▲▲ 2005  / 7月 ▲▲

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NO155  7月も残すところ3日間。お花のピークは8月にはいってからのようです。

2005/07/28

  台風7号は予想進路のもっとも東側をたどってくれましたので、幸いにも北アルプスも大きな被害等はなかったようです。7月初めの集中豪雨で通行止めが続いていた上高地へと向かう国道158号線もおかげで仮復旧工事が終了して本日開通したようです。上高地や槍穂高周辺は入り込みもかなり少なかったようですので山小屋のみなさんもほっとされていることと思います。

  さあ来週は早くも8月入り、あっという間にお盆もやってきそうです。お花は遅れ気味と何回か申し上げてまいりましたが、そうはいっても北アルプスの短い夏です。すでにアキノキリンソウやヤマハハコといった初秋の花も見られるようになってきました。一方では雪が消えて少したった箇所にはショウジョウバカマといった春のお花も見受けられます。まさに百花繚乱の状況です。そんな中私はチングルマの新緑に目をうばわれます。新緑、お花、綿毛のような果穂、そして紅葉とすべてがそろった優等生のような高山植物です。でもそんな素振りはまったくみせないチングルマ。コマクサと人気を二分するわけですね。さてみなさん今週末はお天気も今ひとつのような予想も出ていますが、なんとか生ビールのおかわりがでるようなすかっとした夏空になってほしいものですね。


爺ヶ岳の南峰は展望が抜群。多くの登山者で連日にぎわいます。

爺ヶ岳南峰。雲上に集う人はみな満面の笑顔です。

強風の中、下界のバラにはない力強さを覚えます。愛しいタカネバラ。

鹿島槍ヶ岳もおだやかな盛夏の表情に変わりました。

残雪を渡る涼風に雲海の下の暑さは思い出したくもありません。

柏原新道の上部、ガラ場の雪渓。残すところ25mほど。落石にも気を付けて。

種池山荘前。チングルマの芽吹きも大好きです。もう少しで大群落が咲き誇る。

珍しい2年続きのコバイケイソウの開花。自然の恵みに感謝。

柏原新道を登りきると目の前のコバイケイソウの群落に疲れも忘れ去ります。

遅れていた種池山荘西側のキヌガサソウも今が見頃。


天気

◎台風7号の影響は当地はあまりありませんでした。27日の午後から天候回復して28日は終日快晴になりました。

◎今週末は日本海に急に現れた低気圧とそれに伴う前線の南下が予想されますのでやや不安定な天候が予想されます。

◎7/18に長野県は梅雨明け宣言が出ました。そして北陸地方の梅雨明け宣言も23日に出たようです。 北アルプス北部は長野県と富山県の県境にあります。

◎稜線ではシナノキンバイ,ミヤマキンポウゲ、イワカガミ、シラネアオイ、コマクサ、ハクサンイチゲ、エンレイソウ、キヌガサソウ 、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、ゴゼンタチバナ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラなど咲き出しています。例年よりも開花は 1週間ほど遅めの感じです。

◎今週末から8月初旬にかけて雪消えの早かったところから随時見頃を迎えます。

◎コバイケイソウはまあまあの当たり年です。種池山荘周辺のコバイケイソウは中でも一番いい感じです。また種池山荘のチングルマは8月初旬には見頃を迎えます。

登山ルートの状況

◎鹿島槍ヶ岳及び爺ヶ岳周辺の登山道にはほとんど残雪はありません。軽アイゼン等必要ありません。 台風7号の影響はなかったようで被害の報告は受けておりません。

◎針の木大雪渓はまだまだたっぷりあります。大沢小屋より600mぐらい上から雪渓歩きです。稜線直下や上部では巻き道も出ています。心配な方は軽アイゼン、ストック等お持ちください。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は特に問題ないようです。

◎6月末からの豪雨で大谷原から西俣出合間の工事用道路に傷みが出ましたが、仮復旧が済み登山者の通行に支障はありません。ただし今後相当の大雨があった場合は注意が必要です。

アドバイスや注意

◎今年も靴の底のはがれてしまうことが目立ち始めました。事故にもつながることですのでしっかりと調べて入山してください。

◎残雪や浮石、落石等に注意。針の木方面は軽アイゼン等もあれば安心です。

◎天気よくなれば温度高く、日差しも一気に強くなります。帽子、サングラス、日焼け止め等忘れずに。

◎雷と夕立に注意。3時前には小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。

◎最近よく耳にする熱中症。スポーツドリンク等を早め早めに摂取しましょう。

混雑状況

◎7/30(土)の冷池山荘はすでに定員に達しています。お天気良ければ混雑が予想されます。また8/2(火)も学校登山もあってかなり込み合います。いずれも他の日をおすすめいたします。

◎種池山荘も7/30(土)はすでに定員に達しています。他の日への変更をお願いいたします。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。なお例年、お盆の時期は意外と込み合いませんので穴場です。

◎次週8/6(土)の週末はいまのところは先週末や今週末のような勢いはありません。また8/8以降は一気に予約も少なくなりますのでゆっくりとしていただけることと思います。

NO154  沸き立つ入道雲も、満天の天の川も夏山の魅力。

2005/07/22

 北アルプスの西側半分の富山県は7/22のお昼現在では、まだ梅雨明け宣言が出ていませんがここ3日間いいお天気が続いて、海の日3連休からの本格的な夏山シーズンも活気が出てきました。お盆すぎまでのトップシーズン1ヵ月のスタートです。幸い今週末も天気も良さそうだし、お花もどんどんと咲き出していますしいい山行を楽しんでいただけるのではないでしょうか。到着後には冷えたビールでたっぷりとのどを潤してください。ただ込み合うことだけはお許し下さい。最近はご予約を入れてくださる方が多くほんとうに助かっています。定数を超えたときには他の日への変更や、別の小屋への変更をお願いできたりして少しでもゆっくりとお休みいただけるようにできてありがたいです。予約の特典は? とお聞きになられる方もおいでですが、少しでもゆっくりと休んでいただくことと、登山道等に災害があったりしたときにすぐにご連絡を差し上げられるといったところでしょうか。そういったところですが今後も予約率の向上にぜひともご協力をお願いいたします。


7/20は稜線では4℃まで下がりました。寒さと強風で登頂断念の方もおられました。

秋のような雲も出現。いよいよ本格的な梅雨明けのようです。

地元の大町一中の学校登山があり総勢130人余りが元気に赤岩尾根を完登。

稜線に出て大町では見ることのできない剱立山の威容や達成感に大満足。

梅雨明け十日のとおり20日からいい天気が続いています。


天気

◎7/20から22日にかけていい天気が続いています。週末も期待できそうです。

◎来週は台風の動き次第で大きく天気も変わるでしょう。台風情報にはくれぐれもご注意を。

◎7/18に長野県は梅雨明け宣言が出ましたが、北陸地方及び新潟県の梅雨明け宣言はまだ出ていません。 北アルプス北部は長野県と富山県の県境にあります。

◎稜線ではシナノキンバイ,ミヤマキンポウゲ、イワカガミ、シラネアオイ、コマクサ、ハクサンイチゲ、エンレイソウ、キヌガサソウ 、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、ゴゼンタチバナ、ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、ミヤマキンバイ、アオノツガザクラなど咲き出しています。例年よりも開花は 1週間ほど遅めの感じです。

◎来週から8月初旬にかけて雪消えの早かったところから随時見頃を迎えます。

◎コバイケイソウはまあまあの当たり年です。種池山荘のチングルマは来週見頃を迎えます。

登山ルートの状況

◎鹿島槍ヶ岳及び爺ヶ岳周辺の登山道にはほとんど残雪はありません。軽アイゼン等必要ありません。

◎針の木大雪渓はまだまだたっぷりあります。大沢小屋より500mぐらい上から雪渓歩きです。稜線直下や上部では巻き道も出ています。心配な方は軽アイゼン、ストック等お持ちください。

◎鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間は特に問題ないようです。

◎6月末からの豪雨で大谷原から西俣出合間の工事用道路に傷みが出ましたが、仮復旧が済み登山者の通行に支障はありません。ただし今後相当の大雨があった場合は注意が必要です。

アドバイスや注意

◎今年も靴の底のはがれてしまうことが目立ち始めました。事故にもつながることですのでしっかりと調べて入山してください。

◎残雪や浮石、落石等に注意。針の木方面は軽アイゼン等もあれば安心です。

◎天気よくなれば温度高く、日差しも一気に強くなります。帽子、サングラス、日焼け止め等忘れずに。

◎最近よく耳にする熱中症。スポーツドリンク等を早め早めに摂取しましょう。

混雑状況

◎7/23の冷池山荘はすでに定員に達しています。混雑が予想されます。また26日も学校登山もあってかなり込み合います。最大のピークは7/30(土)になりそうです。いずれも他の日をおすすめいたします。

◎種池山荘も7/30(土)はすでに定員に達しています。他の日への変更をお願いいたします。

◎申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。なお例年、お盆の時期は意外と込み合いませんので穴場です。

NO153  本格的な梅雨明けへも秒読み段階。スカッとした夏空が待たれます。

2005/07/19   

  連休最終日の7/18には各地で梅雨明け宣言が出て海の日連休にふさわしいニュースになりましたが今年も梅雨の中での海の日連休入りになりました。初日はあいにくの小雨がぱらつく中でのスタートでしたが、その後は回復してまあまあのお天気に、2日目もまあまの曇り空から夜には満天の星空に、そして最終日には長野県でも梅雨明け宣言が出て山の上でもいいお天気になりました。梅雨の中でのスタートではありましたが今年もたくさんのお客様にお越しいただき、やはり海の日は山の日であることを再認識いたしました。ただ北陸地方の梅雨明けがまだなように7/19は朝から雨模様になってしまいました。本格的な北アルプス北部の梅雨明けはもう一日二日待たねばならないようです。

  今年は雪そのものの量は少なめだったんですが、雪消えが遅れて高山植物の開花も一週間ほど遅れ気味の感じです。でもこのあと天気が続いたりしたら一気に開花も進むかもしれませんけど。お花畑はある位置や雪の量、雪どけの早さ、花の開花期間などによってピークを迎えるのも微妙に違うので、お盆前までは十分に楽しむ事ができます。ちなみに種池山荘前のチングルマやコバイケイソウは来週が見頃になるのではないかと思われます。先日通過したスバリ岳のコマクサも開花し始めていました。イワウメやヨツバシオガマもみごとでした。冷池テント場の先のお花畑は雪が消えたところで月末にかけてチングルマやシナノキンバイ等が咲き誇りそうです。高山植物は自分の足で登って間近で見るのが、なんといっても醍醐味ですよね。みなさんあちこちの素敵なお花に会いに行けるといいですね。

  前回のこのページでも書いたんですが、事故のないシーズンを毎年いちばん願っています。残念ですが今年もその願いを果たすことはできませんでした。連休入り直前に鳴沢岳で転落事故、連休初日には爺ヶ岳で心疾患とおもわれる突然死事故と相次いでしまいました。お二人の急逝を悼むとともに、現場に立つ私共もその対策を勉強したり研究することの大切さを再確認するこの連休でした。とにかく夏山シーズンも始まったばかり、みなさんも体調管理や余裕ある日程を組まれることをお願いいたします。梅雨明けを待たれて7/23(土)の週末へ変更された方も多いようです。申し訳ありませんが今週末はかなりの入り込みになりそうです。なにとぞご協力をお願いいたします。  


鹿島槍ヶ岳周辺のコバイケイソウもまあまあですよ。他のお花も咲き始めたばかりです。

7/19の朝は晴天の中みなさん満足な表情での出発。大きな崩れのない三連休でした。

なかなかすっきりと姿を現わしてくれなかった剱立山も久しぶりの登場。

新越山荘今季最初の入り込みになった三連休は周辺のコバイケイソウも合わせて開花。

針の木雪渓の最上部。左側には夏道も現れているので心配な方はそちらを下山してね。

NO152  あっというまの海の日連休もまだまだ梅雨の中。好天を祈るばかりです。

2005/07/13   

  6月中の雨不足、水不足のニュースがもう遠い過去の事にさえ思えてくるこのところの連日の豪雨、大きな被害も各地であったりして毎日毎日梅雨前線の位置や動きが気になって仕方ありません。6/28の本当の梅雨入り後は鹿島槍ヶ岳周辺もまったく雨の降らない日はないような状況です。そんな中ですが先週からは地元中学校の学校登山も始まり、晴れ間を縫って三校の生徒さんが爺ヶ岳に登頂をしました。日中は晴れて夜中に雨が降るというラッキーな展開でした。雨にぬれて登山嫌いになる生徒さんが増えなくて幸いでした。みな残雪と緑のコントラスト、咲き出した高山植物の可愛さ、北アルプスの雄大さをきっと脳裏に焼き付けて帰路についたことと思います。

  さて今週末は今シーズン最初の三連休。まだ梅雨が明けてないこともあり今ひとつ実感が湧いてこない感じもあるんですが、まぎれもない三連休。予約も16日の種池山荘、17日の冷池山荘を中心にかなりいただいており、お天気次第ではありますがかなり込み合いそうです。なにとぞご協力の程よろしくお願い申し上げます。ただやはり梅雨があけておらず、天気も安定してないこともありご予約状況は7/23(土),7/30(土)の週末が多い感じです。でも昨年も海の日連休は天候悪化の中にもかかわらず大勢のお客様にお越しいただきましたので、今年もその勢いはとまらないかもしれません。とにかく今は今週末の天候の安定と一日も早い梅雨明けを願うばかりです。幸いと申しますか今日の天気予報では来週は全国的に晴天の日が多くなりそうとのこと。おおいに期待したいものです。

  前回も書きましたが6月末からの度重なる集中豪雨で赤岩尾根登山口がある西股出合から大谷原の間は数箇所で被害が発生してしまいましたが、オーナー柏原正泰の陣頭指揮の下、復旧工事がおこなわれ仮復旧しており通行に問題はありません。ただ今後も大雨が続けば状況は変わりますので、小屋の情報とともにお客様も的確な判断と行動をお願いいたします。周辺では他には大きな被害は報告されていませんがところどころで雪庇の圧力等で登山道が少し傷んでいるようなところもありますので注意して通行してください。残雪の心配は周辺ではほとんどありませんが、針の木雪渓にはまだたっぷりとありますので心配な方は軽アイゼンの使用をおすすめいたします。稜線では雪融けの早かった場所からどんどんと高山植物の開花が始まっています。今年は4月のコブシの大当たり、6月のシャクナゲやタムシバの大当たりといいお花は当たり年の様相が見受けられます。いま稜線ではコバイケイソウがここ数年では最高の気配をみせています。平成7年以来の超当たり年になってくれるとうれしいんですが。お花の当たり年とは対照的に今季は最盛期(海の日からお盆頃) の 女性アルバイトさんの集まりがおもわしくなくよわっております。これも少子化の影響かと思えば今後はいろいろと考えていかなければならないようです。どなたかお手伝い願える 女性の方がおいででしたらご一報ください。とにもかくにもトップシーズンへ突入です。遭難対策協議会のパトロール隊員の方も入山いたしました 。昨年は始めての落雷事故といったこともありましたが、事故のないいいシーズンになってほしいものです。


中央の尾根に見える白い花のかたまりはコバイケイソウです。今年は大いに期待できそうです。

種池から見る梅雨空にどっぷりとつかった安曇野。小屋周りでもコバイケイソウやキンポウゲがちらほら。

種池山荘前庭のナナカマドは今が花盛り。奥には残雪たっぷりの針の木大雪渓を望む。

小屋の近くに偶然鳥の巣を発見。スタッフが調べたらカヤクグリでした。天敵に襲われないで巣立ってね。

種池山荘前の残雪もわずか。消えたあとには見飽きることがないチングルマとコバイケイソウの大乱舞。

信州名物の学校登山が始まりました。いの一番は今年も小川中学校。お天気もまあまあで皆さん大感激。

7/13は朝からご覧の快晴。窓を開けるにもうきうきしてしまいます。冷池山荘の2階から。

昨夜の予報からも天候の回復がここまで進むとは。起きてびっくり、そして感謝感激です。

梅雨明けを期待させるような雲と空。もう雨はたくさん降りました。あと少しの辛抱、待ちましょう。

写りが悪くてすみません。布引岳でもハクサンイチゲで一面真っ白。可憐さと力強さをあわせ持つ花です。