▲▲ 2007 / 9月 ▲▲

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NO373   初霜と初氷到来。

  2007/ 9/ 27(木)

   9/25には北海道の大雪山系や十勝岳で初雪、初冠雪が観測されましたが、翌朝の9/26(水)朝は北アルプスも冷え込み、当方の山小屋でも初霜と初氷を観測しました。昨年の初氷が9/25でしたのでほぼ同じです。ただ全般的には冷え込みはまだ弱く、紅葉のスピードは上がりません。種池平周辺でまだまだ3分から4分ぐらいの色づきです。冷池山荘周辺はさらに遅めでまだ色づき始めたというところです。昨年の種池平周辺の紅葉のピークは9/29頃、冷池山荘周辺は10/2頃でしたので、それと比べてもかなり遅れているようです。この分ですと体育の日連休以降まで主稜線付近の紅葉は楽しめそうです。

   昨日、本日といい天気になりました。明日は前線南下に伴い少しくずれそうですが、土日はまあまあのようです。


降霜の季節へ。

種池平から爺ヶ岳。

種池平のミネカエデと鹿島槍。

種池平と剱立山連峰。

色づき始めた冷池山荘周辺

冷池山荘からの鹿島槍ヶ岳。

NO372   安定した秋空が続いています。

  2007/ 9/ 20(木)

   敬老の日連休後はさらにさわやかな秋空が連日続いてい る鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺です。このあとも比較的安定した天候が続きそうですので、秋分の日3連休も期待できそうな感じです。予約状況は9/22(土)の種池山荘がかなり混み合いそうですので、比較的ご予約の少ない冷池山荘をご利用していただければさいわいです。また9/23(日)は冷池山荘がご予約多くなっており、かなり混み合いそうですので、種池山荘を利用されたほうがゆっくりとできると思います。また早いもので新越山荘はこの3連休にて今季の営業は終了になります。9/24(月)のご宿泊までOKですので、どうぞ最後のご利用をお待ち申し上げます。

NO371   やや遅れ気味に? 紅葉前線スタート。

  2007/ 9/ 18(火)

   表題に“やや遅れ気味”と書きましたが、最近ではそれが普通のように感じるようになってきた紅葉前線の進み具合。今年も従来の昔の感覚からいけば遅めといったイメージなんですが、当ホームページの過去情報を見ると、ほぼ昨年も一昨年も同じようなスピードで進み出しているようですね。これも地球温暖化の影響でしょうか。

   とにもかくにも今年も紅葉前線の幕がきって下ろされました。敬老の日3連休のあいだに2450m〜2600mの斜面がうっすらと色づき始めました。 今秋は今のところやや温度高めで、朝の冷え込みも今ひとつの感じです。さらに今週は夏型の天気が復活して全国的にも温度高めの予想ですので、紅葉前線も一気に加速することはなさそうです。紅葉の色づきを増すためには適度な冷え込みが欲しいところなんですが・・・   今度の秋分の日3連休には小屋のある主稜線は二分、三分 ぐらいの色づきにはなり、いよいよ本格的な紅葉漫歩が楽しめるようになることと思います。 写真は昨日撮った紅葉の人気スポット、種池平と柏原新道上部斜面に当る爺ヶ岳の南西斜面です。


NO370   台風の影響もなく、なかなかの敬老の日3連休でした。

  2007/ 9/ 17(月)

    期待の三大連休の第一弾は台風11号の影響が心配されましたが、ほとんど影響もなく初秋の北アルプスを満喫するにはもってこいの3日間になりました。 15日に続き16日も日中は晴天、初秋の青空が広がった鹿島槍ヶ岳周辺でした。雨は9/16の夕方から今日9/17の未明にかけて少し降りましたが、さしたる雨量にはならず明け方にはみごとな星空になりオリオン座がとても輝いていました。朝焼けも素晴らしく、日中も台風からの吹き返しの風がやや強いものの、雨は少しだけパラッとしたぐらいでカッパもまったく着ることもありませんでした。台風の進路等が気がかりの3連休だっただけに、皆さん大、大、大満足の山行を楽しまれたことと思います 。写真は雲がやや多いものの視界はばっちりの本日9/17のものです。


太陽が昇る位置よりかなり南の方がピンクに染まりました。

冷池山荘からの爺ヶ岳。手前のナナカマドも染まる。

鹿島槍ヶ岳頂上にはガスがまとわるも、喝采の声が上がる。

台風の影響か、灰色の雲が剱立山に覆い被ろうとする。

風強く信州側のガスは稜線より高く上がれない。鹿島槍ヶ岳。

NO369   秋の三大連休は最高のお天気でスタートしました。

  2007/ 9/ 15(土)

    3連休初日は予想通りの秋空が広がった鹿島槍ヶ岳上空です。台風11号の発生、北上で昨晩の冷池山荘のお客様は10数名さまだけ。今朝の冴え渡った秋空に、皆さん満面の笑みを浮かべながらのご出発でした。連休初日の今日も台風の影響でキャンセルがかなりでましたが、登ってこられるお客様には素晴らしいお天気に恵まれたことを心からお喜び申し上げるだけです。なんとか明日も台風の影響がでず、お天気が持ちますように。とにかく秋の三大連休のいの一番、幸先いいスタートをきれて良かったです。写真は今朝7時の冷池山荘からです。


冷池山荘のサンテラスから剱立山を望む。さわやかな朝です。(9/15)

空も山も心も、何もかもが澄み渡る朝。凝立する鹿島槍ヶ岳(9/15)

NO368   無粋なやつの無粋なタイミングでの登場ですが・・・・

  2007/ 9/ 14(金)

    『3連休初日の15日(土)の予報も今夜あたり(9/12夜のこと)の週間予報では、晴れマークに変わってきましたので、少しぐらいの雨もあるかもしれませんが、3連休はまあまあ期待していいのかなあ・・・ なんて思っています。どちらにしましても微妙に変化する季節です。直前まで天気予報はしっかりとご確認をお願いいたします。 』 なんて水曜日に書いたら、昨夜の天気予報ではいきなり台風11号が沖縄東方に出現してしまいました。そして山の上も本日朝方は秋雨前線の北上や、南方からの湿った大気の流入に伴って少し雨が降りましたが、お昼にかけて 小雨も上がり午後には上空に青空も見え隠れしてきています。予報では明日は秋雨前線も日本海中部まで北上するようですので、お天気も期待できそうです。3連休の後半は台風11号からの湿った空気の流入プラス日本海に停滞する秋雨前線の活動で、いくらか影響もでるかもしれません。  結局は9/12の更新内容と同じような内容になってしまいました。

    台風でなくとも雨は降ります。秋の3連休も、このあともまだ2回ありますし、紅葉の本番もまだまだこの先ですので、お天気が心配な方は山行も先延ばしされるのがよろしいかと思います。紅葉は今まさに始まろうとしているところです。 写真は今週の好天の光景、こんなお天気が3連休中も続いてほしいですね。


右が剱、左が立山。皆さん!山の名前を覚えて下さいね。

もちろん鹿島槍ヶ岳です。どこから見てもわかる双耳峰。

雲と戯れる一日、ぜいたくな時間です。

今度は針ノ木岳上空に“コンコルド”が飛来。そう見えませんか?

正面左側の針ノ木雪渓はもう少しだけ残雪があります。

ナナカマドも紅葉前線のスタートラインにつきました。

NO367   秋雨前線の活動もさほどでは・・・

  2007/ 9/ 12(水)

   秋雨 前線の活動や動き次第で、お天気も微妙に変化する、気象予報士泣かせの季節ですが、意外といい天気の時間が多いように感じるこの頃です。昨日9/11も午前中は最高の秋空が広がりました。午後には雨もぱらつき出し、本日の朝方まで降り続きましたが、その後はふたたび急速に回復して今日は午後にかけて、またまたしっとりとした素晴らしい青空が上空を占めました。明日も秋雨前線から離れた北陸方面は良さそうですので、登山日和が期待できそうです。また3連休初日の15日(土)の予報も今夜あたりの週間予報では、晴れマークに変わってきましたので、少しぐらいの雨もあるかもしれませんが、3連休はまあまあ期待していいのかなあ・・・ なんて思っています。どちらにしましても微妙に変化する季節です。直前まで天気予報はしっかりとご確認をお願いいたします。 写真は本日の雨上がりの初秋の午後のひとときです。


種池平からの剱立山連峰。

種池平草紅葉と安曇野上空は秋の気配。

秋の雲と夏の雲が混在。鹿島槍ヶ岳。

変幻自在の秋の雲。爺ヶ岳。(冷池山荘)

明日の好天を期待、暮れ行く立山(新越山荘)

鳴沢岳から岩小屋沢岳と雲包む爺ヶ岳

NO366   まだまだ頑張るハクサンフウロ。

  2007/ 9/ 10(月)

   ミヤマアキノキリンソウ、ヤマハハコ、タテヤマアザミ、ミヤマシシウド、ミヤマトリカブト、トウヤクリンドウ、ミヤマコウゾリナ、オヤマリンドウ、ミヤマリンドウ等々の秋の花もピークを過ぎまもなく幕を閉じようとしています。そんな中でまだまだ頑張って、ひとり気を吐いている夏の花がハクサンフウロです。夏の最盛期に一緒にお花畑を彩ったクルマユリやウサギギク、ミヤマキンポウゲといった花々がとうに去った今、ハクサンフウロの息の長さに感激するとともに、既に舞台から去った花々がほんとうに懐かしくなってきます。されど9月もすでに中旬入り、主役は斜面を彩る紅葉や赤味を日に日に増す木の実でしょうか。ところどころの点から始まった紅葉、黄葉、橙葉が面に変わるのももうじきです。


ウラシマツツジが緋毛氈を敷く。

ミヤマダイコンソウも紅葉で、も一度舞台へ。

ハクサンフウロとミヤマアキノキリンソウ。

トウヤクリンドウも見納めへ。

葉も落ちて赤い実だけになる頃には雪が舞う。

綿毛舞いだすチングルマは紅葉も楽しみ。

NO365   さあ今度の週末は秋の三大連休の第一弾!

  2007/ 9/ 10(月)

   先週末は台風9号の余波でキャンセルもでて、お客様も当初の予想よりもかなりすくなくなってしまいました。そんな先週末の土曜日は台風一過の秋空を期待したのですが、早朝こそよかったものその後は終日に渡ってガスに包まれるあいにくのお天気になってしまいました。まあ日差しのない分、皆さん快調に小屋へ到着されたようで、足元の小さい秋や名残の花々にもすっかり元気付けられたようでした。そして9/9(日)は朝からの快晴、みごとな秋空が富士山上空までつながりました。ただあ朝の冷え込みは今ひとつ、本格的な大陸育ちの高気圧ではないようです。案の定午後には再びガス沸き立ち小雨もぱらつくようなお天気になり、本日10日も同様のお天気になっています。  

   しばらくは南の湿った大気が入りやすい状態が続くようで週間予報も雨マークが目立っているような状態ですね。なんとか今週末の敬老の日3連休にお日様マークがずらずらと並ぶのを期待するのみです。お天気良ければ冷池山荘は土日ともに定員に達する入り込みになると思われますし、種池山荘も金土曜日とかなり混みあうと思われます。紅葉の進み具合については9/2のNO.359でもご報告しましたが、今のところ大きな変化はなさそうです。9/29の週末あたりが小屋のある2300〜2400m台はいちばんの見頃になるものと思われます。写真は昨日9/9(日)の新越街道でのものです。


初秋の静寂のなか、明け行く五竜、唐松、白馬連峰。

数日前、雨の中立った槍ヶ岳も今朝はおだやか。

山肌染める朝日を浴び新越山荘をいざ出発。正面に赤沢岳。

針ノ木岳をめざして南下する。右に赤牛岳、左は野口五郎。

手に取るように近い新越街道からの剱立山には誰もが感激。

岩小屋沢岳からの鹿島槍ヶ岳が好きです。

NO364   西鎌尾根を北アルプスの盟主槍ヶ岳へ。

  2007/ 9/ 7(金)

   北アルプス山小屋協会の研修登山の皆さんと別れてからは北アルプスの盟主たる槍ヶ岳をめざして暑い日差しの下をもくもくと長い稜線歩きです。台風が近づいていることもありすれ違う登山者もほとんどありません。後立山方面は中間に雲が沸き立ち垣間見ることはできませんでしたが、裏銀座や奥黒部の山々、槍穂高の峰峰を360度に配しての縦走はやはり北アルプスの醍醐味 、そしてまだまだ咲きほこるイワギキョウやミネウスユキソウ、イブキジャコウソウ、タカネヤハズハハコも思う存分ひとり占めの最高の縦走でした。槍ヶ岳直下でそれまでの秋空がまさに急転直下したのだけは ちょっと残念でしたが、台風が近づいている所以、いたしかたないことです。こちらも久しぶりだった西鎌尾根を十二分に満喫いたしました。 槍ヶ岳山荘で一服させていただいた後は今宵の宿南岳小屋をめざして濃いガスと小雨の中を一直線。ときどきライチョウが出迎えてくれます。

   南岳小屋では研修登山でも一緒で、先行して小屋へ戻られた坂本支配人にバイオトイレの状況や風力発電、北アルプスブロードバンドネットワークの状況等を教えていただいたり見させていただき大変勉強になるとともに、大いに今後の取り組みへの参考になりました。 南岳小屋は坂本支配人のもと、槍穂高縦走最大の要衝“大キレット”を押さえるにふさわしい落ち着きと重みを兼ね備えた山小屋でした。翌日も台風の影響はまだ小さいうちに、2000年に開通した南岳新道を通って槍平小屋を経て新穂高温泉へ下山しました。 南岳新道もぜひ通ってみたかっただけに、念願がかないました。かなりの急登、急峻ゆえ今後も道直し等もかなりの労力と時間が必要と思いますが、南岳小屋、槍平小屋の皆さんをはじめ関係者の皆さんにはよろしくお願い申し上げる次第であります。

   こうして私の研修登山も終了いたしましたが、毎年研修登山等に行くたびに北アルプスの山小屋の横のつながりの重要性を再認識する一方です。今後も各山小屋で鋭意努力、切磋琢磨するのはもちろんのこと、手を携え情報交換しながらおたがいを高めていきたいものです。   


双六池から笠ヶ岳と抜戸岳を振り返る。(9/5)

鷲羽岳、三俣蓮華岳方面。中奥に薬師岳。

硫黄尾根の向こうに野口五郎岳、鷲羽岳。最奥に水晶岳。

長い西鎌尾根と北アルプスの最深部奥黒部の山々を振り返る。

槍の穂先がどんどんと大きくなる。肩の小屋までもう少し。

こんな日は風力発電が元気な南岳小屋。(9/5)

NO363   槍穂高を眼前にした、のどかな稜線歩きが魅力の笠ヶ岳〜双六岳 間。

  2007/ 9/ 7(金)

   北アルプス山小屋協会の研修登山 は2日目の9/5も好天に恵まれ、笠ヶ岳に別れを告げたあとは往路を再び抜戸岳へ、さらに弓折岳まで縦走をして鏡平山荘を経てわさび平小屋へと下山して無事終了いたしました。 私は北アルプス南部は鹿島槍ヶ岳など北部の山々より秋の訪れが一週間近く遅いという感覚を持っていましたが、やはり草紅葉の色付きぐあいからも、緑の濃さからもその感覚は間違ってはいないようです。コバイケイソウの葉の黄化もこれからが本番です。稜線はミヤマリンドウが多く、今が満開です。私は鏡平山荘のトイレ工事の進捗状況を拝見してから皆さんとは別れて再び主稜線にもどり、双六小屋、西鎌尾根とたどってオプションで槍ヶ岳へと向かいました。 鏡平山荘には初めてお伺いいたしましたが、槍穂高の姿を映す池に囲まれてひっそりとたたずむその姿は、北アルプスの稜線に建つ山小屋とはまったく雰囲気が違い、たいへん落ち着いたたたずまいでした。ぜひまたいつの日にか足を運びたいものです。   


笠ヶ岳も鹿島槍同様秀麗なる山容ですね。(9/5)

秩父岩の奇岩と奥穂高、西穂高連峰。

秩父平からの双六岳はおだやかな表情。

台風到来を暗示するかのように槍ヶ岳を隠す。

池が点在する鏡平は絶好のロケーション。

鏡平から樅沢岳、西鎌尾根方面。(9/5)

NO362   天候にも恵まれ、初秋の笠ヶ岳は最高!でした。

  2007/ 9/ 7(金)

   今週は恒例の北アルプス山小屋協会の研修登山があり、私も4年続きで参加して参りました。おりしも台風9号の進路をにらみながらの山行になりましたが、9/4、5と両日ともに好天に恵まれ素晴らしい秋空の下、ややもすると暑いくらいの中、飛騨の名峰笠ヶ岳をめざしました。新穂高温泉〜笠新道〜杓子平〜抜戸岳〜笠ヶ岳コースを歩み、笠ヶ岳山荘にて一泊お世話になりました。同夜は研修というよりは、夏山シーズンのご苦労会、笠ヶ岳登頂のお祝いを兼ねた交流会で盛り上がりました。そのへんは一般の登山者の皆さんと私どもも何ら変わりはありません。“研修”については、参加山小屋経営者や支配人の皆さんが山行中やお世話になった笠ヶ岳山荘でいろいろ気づいたり参考になることが見つかれば大成功です。私も道直しの方法や小屋の施設やソフトの点で大いに参考にさせていただきたい点が見つかり、大いに有意義な2日間になりました。今回の研修登山を計画してくださった飛騨山小屋友交会の皆さんと笠ヶ岳山荘の滋野オーナーとスタッフのみなさんには感謝申し上げます。

   笠ヶ岳山荘は小屋内のお掃除がすみずみまで行き届き、すべての施設がコンパクトに、実に使いやすい配置になっておりスタッフにとってもお客様にとってもたいへん利用しやすい山小屋に思えました。オーナーの息子さんも今年から小屋で働かれており、これからがますます楽しみな山小屋です。私にとっては30年ぶりの笠ヶ岳への再訪、当時は40キロを超えるキスリングを背負っての冬山合宿で、重い、きついで周辺の素晴らしい景色もあまり目に入らない山行でしたが、今回は笠ヶ岳からの“大展望”をしっかりと目にやきつけてきました。


抜戸岳からの笠ヶ岳。30年ぶりの感動。やっぱり山はいい(9/4)

大きな岩塊に囲まれた笠ヶ岳山荘から頂上は10分ほど。

コンパクトかつゆったりの笠ヶ岳山荘玄関。

槍穂高連峰に夜が明ける。左に槍ヶ岳、右に奥穂高。(9/5)

笠ヶ岳のシルエットが“影笠” を飛騨市方面につくる。

オーナーの滋野さん親子と紅一点朝日小屋の清水ゆかりさん。

NO361   今週末は、台風一過の秋空を乞うご期待。

  2007/ 9/ 7(金)

   台風が本州中部を南から北へと抜けるときは、どうも高い山脈を避ける傾向があるようで、今回も台風9号はその“目” をぱっと見開きながら、富士山はもちろんのこと1500m級の伊豆半島や丹沢山地、その後も2000m級の奥多摩や奥秩父の山々や浅間山などを避け るようにその東側を進み、関東平野から東北山地へと進路を取ったようです。そのためそれらの山々の東側斜面、ようするに関東平野西部は大雨になったようですね。それらの山々を越えた 、強い雨雲の一部は軽井沢周辺でも大雨や強風をもたらしたようですが、それらの山々にブロックされた長野県西部はおかげさまでさほどの影響はありませんでした。標高の高い北アルプスは当然もう少し雨風は強かったわけですが、やはりさほどではありませんでした。雨量は9/5夕方の降り出しから今朝までに冷池山荘で約 90ミリですので、登山道や登山口までの林道等に被害が出るような総雨量ではないと思われます。今日も昼現在まだ風強いですが、雨は弱くなってきています。

   今回の台風9号の影響で今週末もキャンセル続出で昨晩の冷池山荘のご宿泊はお一人様だけ、種池山荘も3人様だけでした。今夜は明日の台風一過を期待されたお客様も何人か登られますが、何とか期待通りの秋空が広がってほしいものです。また一歩秋へと歩を進めた北アルプスがたおやかな姿を見せてくれるはずです。


タカネスイバも草黄葉進む。後方に針ノ木岳(新越山荘より9/4)

9/4、5と好天続きました。新越山荘より剱岳と黒部雲海。

なぜか“槍ヶ岳”このあとまもなく台風の影響で雨降りに・・ (9/5)

南岳小屋より2000年開通の南岳新道を下る。(9/6am

まだ台風の影響小さく、笠ヶ岳の左奥には白山を望む。(9/6am)

霧雨の中南岳新道を槍平小屋をめざして一気に下る。(9/6)

NO360   台風とのお付き合いの季節が始まりますね。

  2007/ 9/ 3(月)

   昨日午後の雨はたいしたことはなく、今日も朝の内には多かった雲も次第に消え去り、日中は温度も上がりまあまあのお天気になりました。ただ夕方6時ごろから7時ごろにかけてはかなり強い夕立になりました。 明日、あさってもまあまあのお天気のようですが、夕立には注意が必要でしょう。その後は台風の進路によって予想も大きく変わることでしょう。早く通り過ぎて行ってほしいものですね。

   草黄葉は日に日に進み、コバイケイソウはどんどん黄色くなっていってます。チングルマの綿毛も舞い出し、草付き斜面の雰囲気は樹林帯より一足先に秋山モードへまっしぐらという感じです。8月中は連日混みあった冷池山荘も敬老の日3連休までの平日は、お客様も30名様ぐらいでゆっくりとしていただいております。それぞれ静寂のなか、初秋の鹿島槍ヶ岳を楽しまれております。   


冷池山荘より、ナナカマドと爺ヶ岳(9/3)

扇沢を眼下に草黄葉広がる。(9/3)

コバイケイソウも黄色というより赤茶色へ。(9/3)

チングルマと遠く下には柏原新道が見える。

ミヤマリンドウはいつもこの時期に咲き出す。

NO359   名実ともに秋山シーズンがスタート。

  2007/ 9/ 2(日)

   昨日9/1は 前日、前々日の雨も上がり絶好の青空が広がりました。9月の声とともに青空の表現も夏空というよりはもう秋空といったほうがいいぐらいに爽やかな鹿島槍ヶ岳上空でした。前日の雨の中を登ってこられたお客様は、それは大喜びで出発されました。お天気ばかりは時のあやでいたしかたないものですが、自称“晴れ男”、“晴れ女”がきっと大量出現されたことでしょう。私どもも雨続きで順延になっていたヘリコプターの荷上げ作業がつつがなく実施できてほっと一息、肩の荷もおりました。

   本日9/2は朝の内は下の写真のような高曇りといった感じでしたが、昼前からはパラパラしだしています。どちらにしましても、秋雨前線も停滞していますので、これからは秋雨前線にらみプラス台風の進路にらみの季節になっていくことでしょう。もう日中の気温も稜線で20度を超えることはほとんどありません。最高気温10度程度の日も出てきていますし、先日も書きましたが、もう初霜や初氷などもいつ来たって不思議でない時期です。雨合羽の上着で代用もできますが、長袖のフリースや薄手のジャンパー等は必ず欲しい季節です。

   草紅葉やウラシマツジの色具合、稜線の木々の葉っぱの感じ等を見ると、今のところは紅葉もほぼ平年並みのスピードで進行しそうです。主稜線では敬老の日連休ごろにはうっすらと色づき始めて、秋分の日連休ごろには4分ぐらいの色づき、9/29の最終土曜日から10月頭にかけて絶頂期を迎えるものと思われます。ただ最近はやや遅れ気味の傾向があるので、数日の遅れはあるでしょう。この後の適度な雨と適度な冷え込みで、今年もきっと素敵な紅葉シーンを繰り広げてくれることでしょう。


最高のお天気の中9月分の荷上げも完了して安心です(9/1)

朝の温度は5度。肌寒くなりました。

雲海に浮かぶ浅間山に朝日がさす。

もはやナナカマドも夏の色ではありません(9/1)

冷池の周囲の風情も初秋のものへ・・・(9/2)

どんよりした空も、昼前からは雨降りへ (9/2)