夏山登山道が約400m現れて、安心して通行できるようになりました。それより下部は残雪がまだ 1キロぐらいに渡ってたっぷりあります。不安な方は軽アイゼン、ストック等お持ち になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時はご注意ください。

◎針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだには3箇所ほど雪渓が残っており、雪渓上を斜上します。針ノ木小屋スタッフがカットしていますので注意して通行すれば問題はありません。こちらも心配な方は軽アイゼン等をお持ちください。

◎雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。 また大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

アドバイスや注意

◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。 またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。

◎梅雨が明けて本格的な夏山到来! 今度は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。日中の暑さ等に対する備えもしっかりとお願いします。 日焼け止め、サングラス、帽子、水分補給等にご注意ください。

◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

混雑状況(7/ 15現在)

◎今週末7/24(土)のご予約は総じて少なめで、私どもの3つの山荘とも7/15現在では定員の半分以下のご予約数です。3つの小屋とも 大きな混雑にはならないと思われます。

◎ シーズン前半のピークは7/31(土)と8/7(土)の週末になりそうな感じです。3つの山荘とも定員近い入りこみになるものと思われます。

◎また例年お盆シリーズはあまり込み合いません。お盆がシーズン中に一番混雑したのは25年以上前のことです。今年も今のところ大きな混雑にはならないと思われます。

◎長野県下恒例の中学校の集団登山の日程ですが、 100人以上の中学校の宿泊日は種池山荘が7/21(水),7/22(木),7/27(火)、冷池山荘が7/27(火)です。いずれもやや混みあいますので他の日をおすすめいたします。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。

 

NO 760  北アルプス北部も梅雨明けのようです。

2009  7/ 18(日)

  今朝の空や、日中のガスの湧き立ち方を見ていても、と゛うやら梅雨明けのようです。一昨日まではまったく登山者の動きがなかった新越山荘でも昨日からはようやく勢いも出てきて、お客様の歓声が飛び交うようになり、活気づいてきました。やっと本当の夏山シーズンの幕開けのようです。

NO 759 久しぶりの青空も、午後には・・・

2009  7/ 16(金)

   今朝の晴天も長続きはせず、午後には雲厚くなり夕方近くからはまたまた雷雨です。本日も各地で梅雨末期の集中豪雨等による大きな被害が発生していますが、この3連休中も梅雨前線こそ北上しつつありますが、大気の状態の不安定さは変わらずの状況にあります。北アルプス北部や北陸ももうしばらくは同様と思われますので、突然の天候の急変や雷、落石等には最大限の注意をはらっていただきたいと思います。

連休を前にスタッフも鋭気を養う。(新越山荘7/16) 針ノ木雪渓はまだたっぷりの残雪です。(7/16)

早朝にはやや薄いガスが流れていましたが・・・ そのガスもとれるとご覧の青空に。(冷池山荘7/16)

入山後最高のお天気に新しいスタッフも大満足! 新越山荘の2階からも剱岳とご対面。(7/16)

NO 758  一週間ぶりのの青空。

2009  7/ 16(金)

   先週の土曜日10日の夜から降り出した雨は、今日の未明までほぼ一週間降り続きましたが、ようやく今朝には上がり、今日は朝から久しぶりの青空が鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺にも広がっています。やまない雨がないことはわかっているのですが、梅雨時とはいえこれだけ長く続くと少々心配でした。今週初めの天気予報のとおりに今週末から来週明けにかけては、全国各地で梅雨明け宣言も出そうな感じになってきましたね。海の日3連休を前にして明るいニュース、兆候です。ただしもう数日は大気の状態が不安定なようですので、北アルプス北部の梅雨明けはもうしばらくはおあずけでしょうか。3連休中も雷雨や突然の雨も十分に考えられますので、まだまだ安定感には欠けるかと思われます。ご来山いただきますお客様には、雨の時間帯もあることをお含み置きいただいてお越し頂きたいと思います。そして来週の予想気圧配置を見てみると20日、21日あたりには太平洋高気圧が本州近くまでどっと張り出してきそうです。その頃には北アルプス北部もきっと安定した夏の青空が広がってくれるものと期待しております。そうなればいつもよりやや早めの梅雨明けになりそうな感じです。またここ一週間の雨量は総雨量で250ミリ以上になりましたが、鹿島槍ヶ岳周辺では比較的平均的に降ったので全国各地で発生しているような被害は今のところ報告されていません。

ようやく夏が見えてきました。(7/16) 昨夜の種池山荘はお客さまもゼロ。スタッフのみで夏空到来を祝う!(7/16)

種池山荘前では、夏空到来をコバイケイソウも開花して祝福!(7/16) 種池山荘前の雪田の消えたところからチングルマも開花です。(7/16)

天気

◎7/16(金)は久しぶりの青空が広がっています(最低温度10度)が、3連休中はまだまだ大気の状態は不安定なようです。雨への対応や備えはしっかりとお願いします。安定した夏空が続くようになるのはもう少し先のようです。

◎雨続きで雪田の雪もどんどんと消えて、消えた周囲からはあらゆる夏のお花がどんどんと咲きだしています。お花畑のいちばんの見頃は7月最終週から8月第一週にかけてです。

◎種池山荘前の残雪もどんどんと小さくなってきており、周囲では早咲きのチングルマやアオノツガザクラなどが咲きだしています。またみなさんお楽しみのコバイケイソウも一部で花をつけだしています。期待できそうです。

登山ルート等の状況

◎針の木大雪渓の雪はまだたっぷりあります。7/12現在最上部の針ノ木小屋直下の夏道 もまだ姿を見せていないようです。大沢小屋から30分ぐらい登ったあたりから針ノ木小屋までずっと雪の上を歩きますので、不安な方は軽アイゼン、ストック等お持ち になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時はご注意ください。

◎針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだにも大きな雪渓が残っており、雪渓上をトラバース気味に斜上します。針ノ木小屋スタッフがカットしていますので注意して通行すれば問題はありません。こちらも心配な方は軽アイゼン等をお持ちください。

◎雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。 また大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

アドバイスや注意

◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。 またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。

◎梅雨が明ければ本格的な夏山到来! 今度は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。日中の暑さ等に対する備えもしっかりとお願いします。

混雑状況(7/ 15現在)

◎今週末7/17(土)からの海の日3連休ですが、あくまでもお天気次第ですが、17日(土)の冷池山荘 はやや込み合うくらい、そして18日(日)は定員近くまでいきそうなご予約状況です。種池山荘も17日(土)はやや込み合いそうですが、18日はご予約少ないです。新越山荘は両日ともに30人ほどのご予約でそれほどの混みかたはないと思われます。とにかくお天気次第です。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。

NO 757  今週末は早くも海の日3連休。

2009  7/ 12(月)

   梅雨空が続く鹿島槍ヶ岳周辺です。昨日から今日にかけては100ミリを超えるまとまった雨量を記録しています。梅雨入りしてから少したったころには、ややもすれば空梅雨気味かななんて思ったときもありましたが、どうやらそれは違ったようでそれなりの雨量に達しているようです。とにかく降るときに降ってもらって、そしてしっかりと明けてもらい夏空到来というのが理想の形です。しかも今夜あたりの天気予報では、今週末以降は太平洋高気圧が徐々に強まり、各地で梅雨明け宣言も出そう? なんて泣いて喜ぶようなコメントも聞かれました。太平洋高気圧のガンバリに大いに期待です。

  梅雨末期の集中豪雨が各地であったり、残雪多めの情報? それとも参院選挙やサッカーWカップ等の影響か? 今夏山シーズン入りの出鼻はすっかりくじかれた感じで、7月入りの登山者の入り込みはいたって低調に始まりました。そんななかようやく梅雨明けへ向けて一筋の光明も射してきたようでうれしいかぎりです。海の日3連休からはようやく稜線を行き交う人も増えそうな気配です。

冷池山荘の庭にもミヤマキンポウゲ咲きだす。(7/10) どんよりとした梅雨空の午後。ベンチを暖めてくれる人もまだまだ少ない今年のシーズン入り。7/10
赤岩尾根の最上部のトラバースの残雪も残りわずかに。登山道も全部現れました。(7/10) 種池山荘前の雪田の下にはまだチングルマが眠っています。(7/10)

種池山荘へ最後の登り。枯れ草が日に日に青味を帯びてくるころ。(7/10)

枯れ草を消していくコバイケイソウの芽吹き。昨年はまあまあ花をつけて楽しませてくれました。

 

天気

◎土曜日から梅雨らしい天気が続いています。11日から12日昼にかけては小屋で100ミリを超えるまとまった雨量になりました。

◎梅雨 どきは肌寒い日も結構多いのが常ですが、今年は割りに温度は高めの感じで推移していて、日中は18度近くまで上がる日が多かった7月入りでした。しかし11日12日とやや肌寒く朝は 7度ぐらい、日中も12度程までしか上がらず梅雨寒といったところです。

◎NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

 

◎稜線の風衝帯では ミヤマダイコンソウ、ミヤマキンバイ、ハクサンイチゲなどが咲き誇り、気をつけなければ見落としてしまうミネズオウやコメバツガザクラ、コケモモなどの超小低木の花々も可愛いです。樹林帯などの湿ったところではシラネアオイ、キヌガサソウ、エンレイソウ、サンカヨウなどの大型の花が咲き誇っています。

◎小屋の周りではナナカマドの白い花が満開です。夏に大きなお花畑になるような場所では雪の早く消えた場所から早咲きのミヤマキンポウゲやシナノキンバイ、チングルマなどが少しずつ咲き出しています。

◎柏原新道の中間帯では林床に白色のマイズルソウ、ミツバオウレン、ツマトリソウ、ゴゼンタチバナなどが咲き、ピンク色のイワカガミやイワナシが色を添えています。

◎種池山荘前のチングルマのお花畑は、まだまだ残雪の下にあり、周囲の雪の消えたところからはコバイケイソウがどんどんと芽を吹き出しています。今年は花を付けてくれるでしょうかね?

 

登山ルート等の状況

◎柏原新道は上部のアザミ沢とガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので気をつけて通行すれば問題ありません。ガラバ付近では落石に注意してサッと通過してください。赤岩尾根は登山道上の雪はすべてなくなりました。

◎鹿島槍ヶ岳ピストンに関しては種池山荘前と冷池テント場の先に残雪が残っていますが、問題はありません。残雪の上から夏道に移るときにバランスを崩さぬよう気をつけてください。

◎種池山荘〜新越山荘間は所々に残雪が残っていますので、谷側に寄らずに山側を歩いて下さい

◎針の木大雪渓の雪はまだたっぷりあります。7/12現在最上部の針ノ木小屋直下の夏道 もまだ姿を見せていないようです。大沢小屋から30分ぐらい登ったあたりから針ノ木小屋までずっと雪の上を歩きますので、不安な方は軽アイゼン、ストック等お持ち になってください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時はご注意ください。

◎針ノ木小屋から針ノ木岳のあいだにも大きな雪渓が残っており、雪渓上をトラバース気味に斜上します。針ノ木小屋スタッフがカットしていますので注意して通行すれば問題はありません。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は特に支障はないようです。 ただし鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

◎雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。 また大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

 

アドバイスや注意

◎いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。 またインターネット等に発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。

◎過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

◎梅雨明けまではもうしばらく時間がかかりそうです。梅雨前線の動きをしっかりと把握して天気を判断して、無理な行動はなさらないようお願いします。また天候の急変に伴って温度も急変します。 雨ガッパは良質のものを備えましょう。

◎夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。

 

混雑状況(7/ 12現在)

◎今週末7/17(土)からの海の日3連休ですが、12日現在の予約状況からは、18日(日)の冷池山荘 がやや込み合うくらいで、ほかはどの小屋も大混雑にはならないと思われます。週中以降に発表される3連休の予想天気次第と思われます。 お天気がいいようなら 一気に直前予約も増えると思われますが、それでも18日(日)の冷池山荘以外はそれほどの混雑にはならないと思われます。

◎梅雨明けがまだ見えてこない状況ですので、お盆前は海の日3連休を含めて各山荘ともご予約はあまり増えていません。今後の梅雨明け次第では一気にご予約も増えるものと思われます。 シーズン前半のピークは7/31(土)か8/7(土)の週末になりそうな感じです。

◎長野県下恒例の中学校の集団登山の日程ですが、 100人以上の中学校の宿泊日は種池山荘が7/21(水),7/22(木),7/27(火)、冷池山荘が7/27(火)です。いずれもやや混みあいますので他の日をおすすめいたします。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

◎ご予約をお願いいたします。お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。定員を超えるとお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。

NO 756  無事にヒナがかえりました。

2010  7/  9(金)

   今年も元気にライチョウのヒナがかえり始めました。10月の雪が降り始める頃には親鳥と同じぐらいの大きさにまで成長します。まだまだ朝晩は肌寒い日もある北アルプス、たっぷりの羽毛におおわれて雨風にも耐えていきます。皆で守っていかなければならない北アルプスの至宝ですね。今朝道直しに行く途中の初顔合わせ、元気がわいてきます。

NO 755  岳でも下界でも“ゲリラ豪雨”には要注意ですね。

2010  7/  9(金)

   梅雨前線の影響や、北からは寒気の南下、南からは湿った大気の流入やらで、全国各地で大雨や“ゲリラ豪雨”が発生しています。今週は大町でも7/6、7/7と夕方から夜半にかけて“ゲリラ豪雨”が発生して市街地でも小被害が出たりしました。山の上でさいわいにいずれも少しだけ降っただけで、大した降水量にはなりませんでした。ただし運よく降らなかっただけで、一歩間違えたなら集中豪雨になっていたかもしれません。とにかく“ゲリラ豪雨”ですから、ゲリラのごとくどこへ出没しても不思議ではありません。雷にも要注意です!

  山の上では今週は明け方から昼頃までは好天に恵まれ、午後はガスの時間帯が多くなり、時おり雨がパラパラという似かよったお天気が続いた1週間になりました。本日も同様の天気で日中はもったお天気も夕方からは雨降りになっています。おかげで今週は2回目のヘリ荷揚げも無事完了、7月中の物資はすべて荷揚げすることができほっとしているところです。また登山道上の残雪も日に日に確実に少なくなってきており、遅れ気味の雪融け情報や多目の残雪情報で7月に入っても登山者の姿が少なかった周辺ですが、天気も梅雨時にあっては比較的安定していたこともあり、お客さまもようやく動き出した感もあります。鹿島槍ヶ岳周辺では赤岩尾根の登山道上の残雪もすべてなくなりましたし、柏原新道でも例年7月になっても残っている2箇所だけの残雪になりました。主稜線に残る残雪については、平らな場所での残雪ですので注意して通行すれば問題ありません。またお客さま情報では五竜岳〜鹿島槍ヶ岳間も特に支障のある箇所はないとのことです。

  また針ノ木岳頂上から針ノ木小屋にかけての登山道はまだ雪渓の下ですが、針ノ木小屋のスタッフの皆さんがカットして下さっていますので、ストック等でバランスよく通行してください。また針ノ木大雪渓上部の斜度もまだやや急ですので心配な方は軽アイゼン等をお持ちになることをおすすめいたします。梅雨入りしてまもなく一ヶ月になり、そろそろ梅雨明けも話題にのぼる頃ですが、北アルプス北部の梅雨明けは北陸地方や新潟県が明けなければだめです。長野県が梅雨明け宣言してもあまり関係ありません。また昨年のように7/14に関東甲信地方は梅雨明け宣言が出たもののその後もまったくお天気よくならず、ぬか喜びの大はずれなんて年もありました。今年も梅雨明けには一喜一憂しそうですね。(写真は7/7〜7/8)

今夏こそ新越山荘から針ノ木岳を目指すぞ! 新越山荘の庭の雪も消えて道標も据えました。 このところ連日朝は剱岳との対面から始まります。
新越山荘の夏山物資も全部届けてもらいました。 真っ白なハクサンイチゲが可憐です。 先日までは人影まばらだった種池山荘にも少しずつ活気が・・・

針ノ木岳〜針ノ木小屋の間の雪渓。カットした道が見える。

針ノ木岳。

NO 754  久々に青空が広がりました。

2010  7/  5(月)

   先週はすっかり梅雨モードになり、梅雨空が続いた1週間でしたが、週明けの今日は 梅雨前線の南下とともに、昨日までのまとまった雨も上がり朝からスッキリとした青空が久々に頭上に広がりました。7月入り最初の週末もお天気パッとせず、お客様の動きもたいへん鈍かったですが、これから徐々に入り込みも増えてくるものと期待しております。九州地方は梅雨末期のような連日の大雨に見舞われて大変ですが、北アルプスも今後の適度な雨量とその後の順調な梅雨明けが待たれるこのごろです。主稜線では雪田の消えたところから徐々にシナノキンバイやミヤマキンポウゲなど、夏のお花畑をいろどるお花も咲き出してきています。小屋の周りではミネザクラのお花見もほぼ終わり近くになり、今はナナカマドの白い花が見頃を迎えつつあります。

新越山荘へ移動してから一番の好天です。今日は窓も全開で気持ちよく仕事もできます。(7/5) 新越山荘周辺の登山道上にはご覧の雪庇の名残が各所に残っています。(7/5)
お客さまはまだ誰一人見えず。スタッフ全員でお待ちしています。(7/5) 2階の談話室からの剱岳、立山連峰も久々にスッキリです。(7/5)

ホーム    最新情報