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NO550  シラネアオイ咲きほこる。

2009  6/ 30(火)

  新越山荘から明日からの7月到来を祝うかのごとくのシラネアオイ繚乱の写真をお届けいたします。写真のようにまだまだ小屋の周囲は残雪も多いのですが、消えたところから夏の花がちらほらと咲き出しました。この時季いちばん目立つのは紫色の大輪、シラネアオイ。今年はなかなか花の付き具合もいいようです。

  長く続いた梅雨の中休みもようやく一段落、昨日の午後遅くから今朝まで25ミリほどの雨になりましたが、その雨も日中は上がりまあまあのお天気になった6月最終日でした。新越山荘も先週末は今季最初のお客様をお迎えして、名実ともに今季のスタートを切ることができました。スタッフ一同9月下旬の小屋閉めまで頑張りますので、皆さんにはどんどんお出かけいただきたいと思います。

  九州北部では大雨で大きな被害が出ておりますが、北アルプスでもこれからがいよいよ梅雨の本盤です。被害が出るような激しい降り方だけは避けてほしいものですね。雨上がりのしっとりとしたシラネアオイに元気をもらって、明日からの7月突入です。

 

NO 549  鹿島槍ヶ岳 花街道の序章を飾るハクサンイチゲ。

2009  6 /  26(金) 

  梅雨の中休みが週末まで続きそうですね。布引岳〜鹿島槍ヶ岳では先陣をきってハクサンイチゲが満開を迎えようとしています。8月のイワオウギやタカネツメクサ、シコタンソウなどの開花までいろいろなお花たちが今年も楽しませてくれそうです。

鹿島槍“ハクサンイチゲ街道”。(6/26)

布引岳より残雪豊富な鹿島槍ヶ岳。

ハクサンイチゲと劒岳。

とても清潔感あふれる白色。(6/26)

 

NO 548  連日の晴天は夏山へのいざない。

2009  6 /  25(木) 

  週初めの大雨、その後の晴天続きで雪融けもここへきて再加速です。鹿島槍ヶ岳から布引岳間ではハクサンイチゲも咲き出し、日に日に夏山の様相が漂いはじめてきました。冷池テント場から先はしばらく雪渓が残っていますので、雪の上はもちろんのこと雪の上から夏道に下りる際に滑らないように注意しなければなりません。この雪が消えれば7月下旬には大きなお花畑へと変身です。

夏山モードただよう梅雨の中休み。(6/25)

冷池の雪も残りわずかになりました。(6/25)

 

NO547   新越山荘の小屋開け作業も順調に。

2009  6/ 24(水)

  6月21日に種池より移動して小屋明けをした新越山荘ですが、スタッフ全員の頑張りと昨日そして本日の恵まれた天候もあって作業は順調に進んでいます。男性陣は外作業を中心に、女性陣は中の整理や掃除を担当。慣れたスタッフも多くいたってスムーズに進み、応援にきた冷池山荘や種池山荘のスタッフは今日までに全員それぞれの小屋へ引き上げました。昨日は待望のヘリ荷揚げ作業も無事にすみ、食料品や燃料、雑貨、事務用品などとスタッフ各人の着替えなども上がり皆安堵の一日でした。またまとまった雨もあり生活用水も早々に確保することができラッキーでした。

  当初の予定では7月1日からの営業開始予定ですが、準備も荷揚げも順調に進みましたので、営業も前倒しして今週末の6月27日(土)から仮営業を開始しようと思います。ただ写真で見ていただいてもわかりますように、山荘周辺をはじめとして種池山荘から岩小屋沢岳間、針ノ木岳方面はまだ登山道上にかなりの残雪があります。当方も新越山荘から南側の針ノ木岳方面の現地確認はできておりません。また針ノ木小屋もまだ小屋開け入山しておりません。写真で見ても針ノ木岳頂上〜針ノ木小屋間、針ノ木雪渓は相当に雪があります。いずれもアイゼン、ピッケル等の冬山装備と技術、的確なルートファインディングができる方でなければお勧めできません。

 

NO 546  午前中の強風も終わってみれば最高の一日でした。

2009  6 /  23(火) 

  今日は夏山シーズン入り最初の本格的ヘリ荷揚げ作業の一日。昨日、一昨日と続いた大雨も今朝は梅雨前線も南下して、思わぬ晴天になりました。ただし朝から風が強くて強くて、とても荷揚げ作業ができるような安定した天候になかなかなりません。今日は午後遅くにならないと風もやまないのかなと、不安な気持ちになりかけていたところ、お昼ごろからにわかに風も弱まりヘリがフライトできる安定した天候へと変わりました。おかげで延期も覚悟していた荷揚げ作業もその後は順調に進み、予定していた30回近いフライトを無事に終えることができました。ヘリポートで早朝から夕方近くまで3つの小屋への荷物の仕分けや、荷造りに追われた一日でしたが、とにもかくにも梅雨のさなかにも関わらず、予定通りに終了してひと安心。しぶとく粘ってくださったヘリのクルーの皆さんにに感謝申し上げる次第であります。また関係業者の皆さんとスタッフに感謝です。

忍の一字。10mを超える強風に苦しんだ午前中がうそのように、午後は回復へ。

2ヶ月間の仕事を終え、下山してきた除雪機の一台。3台の除雪機にもいつもながら感謝感謝。

 

NO 545  最高の梅雨の中晴れ。サクラ満開に酔う。

2009  6 /  23(火) 

  夏至も過ぎましたが、北アルプスの稜線は今も春真っ盛り。冷池の雪融け待ち続けたクロサンショウウオは産卵の季節を迎え、卵を産み付けにやってきています。そして冷池山荘周辺のミネザクラは満開近しです。まさに晩春から初夏へのたたずまいといったところです。今日23日はは未明までの土砂降りの雨も上がり朝から予想外の好天がおとずれ、雨にあらわれた鹿島槍ヶ岳はいっそうの清新さを見せていました。 

冷池山荘周辺のミネザクラはまもなく満開です。ミネザクラは花より葉が先に出ます。

冷池の雪も浮島のように残りわずかになりました。青いシートはヘリの到来を待つ荷下げ物のモッコ。
 

NO544   梅雨らしくなってきました。新越山荘も小屋開けです。

2009  6/ 22(月)

  なかなかまとまった雨が降らない今年の梅雨入り序盤でしたが、昨日の午前中そして本日の午後とまとまった雨となりました。雪融けも加速していきそうです。主稜線ではキバナシャクナゲ、キジムシロ、ミネズオウ、ウラシマツツジなどが咲きほこり、小屋の周囲では日本列島の長かった桜前線の終わりを告げるミネザクラなども咲き出しました。雪融けとともに少しずつお花も増えていきそうです。

  私どもの3軒の山小屋のうち、一番最後に小屋開けの新越山荘も昨日の雨の中、種池山荘より移動したスタッフによって無事に開きました。小屋の周りは意外に残雪多めですが、過日スタッフで行って除雪作業をやってきたおかげで、スムーズに小屋へ入ることができました。このあと小屋の内外の片付けや整備をすすめ、7/1より営業開始になります。新しいスタッフも迎えて今年も9月下旬までの3ヶ月間頑張ります。

6/21雨の中、新越山荘小屋開け。まだ小屋前は2mの残雪。 6/22朝の内は朝焼けの好天も午後には再びの梅雨空へ。 種池山荘前のベンチにもポツリポツリとお客様が見られるように。
 

NO543   映画屋魂と役者魂が合体! 映画 『劒岳 点の記』 本日全国封切り!

2009  6/ 20(土)

  今週は所用で石川県へ赴いた際、帰路を立山黒部アルペンルートにとって大町へ戻ってきました。一週間早く13日に全国に先駆けて、先行封切りした富山県内では『劒岳 点の記』のポスターがそこかしこに張られて熱気むんむんでした。富山県内の上映3館では地元を題材にした大作ということもあり、過去にない入り込みでにぎわっているようです。わたしは映画撮影の際に関係者がよく泊まられた立山の天狗平山荘へ立ちより旧知のオーナーといろいろと楽しい映画の裏話もうかがってきました。私自身は3月に東京の東映撮影所での試写会に押しかけさせていただいたり、6月4日の松本市での試写会にも参加させていただき既に2回鑑賞させていただきましたが、回数を重ねるたびに、さらに良さがわかってくる作品です。明治時代の日本人の実直さ、大自然に対する畏敬、自然の偉大さが如実にあらわれた作品です。撮影そのものもまた当時の測量隊の行程どおりに、同じ時期に同じコースを忠実に歩いて撮影したという実直さです。入山後 日に日に役者さんのひげが伸びていくのも真実、雨の中の撮影も雪の中での撮影もすべてが真実です。なんの特撮もCGもありません。現地での2年間に渡る200日余りのロケそのものが“行”だったというすべてが真実の作品です。

  100年前に案内人魂と測量士魂が一丸となって剱岳初登頂をめざしてつかんだ偉業は、100年後に映画屋魂と役者魂が再び合体して後世に伝える大作を生みました。ぜひとも皆さんにもご観覧いただきたいと思います。オープニングの雪煙舞い立つ立山連峰で夏八木 勲演ずる行者が経をあげるシーンのバックにはいきなり鹿島槍ヶ岳も登場いたします。 またエキストラで立山方面の某山小屋のオーナーがちょこっと出ているのを2回目の試写会の際に偶然発見しました。そんなところもちょっとしたお楽しみに!そして映画の思いを胸に今シーズンは剱岳立山へ、また剱岳立山の大展望台でもある鹿島槍ヶ岳爺ヶ岳へも足をお運びくださいませ。

映画作りの“仲間たち”がよく泊まられた天狗平山荘。 天狗平山荘の玄関にかざられた撮影風景や出演者の数々の写真。 秋田大作監督がメイン!?の宣伝ポスター。

天狗平山荘の中はいたるところが『点の記』に埋め尽くされる。 3月東京撮影所での試写会の後、菊池プロデューサー、福澤美術監督ら。 上野松坂屋『夏山相談会』で映画で使った三角点を背負う菊池さん
 

NO542   種池山荘の周囲も日に日に・・・・

2009  6/ 19(金)

  ここへきてちょっと温度が低め傾向だったり、雨が思うように降らなかったりで雪融けのスピードもややもすれば鈍り気味の感じです。しかし基本的には今年の雪は少なめですので、いつもの同時期に比べると、やはり早め に雪融けも推移しています。種池山荘の小屋前の庭の残雪はほぼ消えて、小屋下のチングルマ畑の中を歩く登山道ももうじき現れてきそうです。柏原新道最後のダケカンバの樹林帯の中の“ジグザグ” もどんどんと路面が見え出してきています。

  ただ“大廻り” から上部は“ガラバ” や“富士見坂” を含め、まだ大きな雪渓のトラバースがありますので最大限の注意が必要なのはいうまでもありません。写真は今朝の種池山荘周辺と直下の“ジグザグ” 付近です。 今日は梅雨の中休みで夏空が広がっています。

 

NO 541  梅雨の中晴れも大気の状態はやや不安定。

2009  6 /  15(月)  

     今日は夕方から雷雨になりましたが、梅雨に入ってからもまだ本格的な雨降りにはなかなかなりません。ここのところ温度のほうはやや低めの感じで今朝も1℃。薄氷が張りました。ちなみに昨年の最終結氷も今日6月15日でしたので、決して遅いわけでもありません。ただ日差しも少なめ、雨量のほうも少なめということで、雪消えのスピードはやや鈍り気味です。柏原新道上部や赤岩尾根最上部の残雪にはまだまだ注意が必要です。

  今朝は昨日のガス模様から一転の好天でしたが、寒気が入り込み独特の雲が上空をおおいました。案の定午後は雷雨模様となりました。爺ヶ岳主稜線ではキバナシャクナゲやキジムシロ、ウラシマツツジなどが咲き出していますし、小屋の周りでもショウジョウバカマに続いてイワナシなどが咲き出しました。中間帯ではムラサキヤシオやオオカメノキ、タムシバが咲きほこります。先週末は両方の小屋に数名のお客様もお泊りくださいました。少しずつ山も小屋の中も春山モードからの脱皮です。写真は今朝の種池山荘からのものです。

 

NO 540  北陸地方のみなさんに朗報! 高岡市で 『山の星月夜』 開催。

2009  6 /  14(日)  

  山岳フォトグラファー 菊池哲男さんから、お手紙を頂戴いたしました。昨年10月の東京:六本木の富士フィルムフォトサロンを皮切りにスタートして大阪、仙台と巡回して大好評の『山の星月夜 眠らない日本アルプス』写真展はこの10月には名古屋市にて開催される予定ですが、その前に富山県高岡市の『ミュゼふくおかカメラ館』の開館10周年と高岡の開町400周年を記念して、同カメラ館にて6/13(土)〜7/26(日)までの一ヵ月半開催されることになったというお手紙の内容です。

  写真展と同名の、小学館より発売の写真集『山の星月夜 眠らない日本アルプス』も夜間の、星、月、山小屋の灯かり、登山者のランプの灯り、下界の街の明かりなどと日本アルプスの山々が溶け合う、今までの山岳写真とは、趣を異にしたもので、高い評価を得ておられますが、天体観測が好きだった天文少年菊池哲男がその下地になっているはずです。今後ますますの活躍が期待されます。なお今回の写真展は今までの会場の倍以上の90点ほどの作品が展示されるそうで、一層の迫力で皆さんを日本アルプスへいざなってくれるはずです。北陸地方在住のみなさんはもちろんのこと、7月へ入ってから剱岳、立山や薬師岳に登山に行かれた方も富山方面へ下山された折にはぜひともお出かけ下さい。折りしも6/15発売の山と渓谷7月号のグラビアのトップには菊池さん撮影の 朝の鹿島槍ヶ岳や種池山荘からの文字通りの “山の星月夜” の作品も掲載されています。そちらもぜひご覧になって下さい。  

  90点もの作品数・・・・  ぜひとも行きたいですね。 昨年の10/26付けの最新情報NO457もご参照ください。

 

NO 539  国東(くにさき)半島   -中山仙境-。

2009  6 /  13(土) 

  先般北九州の北アルプスの集いへ赴いた際に、時間をつくって大分県の国東半島北西部にある中山仙境へ行ってきました。 5年ほど前にテレビニュースで偶然に知ってから、いつの日か訪れてみたいなと思っていたところです。標高はわずか300メートルほどの山ですが、断崖絶壁、奇岩奇峰が連なる見事な光景、2時間足らずですが最初から最後までのスリルあふれる小縦走に大満足の山行でした。中山仙境という名前の響きもすごく気に入っていたのですが、期待にたがわぬその山容、周辺の光景。すっかり気に入ってしまいました。国東半島自体への憧れも、ずっと昔からあったものですから、中山仙境の登山道沿いのいたるところにある石仏にも心うばわれ、断崖絶壁に架けられた無名橋という小さな石橋にも修験者のにおいを感じてますます国東半島にも思いを深め ることになりました。 そばにある火山の両子山(ふたごやま)の噴火に伴った溶岩でできたであろうと思われる山容は、稜線の両端はほぼ垂直の断崖であり、とくに北側は高さ50mから100mの絶壁です。木々が茂っているのでなかなかわかりにくいのですが、覗き込むのが怖いくらいです。 最初から最後まで気を抜ける瞬間はあまりありません。登山道そのもは粘り気のある溶岩で、たいへんしっかりした道です。以前行った雲仙普賢岳への登山道とも似ていました。火山の形成や溶岩の性質が似ているのかもしれませんね。

   日本にはバリエーションに富んだ素晴らしい山が各所にあります。 みなさんもピークハントだけにこがわるのではなく、それぞれの山々に各人が思いを込めた登山をしたいものですね。 山の良さはその高さでもなければ、険しさでも、花の多さでも決してありません。一登山者として、これからもあちこちの見知らぬ山々へ足を延ばしたいものです。今回はほかにも国東半島でぜひ訪れたい場所があったのですが、残念無念、タイムアップです。 石仏と歴史の里 国東半島には数々の磨崖仏や石仏、寺社等があり、国東という国先にも通じるであろう名前からも日本の古代史にもつながるであろうロマンを感じさせてくれます。次回のお楽しみにとって おこうとおもっています。

耶馬溪に似ている夷地区の岩山ということで、夷耶馬とも呼ばれるという中山仙境の奇岩奇峰。

河川プール登山口にある看板。最高峰は高城。

登山道沿いには各所にやさしいお顔の石仏がある。

手の平を合わせたような形の“無名橋”は両方の石の重みで支えあっている。架橋も大変だったろう。

岩をくりぬいて鎮座する石仏も何箇所かに。

最高峰の高城(316、9m)には夷耶馬(えびすやば)の道標と石仏も。

頂上から崖下をのぞく。岩にはいたるところに雨不足で少々乾燥気味のイワヒバが生えていた。

“馬の背”は両側が切れ落ちる。幅が1,2mほどあるので比較的安心できるが油断は禁物。

 

NO 538  まだまだ氷も張ります。

2009  6 /  12(金)  

  6/10に梅雨入り宣言が出ましたが、今日は早々に梅雨の中休みの絶好の一日でした。それならばやっぱり6/4辺りの梅雨入り宣言でよかったのでは・・・・ などと思っています。まあどちらでもいいんですが・・・・ 

  とにかく今日は最高の一日。朝の最低気温はちょうど 0℃。氷が張り、残雪は堅くしまりアイゼンも良く効くくらいです。そろそろ山でも最終結氷を迎えるころになりました。こんな日にお客様が来ればいいのになあとか、こんな無風快晴の一日に、ヘリの荷揚げ作業が行えれば本当に安心、気も楽なのになあなんて思ってみても、このお天気をキープして置くことはできません。今年も毎日毎日天気予報と空をながめるのが大事な仕事になりそうです。 

  冷池山荘の庭の雪もかなり少なくなってきました。冷池の雪が全部融けて、クロサンショウウオが産卵するのも例年よりも早そうです。小屋の周辺では雪の消えたところからショウジョウバカマがどんどん咲き出しています。7月のトップシーズンまでは1ヶ月あまり、雪融けも小屋の準備も順調です。

鹿島槍ヶ岳頂上には、寒気が入っているときの雲が横たわります。爽快な一日。6/12

まだベンチを温めるはスタッフだけ。爺ヶ岳主稜線の登山道上の雪はほぼなくなりました。

 

NO 537  赤岩尾根も上部に雪渓あり。要注意!

2009  6 /  11(木)  

  ようやく梅雨入り宣言も出され、これからはさらに雪融けもすすんでいくことでしょう。先週末に通行が可能になった柏原新道も日に日に夏道が現れてきていますが、まだまだ上部は残雪も多く注意や的確な判断が要求される状況です。爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰にかけての主稜線は冷池テント場北方には、まだ残雪も多いので注意が必要です。また赤岩尾根登山道も柏原新道同様に上部に数箇所の雪渓の通過があるので、注意が必要です。

  柏原新道も日に一、二パーティが登ってくるようになってきましたが、まだまだほとんど動きはありません。この1週間ほどの間にも北アルプスでは剱岳や穂高岳などでは人身事故が発生していますし、行方不明遭難も発生しています。これから7月初旬にかけて各所の山小屋もオープンになりますが、本格的な夏山到来にはもうしばらく時間がかかりそうです。

赤岩尾根の最上部の雪渓をトラバース。

赤岩尾根の最上部の壁。滑落、落石に注意。
 

NO536   新越山荘は7月1日のオープンになります。

2009  6/ 7(日)

  山の上の若い衆も夏山の到来へ向けて日々忙しさが増してくる季節です。 今年は都合でゴールデンウィーク後に除雪作業ができなかった新越山荘の雪掘りに行ってきました。いつもの除雪機とは違いスコップでの手掘り、スノーダンプでの雪運びです。除雪が手付かずでまだまだ残雪たっぷりだった新越山荘も、今回の作業で、この後は雪融けも加速して6月下旬の小屋開け作業、ヘリ荷揚げ作業等もスムーズにいきそうです。

 

NO 535  やっぱり山がいいですね。

2009  6 /  7(日)  

  私はこの一週間はいろんな会議や行事、各種イベント、山の段取り等に追われた毎日でした。東京と北九州へはイベントに、大分ではトイレメーカーとの打ち合わせに、松本で は『劒岳 点の記』の試写会も。合間をみて大分の山へ登ってきたり、柏原新道のカットや赤岩尾根上部の残雪カット作業に行ってきたり、今日は針ノ木岳『慎太郎祭』への参加と。それでも山に入れば、元気が湧いてきますから、皆さんの早く雪が消えて鹿島槍へ登りたいお気持ちもよくわかるというものです。今日は 例年よりもかなり残雪少ない針ノ木岳大雪渓にて第52回針ノ木岳『慎太郎祭』の開催。、梅雨の中休みの絶好の好天に恵まれての開催に250人余りの参加者は北アルプスの夏山シーズン の到来を祝い 安全を祈願いたしました。今日の参加者の中にはこの最新情報をご愛読くださり、NO530の針ノ木岳『慎太郎祭』の案内をご覧になって埼玉県からお越し下さった方も。お嬢さんは北アルプスのある山小屋のスタッフで今夏もじきに入山されるとか。とてもうれしいお話です。ほかにも遠くからお越しのみなさん、地元のみなさん、運営スタッフのみなさんありがとうございました。今年は前年以上に天気と元気と景気にあふれたシーズンになりますように。

毎年6月第一日曜日、夏山のとびらが開かれる。

慎太郎祭の神事の後は針ノ木峠までの記念登山。

右にスバリ岳、大雪渓の奥に針ノ木岳。

名誉大会長の牛越大町市長も元気に記念登山へ。

毎年お越し頂く地元の若一王子神社の宮司さん。

下山後にはお餅が入ったお汁粉が待ってます。

 

NO 534  残雪少なめも危険度は同じです。

2009  6 /  6(土)  

  平成16年の6/3の開通以来の、久しぶりの6月第一週開通になった柏原新道ですが、“石畳”より先の上部にはまだまだ残雪がたっぷり残ります。昨年のような大量の残雪→ボリューム感ある残雪の厚み→立ちすくむくらいの急傾斜→下り時の目もくらむような高度感 といった感じは今年はありませんが、慣れてない方には最上部の下り時などはやはり怖さを感じられることでしょう。そういう方にはもうしばらく待たれることをおすすめいたします。梅雨空つづきの小雨模様で雪融けもすすんでいますし、週明けには梅雨の中休みで好天になりそうです。残雪の上をスコップでカットしたり、人間が歩いて靴跡をつけたりしていくととさらに雪融けは加速していきます。6/20の週末あたりには上部もかなり、夏道も現れてくれることでしょう。

  ところで先ほども梅雨空うんぬんと書きましたが、6/3の午後以降は完全に梅雨モードです。その前の5/27の雹(ひょう)が降ったころから続いた“梅雨空もどき”も入れれば、気象庁の梅雨入り宣言は発表されていませんが 、完全に気分は梅雨入りです。気象庁などなかった昔は、自分たちで梅雨に入ったかどうかは感じとったわけなのですから、気象庁の梅雨入り宣言など関係なく、各人が肌で感じ取ればいいのではないでしょうか。いまは穏やかな梅雨、順調な梅雨明けを祈るばかりです。

“ガラバ”から上の“富士見坂”。雪面続く。

“富士見坂”から沢を俯瞰する。滑落要注意!

慎重に“富士見坂”を下る。

“ガラバ”は上からの落石にも注意。

連日のカット作業に疲れもピーク。頑張りました。

種池山荘直下。雪消えの後にはチングルマが待つ

 

NO 533  白山にライチョウ!!

2009  6 /  6(土)  

  ニュースによると石川県と岐阜県境の白山でライチョウが70年ぶりに確認されたとか! メスのライチョウだとか? 今の時代に70年間も発見されずに生息しつづけてきたなんて、なかなか考えられないので、やはり空を飛んできたのでしょうか? 数年前にも信越県境の 雨飾山であったかどこであったか、普段ライチョウが生息しない山で確認されたことがあったことをうろ覚えですが記憶しています。そのときも白馬岳方面から飛んできたのでは? と識者が推測されていたと覚えています。(そのときのライチョウがどうなったかについては、その後報道はなかったと思います・・・)   そうしてみれば今回の白山のライチョウはどこから飛んできたのでしょうか。考えられるのは北アルプス、乗鞍岳、御岳といったところでしょうか。まだまだ生態も100%は解明されていないだけに、なかなかロ マンあふれる話です。ひとつ心配なのはメスということなので、これからの産卵期にもし産卵したらどうなるのでしょうか。佐渡のトキが今冬長野県北部に飛来したときも、たくさんの人が押しかけたりしましたが、そっと見守って行きたいものです。ところで皆さん当最新情報の5/14付けのNO527の写真に白山とライチョウを掲載したのをお覚えでいらっしゃいますか。偶然とはいえ、自分としては少々びっくりしています。もしかしたらあのライチョウが見ていた先にあったのは、白山だったのかもしれませんね。

 

2009 5/14 NO527より(それにしても白山、遠〜いですよ)

まだまだ真っ白。子づくりに忙しい季節へ。

遠く加賀の名峰 白山。雪多し。

 
     6/4 夏毛が増えてきました。              立派な脚。筋力もすごいんでしょうね。  
 

NO532   速報 今週末、柏原新道通行可能になります。

2009  6 / 5(金)  

  山荘スタッフによる柏原新道および柏原新道に沿った残雪上のカット作業が本日までに終了して、6/6(土)より通行が可能になります。毎年申し上げておりますが、開通といっても6月中の柏原新道は7月や8月の夏山最盛期の登山道とはまったく違います。中間帯より上部はまだまだ残雪たっぷりで、滑落したりバランスをくずして転落でもしようものなら大事故につながるのは間違いありません。カットしたステップも雨が続いたり、日差しが強くなればあっという間に融けて、狭くなったり斜めになったり、なくなってしまったりします。各自の的確な判断および装備、技術、自己責任にて入山してください。安心して通れるようになるのは6月下旬以降です。

  種池山荘と冷池山荘の営業もあわせて再開いたします。本日は昼から雨降りになっています。